2009年12月28日月曜日

JR西と遺族、合同で尼崎脱線事故検討会を開く

記事によれば、JR福知山線脱線事故の遺族らでつくる「4・25ネットワーク」とJR西日本は、事故の真相を合同で検証する検討会を設立すると発表していたが、この検討会を25日に初めて開き、検討会を「福知山線列車脱線事故の課題検討会」と名づけた。
 
 JR西の組織や安全意識の問題を見直すことが狙いで、鉄道事故を巡り、被害者と加害者がともに検討する場を設けるのは異例のことといえる。月1回程度、会合を持ち、2011年3月をめどに報告書をまとめるという。

 検討会に参加するのは、ネットワーク側が、妻と妹を亡くした浅野弥三一(やさかず)さんら遺族5人と、JR西日本側は西川直輝副社長ら5人で、必要に応じ関係部署の責任者も出席する。

 遺族側は、社内に安全認識を共有できる体制があったか、日勤教育やダイヤ編成が科学的根拠に基づいて安全を確保できる仕組みで行われたのか――などを検証したい意向で、浅野さんは「事故の全容解明は我々が前に進むために欠かせない作業。特に運転士がなぜ暴走したかは詳しく調べたい」と話しているそうだ。

《記事》
尼崎脱線事故の検証スタート 「日勤教育」から議論へ 2009年12月25日 22時20分
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009122501000749.html

2009年12月24日木曜日

高知佐川町白倉踏切の事故から8か月

犠牲者が一人だった事故も、大勢の人が亡くなった事故も、亡くなった方一人一人の命の重さは同じはず。同じように事故の原因を調べ、同じような悲惨な事故が繰り返されないよう、十分な安全対策を取ってほしいと願う遺族の思いは、どういう事故であっても同じなのではないか。

 鉄道事業者や行政、事故調査機関など鉄道に関係する人々には、せめて、帰らぬ人の命の重さを両手に受け止め、二度と悲惨な事故を起こさないと心に決めて、安全な鉄道をつくる努力をしてほしい。
(写真は事故のあった高知県佐川町白倉踏切、第1種だが非常ボタンはなかった:遺族提供)


《記事》
こうち2009:/上 佐川・電動車いす踏切事故 /高知
 
 
 
 
毎日新聞 2009年12月23日 地方版
http://mainichi.jp/area/kochi/news/20091223ddlk39040406000c.html

JR山田線盆景踏切、来年度警報機・遮断機設置へ

 今年10月の高校生と母親の乗った乗用車が列車と衝突した事故の後、JR山田線盆景踏切(第4種)は、付近の住民から、警報機・遮断機を設置するよう要望書が出されていた。宮古市とJR東盛岡支社は、来年度、同踏切と近くの竹洞踏切に警報機・遮断機を設置することで合意した。

 盆景踏切は、見通しが悪く列車が接近するのがわかりにくいといわれていた。以前にも事故があったという。また、地図を見ると付近には、学校や住宅が広がっている。踏切を通る車両や列車本数が増えるなど、環境の変化に応じた安全対策が求められていたのに、市やJRは対策を後回しにしていたと思える。
 
 市長は、二度と事故が起きないように、踏切の通行者にはマナーを守ってほしいと言う。しかし、常に踏切をとりまく状況を把握して十分な安全対策をとり市民や利用者の安全を守るべきなのは、行政や鉄道事業者のはずである。長年にわたって出されていたという住民の要望を取り上げなかった市長や事業者こそ、「マナー違反」ではないのだろうか?

《記事から》
宮古踏切 遮断機、警報機設置へ、市、来年度予算案で
(2009年12月22日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/iwate/news/20091222-OYT8T00091.htm

2009年12月23日水曜日

マクラーレン社製ベビーカーで、指をはさむ事故増える

 最近、日本でも人気のあるマクラーレン社製ベビーカーだが、折りたたみ式のベビーカーを開閉する際に、接合部分で子どもの指をはさむ事故が起きていた。
 
 アメリカでは、このベビーカーで指の切断事故が12件起きていたため、アメリカ消費者製品安全委員会は、アメリカマクラーレン社に対して、「製品安全予防措置」をとるよう勧告した。
 アメリカマクラーレン社は、ベビーカーの開閉時に指をはさむ可能性のある接合部分にカバーをすることにし、購入者に対してカバーを無償で配布することにした。日本では、正規輸入元である野村貿易が配布する。

 一方、並行輸入品へも、経済産業省と消費者庁は同様の対応をするようマクラーレン社に要請したが、メーカーとの間に代理店や小売店などが介在する並行輸入業者の対応は遅い。
 複数の並行輸入業者で協力して補修カバーを作り無償配布する準備をしているそうだが、事故の防止に役立つよう、早急に対応してほしいものだ。

 マクラーレン社のHP
「米国マクラーレン「製品安全予防措置」に関する社告について」
http://www.maclaren.jp/news/index.html
 
《日経記事》
「マクラーレン」ベビーカー事故 並行輸入品、進まぬ補修
 http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20091221AT1G1702320122009.html

2009年12月20日日曜日

旅客機座席、安全基準強化へ

 国土交通省は、旅客機の座席の安全基準を厳しくしたという。座席の強度だけではなく、人体への衝撃も計算して、けがをしにくくする。
 
 旅客機だけでなく、列車の座席や、車内の安全性についても検討してほしい。各駅列車でも、直線距離が長いところでは、時速80から90㎞のスピードを出している。もし急停車したり、脱線することがあれば、乗客はシートベルトをしていないのだから、イスから投げ出されたり、将棋倒しになりかねない。

 もし、万が一事故が起きた場合でも、乗客の被害が少なく、けがの程度も軽くすむよう、安全な設計をこころがけてほしい。

《記事》
旅客機座席、より安全に 乱気流などでのケガ防止、国が基準強化
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20091210AT1G2401510122009.html

2009年12月18日金曜日

消費者庁、「子どもを守る!プロジェクト」発足

 17日、福島瑞穂消費者行政担当相は、閣議後、「子どもを事故から守る!プロジェクト」を発足させることを明らかにした。
 子どもの目線で、社会の危険を見まわし、各省庁が事業者などと連携して、子供を不慮の事故から守ろうというもの。さまざまな事故の情報を集め、原因を調査し、再発防止策を検討・具体化していくとともに、事業者をはじめ、家庭や学校など関係者の取り組みと協力を促していくという。

 これまで、子どもの事故に関しては、各省庁ごとに縦割りで対応してきた。そのため、事故情報がうまく伝わらず、対応が遅れたため被害が拡大することもあった。このような弊害をなくし、事故を未然に防ぐ取り組みがもとめられる。

 子どもが安心してのびのびと学び遊べる環境を整えるのは大人の役割であると思う。悲惨な事故が起きてから、対策を考えるのではなく、大人たちが知恵を出し合って、事故を未然に防ぐ手立てを講じてほしい。そのために、消費者庁は積極的に、消費者行政の司令塔として働いてほしい。

詳しくは、消費者庁HP
「子どもを事故から守る!プロジェクト」
http://www.caa.go.jp/adjustments/pdf/091217adjustments_2.pdf

《共同通信記事》
子どもプロジェクト発足 事故防止で消費者庁
2009/12/17 12:26 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200912/CN2009121701000377.html

2009年12月16日水曜日

一体タイプのソフトコンタクト消毒液、「殺菌力不十分」

 16日、国民生活センターは、ソフトコンタクトレンズ用消毒液(一体タイプ)の多くは、消毒力が不十分であるとの研究結果を公表した。
 洗浄から保存まで行えるタイプの消毒液は、洗浄と保存液が別々のものに比べると、殺菌力が弱く、このタイプの消毒液を使っているコンタクトレンズ使用者に、微生物による感染症が増加しているという研究結果がでた。アカウントアメーバなどの微生物が目の表面の傷から入り込み、角膜が炎症を起こすという。

 センターでは、消費者にコンタクトレンズや消毒液の正しい使い方、定期検診をすすめるといった情報提供や指導をするよう、厚生労働省や消費者庁などにもとめた。

製品名などの詳しい情報は、
国民生活センターHP「ソフトコンタクトレンズ用消毒剤のアカントアメーバに対する消毒性能
-使用実態調査も踏まえて-」
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20091216_1.pdf

薬害オンブズパースン会議HP
「ソフトコンタクトレンズ消毒剤MPS使用者におけるアカントアメーバ角膜炎発症防止に関する要望書提出」
http://www.yakugai.gr.jp/topics/topic.php?id=734


《朝日新聞記事》
一体タイプのコンタクト消毒液、6製品「殺菌力不十分」2009年12月16日21時4分
http://www.asahi.com/national/update/1216/TKY200912160355.html

2009年12月13日日曜日

総務省消防庁、AEDの不具合、全国調査へ

 9日、心臓発作を起こした男性に救急隊員が自動対外式除細動器(AED)を使って電気ショックを与え心臓の動きを正常に戻そうとしたところ、AEDが作動せず、その後男性が死亡したことから、総務省消防庁では全国的なAEDの不具合の実態調査をおこなうことにした。2010年1月に調査結果を発表する予定。
 
 事故などで、呼吸が止まり意識を失った人に対して、救急車が到着するまでの数分間、人口呼吸などとともに、AEDを使って心肺蘇生を行えば、より多くの人が救われる。
 そのため、AEDは、駅や公共の施設、スポーツ施設などに設置され、2004年7月からは、一般市民でも使用できるようになった。国内では、AEDの設置は届け出義務がないので、正確な数字はわからないが、20万台以上普及しているという。

 今年はじめ、総務省消防庁は、2007年に心筋梗塞などで心肺停止状態になり、救急搬送された患者の1カ月後の生存率を調べたところ、10・2%だったと公表している。調査を始めた05年に比べ、3・0ポイント改善したとしており、AEDの普及や救急隊員の能力の向上が改善の要因としてあげられるという。

 このように、生存率を上げているAEDだが、最近不具合が報告されたため、AEDを輸入販売している日本光電では、この機器と同じ製品番号のパッドの自主回収をはじめている。

 なお、総務省消防庁のHPでは、調査について以下の文書が出ている
「AEDの不具合が疑われた事案に関する調査について(依頼)」
全国メディカルコントロール協議会連絡会事務局消防庁救急企画室
http://www.fdma.go.jp/html/data/tuchi2112/pdf/211208-kyu280.pdf

《記事》
AEDの不具合 緊急調査へ(NHKニュース)
http://www3.nhk.or.jp/news/k10014285711000.html

2009年12月12日土曜日

公園遊具の事故、消費者庁が対策検討へ

  10日、消費者庁によると、公園などにある遊具で子どもが遊んでいて、けがをする事故が今年8月以降、全国で8件起きていることがわかった。各地方自治体から情報が寄せられた。
 公園や学校の遊具の点検や補修は自治体にまかされており、ばらつきがあるという。

 
 写真は自宅近くの公園にあるすべり台。急な階段をあがって、滑り台をのぞきこんだところ。おどり場が15㎝×45㎝くらいと狭い。子どもは頭が重いのでおどり場に上がると、すぐ下にころげおちてしまいそうだ。
 対策について区役所に問合わせたところ、この公園は「こどもの遊び場」といって、公園ではないので、地域振興課で管理しているという。危険な遊具は、随時撤去しているが、この滑り台も、滑り台の基準ができる前だったので、踊り場が狭いのだという。
 幸い、今のところ、この滑り台で遊んでいてけがをしたという話は聞かないが、できれば安全な滑り台にしてほしい。狭い公園だが、この地域では、唯一の子どもの遊び場だ。安全に楽しく遊べる場であってほしい。


《記事》
各地で遊具事故相次ぎ、8人重傷 消費者庁が対策検討へ
2009/12/10 08:21 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200912/CN2009121001000112.html

2009年12月9日水曜日

改正特定商取引法施行、消費者保護強化へ、

 2008年6月に成立した「改正特定商取引法」と「改正割賦販売法」が、12月1日から施行された。「消費者団体訴訟制度(以下団体訴権制度と略)」も導入された。

 消費者被害は1件ごとの被害額が少額であることが多く、個人で訴訟を起こすまでには至らないため、被害が広範にわたってしまうことが問題だった。団体訴権制度の導入により、被害を未然に防ぐ効果があるという。

 改正特定商取引法では、原則すべての商品やサービスがクーリングオフの対象となった。
 特定商取引法はトラブルが生じやすい取引形態についてルールを定めたもので、規制対象となるのは、訪問販売や通信販売などの取引。

 これまでは訪問販売や電話勧誘販売、通信販売に関して、取り締まりの対象を58品目21サービスに限定していたが、改正特定商取取引法では食料品を除いて原則すべての商品が対象となった。改正点は、他に、
しつこい勧誘を禁止したこと。消費者が拒絶した場合、勧誘を続けることができない。しつこい勧誘に対しては、はっきり「いりません」「お断りします」ということ。「忙しいから」「またあとで」など、あいまいな意思表示は拒絶の意思があるとみなされないので注意が必要。

 また、過量販売が禁止された。不要なリフォームや大量の布団など、非常識な大量販売はクーリングオフ期間後も解約でき、既に払った代金は返還される。改正法では、具体的な基準は定められていないが、業界団体の日本訪問販売協会が、「過量に当たらないと考えられる目安」をホームページで作成、公表した。

 ただし、販売会社が倒産した場合は返還対象とはなっておらず、過量かどうかの線引きも曖昧な感じがする。
 通信販売の返品について、初めて法制化され、返品についての記載がなければ、商品を受けとってから、8日以内は、返品が可能になる。
 
 自治体では、「訪問販売お断り」というシールを住民に配布し、玄関に貼って、悪質な勧誘を防止しているところがある。お年寄りなどが玄関先に出て、業者と会って話してしまうと、業者のたくみな話術にのせられてしまい、不必要な商品をたくさん買わされたり、高額でいい加減な「リフォーム」を何度もさせられたりする被害が後を絶たないからだ。
 かく言う我が家でも、市から配布された「お断り」シールを玄関に貼っている。また、電話で毎日のように不動産や投資の勧誘も来るので、「お断りします」とはっきり断っている。
 悪徳商法の手口や、トラブルになったときの相談先などを、自治体が住民に情報提供しておくことも大切だ。自治体が悪徳商法についての勉強会などを町や村単位で開き、いざという時、住民同士が助け合って被害を防ぐ関係をつくっておくことも、トラブルを減らすことにつながると思う。


消費者団体訴訟制度については、消費者庁HP
http://www.consumer.go.jp/seisaku/caa/soken/index.html
日本訪問販売協会のHP「過量に当たらないと考えられる目安」を公表http://www.jdsa.or.jp/www/rireki/shousai/21pdf/20091029meyasu.pdf

《12月11日追記》
消費者庁は、10日、「お断りシール」についての見解を公表した。「改正特定商取引法における再勧誘禁止規定と「訪問販売お断り」等の張り紙・シール等について」
http://www.caa.go.jp/trade/pdf/091210kouhyou_1.pdf

2009年12月8日火曜日

JR福知山線脱線事故報告書、検証チームが初会合

 7日、JR福知山線脱線事故報告書が公表前に漏えいしていた問題で、遺族や被害者が加わった報告書の検証チームの会合が開かれた。報告書の内容だけではなく、事故調査のあり方についても検討する予定だという。

 運輸安全委員会が設置した場で、有識者に遺族や被害者も加わって、事故調査報告書について検討するのは初めてで、画期的なことといえると思う。今回の報告書の問題点だけでなく、なぜ漏えい問題がおきたのか、今までの事故調査の問題点はどんなことなのか、時間をかけて十分論議してほしい。

《記事》
報告書修正も検討 JR漏えい検証チーム初会合 
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0002567067.shtml

2009年12月7日月曜日

再び事故が起きた秩父鉄道桜町踏切

 12月6日午後、行田市の桜町踏切で、電車好きのお子さんが踏切内に入り、列車にはねられて亡くなった。この踏切は警報機、遮断機がなく、昨年9月にも、部活に行く途中の中学生が、列車にはねられて亡くなっている。
 
 秩父鉄道に問い合わせたところによれば、その後、踏切には警報機などをつける対策はとられておらず、行田市と対策を検討中だったという。
 以前にも当ブログで、昨年の事故後に踏切をたずねたことを書いたが、付近は宅地化が進み、住民や小中学生が日ごろよく通る踏切である。
(「踏切事故の現場をたずねて」 http://tomosibi.blogspot.com/2009/06/blog-post.html
 鉄道ができたころの環境とちがい、付近の交通量もふえている。環境の変化に対応した対策がもとめられる。

 それにしても、亡くなったお子さんのご両親の悲痛な思いはいかばかりだろう。かける言葉が見つからない。また、昨年亡くなった中学生のご両親は、心の傷が癒えないうちに起きた事故に、さぞ、心を痛めていることだと思う。

 いつまでも、踏切の事故は踏切をわたる歩行者の自己責任とせず、鉄道事業者や行政は根本的な対策を講じるべきである。

《記事》
鉄道事故:電車好きの4歳、はねられて死亡--埼玉・秩父鉄道の踏切
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20091207ddm041040078000c.html

2009年12月5日土曜日

高崎・上越線の踏切で、車いすの男性を救出

 11月7日、高崎のJR上越線の井野‐新前橋間の五里踏切で、警報機が鳴り遮断機の下りた踏切内で、動けなくなっていた車いすの男性が、踏切近くを通りかかった新聞販売店の店長に助けられていたことがわかった。13日、JR高崎支社は、未然に事故を防止してくれた店長の三浦英則さん(44)に感謝状を贈った。

 救出された男性は、下半身が不自由で車いすで生活しており、当日も所用で踏切を通ったところ、車いすの車輪がレールと路面の間に入り動けなくなったらしい。新聞の集金のため踏切を通りかかった店長の三浦さんが、男性に気付き、遮断機をくぐって踏切内に入り助けだした。ふたたび踏切にもどり、車いすを溝から外そうとしたがゆらしてもはずれず、そうこうしているうちに反対側の上り線に列車が来たという。
 三浦さんは、とっさのことで、急いで助けなくてはという気持ちでいっぱいで、非常ボタンを押すのを忘れたと言っているそうだ。

 この踏切は、緩いカーブのところで、カーブ外側を高くしてあるため、線路に高低差があり、でこぼこしているという。また、レールと踏切路面とのあいだに、隙間があるため、車いすなどの車輪がはまりやすいという。
 
 この踏切には、レーザー光線で踏切内で立ち往生した自動車などを検知し踏切に近づく列車を緊急停車させる障害物検知装置が設置されていた。しかし、男性も店長も6本のレーザー光線では検知されなかった。
 障害物検知装置は自動車など大きなものは確実にとらえることができるが、人や車いすの大きさでは検知できないことがあるという。

 すべての人が踏切道を安全に渡れるように、路面などの整備も必要ではないかと思う。 

《参考記事》
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20091111ddlk10040108000c.html
毎日新聞 2009年11月11日 地方版
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20091114ddlk10040044000c.html
毎日新聞 2009年11月14日 地方版

《JR上越線井野‐新橋間五里踏切の動画》
http://www.youtube.com/watch?v=L9MWBpqtXCc

2009年12月4日金曜日

JR山田線盆景踏切事故、住民が遮断機設置を要望

 今年10月20日午前7時40分ごろ、岩手県宮古市八木沢のJR山田線の踏切で、宮古発花巻行きの普通列車が乗用車と衝突し、この車を運転していた宮古市八木沢のパートの女性と、高校2年生の息子さんが全身を強く打ち、亡くなった。

 地元の八木沢自治会では、事故のあった踏切に遮断機の設置を求める要望書を提出した。周辺は、道路整備が進み、交通量が増えていたという。数年前から、踏切の整備を検討してきていたというが、2006年にも、乗用車と列車が衝突し、乗用車に乗っていた人が亡くなっているそうだ。乗用車が入れる踏切に、警報機も遮断機もなかったことは、事業者の安全対策に疑問を持つ。

 住民や交通量が増え、周辺には小中学校や大学、高校などがあるのだから、単線だからといって踏切設備を整備しないのではなく、鉄道をとりまく環境の変化に見合った対策が、事業者にも行政にももとめられている。行政とJRは、緊急に対策を検討し実施すべきだと思う。

《記事》
住民が遮断機設置要請 宮古・踏切事故受けJR東に
(岩手日報 2009/12/03)
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20091203_4

2009年12月2日水曜日

運輸安全委、報告書漏えい問題の調査結果を公表

 12月1日、JR福知山線脱線事故の事故調査報告書が公表される前に、報告書の内容が元委員からJR西日本に漏えいしていた問題で、運輸安全委員会は元委員らへの調査結果を発表した。

 運輸安全委員会は、JR西日本の幹部らと接触していた元委員らの行動が、最終報告書の内容に影響を与えたかどうか、委員からの聞きとりや当時の会議録などを精査して調査してきたが、いずれのケースも最終報告書への影響はなかったとしている。

 一方、山口元委員が報告書のコピーを渡したり、JR西に有利な発言をした行為は「国民の信頼を失墜させるものであり、言語道断」としたほか、他の委員についても「不適切で、誤解を招く恐れのある行為だった」としている。

 この調査結果は、7日から報道関係に公開で開かれる有識者や遺族・被害者らで構成された事故調査報告書の検証チームで、再度検討されることになる。
 多くの方々の検討を通じて、公正で中立な事故調査報告書が出されることを望みたい。

 なお、運輸安全委員会のHPでは調査結果の報告書が公表されている。
『福知山線脱線事故調査報告書に係る情報漏えい等に関する調査結果について』
http://www.mlit.go.jp/jtsb/fukuchiyama/iincyou/fu03-hou20091201.pdf

2009年12月1日火曜日

JR四国佐川町踏切事故、高知地裁で第1回公判

 11月27日、高知地裁で、今年4月JR土讃線の踏切でハンドル型電動車いすに乗って踏切を横断しようとした女性(86歳)が、踏切の中に取り残され、特急列車にはねられ死亡した事故の遺族が提訴した裁判の第1回公判があった。

 訴えによると、事故のあった踏切は、単線で、幅約6.4 m、道路直進幅約7.2m、交通量が多く、警報機と遮断機がつけられているが、踏切で事故が発生した場合、緊急に列車に知らせる非常ボタン(踏切支障放置装置)がなかった。そのため、閉じ込められても、事故を回避するために、迫りくる列車に、踏切上の緊急事態を知らせ、踏切の手前で止まってもらうことができなかったことが事故発生の要因だとしている。

 ところで、国土交通省令によって、複線区間では、警報機が設置されている第1種・第3種踏切とも、踏切の幅や道路通行量、列車の本数に関係なく、非常ボタンの設置が義務付けられている。
 一方、単線区間では非常ボタンの設置が義務付けられておらず、単線の多い北海道や東北、四国のJR路線、地方の中小民鉄では第1種踏切であっても設置されていない踏切が多いという。地方の路線では、単線でも特急が数多く走っており、事故のあった土讃線佐川では一日の列車本数は上りは30本余りだが、そのうち10本は特急列車である。時速100㎞を超す特急が走っているのに、非常ボタンや、立ち往生した車などをセンサーで検知し列車に知らせる踏切障害物検知器が設置されていないのは、安全対策として不十分ではないかと思う。

 また、訴えによると、事故のあった踏切は交通量が多いにもかかわらず、非常ボタンが設置されていないのに、同じ町内の当該踏切よりも小さい踏切には、ほとんどの所に非常ボタンが設置されている。JR四国は、当該踏切には非常ボタンを設置する義務はなかったとしているが、周辺の踏切には設置しているのに、なぜ、この踏切には設置していなかったのか、その根拠を語るべきではないかと思う。

 遺族によると、この踏切から列車の来た方向の見通しは悪く、100メートル先にカーブがあるという。踏切が見えてから、特急列車の運転士が踏切の事故発生に気づきブレーキをかけても、非常停止するには200mほどかかるのだから、踏切で止まることはできない。ならば、踏切が見えるもっと手前で、安全に止まるため急制動をかけられるように、踏切の緊急事態を運転士に知らせる装置が必要ではないかと思う。
 
 JR四国は、女性が踏切に閉じ込められても、踏切を横断して片方の遮断棹を押し上げて踏切の外に出るべきだったとしているが、遮断棹は車両なら押し上げることはできても、車いすに乗った人が押し上げるのは困難である。高速で接近する特急が迫っている時、わずか数秒で遮断棹を押して出るのは、健常者であっても難しいと思う。

 「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」(平成13年)によれば、踏切道は、踏切道を通行する人や自動車などの安全かつ円滑な通行に配慮したものでなくてはならず、そのために踏切保安設備を設けること、踏切保安設備は、踏切道通行人等および列車等の運転の安全を確保する機能を備えていなくてはならないとしている。

 踏切は、健常者だけが利用するのではない。むしろ、自分では自動車で移動できない児童や生徒、高齢者、障害者など交通弱者も同じように利用する公共的な施設なのだから、交通弱者の利用も考慮に入れた安全対策が、鉄道事業者には求められると思う。 


《記事》
車いす女性踏切事故死:賠償訴訟 JR側「全面的に争う」--地裁で口頭弁論 /高知
http://mainichi.jp/area/kochi/news/20091128ddlk39040742000c.html

2009年11月26日木曜日

踏切事故の現場をたずねて~長野県須坂市

11月25日、須坂市小河原の南沖踏切をたずねた。

 この踏切は、須坂駅から北須坂に向かう途中の第4種踏切で、今年9月、夕方6時ころ、部活動が終わり自転車で帰宅する途中の中学生が、踏切を横断していたところ、渡り切れず、自転車の後部が列車にぶつかって、数メートル飛ばされた。中学生は、病院に運ばれたが、手当の甲斐なく、4時間後に亡くなった。
 
ここは以前にも、事故があり1名亡くなっているというのに、なぜ今回また事故が起きたのだろうか。前回の事故後、何らかの対策はとられていなかったのだろうか。

 長野から長野電鉄に乗り、須坂に向かう沿線に目をやると、思っていたよりも住宅地が広がっていて驚いた。須坂駅や踏切周辺には、農業大学校や中学などがあり、住民が利用する公共施設などもあるため、日常的に、中学生や住民の皆さんが、踏切を通って、学校に通ったり、買い物に出かけたりするそうだ。

事故のあった南沖踏切から左右130メートルほどのところに第1種踏切があり、車両が行き来しているのが見える。列車が踏切に近付くと警報機が鳴るのが聞こえる。しかし、この第1種踏切の方を回ると遠回りになるため、第4種の南沖踏切を利用する人が多いという。

 
 また第1種踏切は、車両も通るため、自転車に乗る人や高齢者からすると、車両をよけて通らなくてはならず、危険である。そのため、あえて第4種などの車両が入らない踏切を通る人もいる。
 事故のあった踏切道は、線路と斜めに交差しており、直角に交差していないため、単線を横切るのに意外と長さがある。線路をななめ横断しなくてはならないのである。

 
 その上、踏切周辺には、照明も警報機も遮断機もない。中学生が渡った夕方の時間帯は、踏切はうす暗く、列車と自分との距離がわかりづらかったのではないかと思う。
 地方では、高校生や中学生が通学に自転車を使うのは、当たり前。安全に通えるように、子どもらを取り巻く環境を点検し整備するのは、おとなたちの務めではないだろうか。
  
 長野電鉄では、警報機・遮断機のない第4種踏切での事故が相ついでいることから、今月18日、長野電鉄・沿線自治体・県・県警・国土交通省が、事故の再発防止に向けて第1回対策会議を開いた。県は今後も、事故がなくなるまで会議を続けるという。前回のように、検討会がいつの間にか立ち消えになることのないよう、ぜひ、続けてほしい。

 長野電鉄だけでは、数多い第4種踏切の安全設備を整備・維持するのは困難にちがいない。だからといって、住民にとって不便になる踏切の廃止ばかりを考えるのではなく、周辺の自治体や国交省などといっしょに事故の再発防止策を考えてほしい。専門家のみなさんであれば、踏切の設備も、いろいろな考えが出るのではないかと思う。

 
 また、踏切設備を整えるために、国などが補助を出す制度もあると聞く。事故を防ぐためにはいろいろな手立てがあるはずだ。
 
 踏切を渡る中学生や住民に注意を喚起するだけでは、事故は無くならない。それは、一旦事故が起きれば、渡った人が不注意だったからだと片づけてしまい、鉄道事業者が本当の事故原因を取り除く努力をしなくなるからだ。
 
 踏切事故を無くすためには、踏切を渡った人だけを責めるのではなく、事故原因を調査し、事故をなくす努力をしてほしい。

 踏切で亡くなった高校生、中学生の尊い命を無駄にしないため、関係する方々には、ぜひ、事故を未然に防ぐ手立てを講じてほしい。
 

《参考記事》
相次ぐ長野電鉄踏切事故、県や沿線市町が対策会議  11月19日(木)信濃毎日新聞
http://www.shinmai.co.jp/news/20091119/KT091118SJI090018000022.htm

2009年11月21日土曜日

福知山線脱線事故報告書、検証チーム来月7日初会合

 20日、前原国土交通相は会見で、JR西日本が接触していた運輸安全委員会の委員のうち、現職の宮本昌幸、楠木行雄の両氏について、現在の任期終了後、再任しないことを明らかにした。

 委員の任期は1期3年で、最大3期まで再任できる。楠木委員は来年2月に2期目を、宮本委員は来年9月に3期目の任期を終えるが、前原国交相は「遺族、被害者の心情を察し」て、2人を再任しないと述べた。

 また、報告書の検証チームは第1回会合を12月7日に開く。運輸安全委員会の後藤委員長は、会見で、資料の提供など検証チームに協力すると述べたとされる。
 
 報告書の検証が、公正中立であるには、議論の過程が公開されることが大切ではないかと思う。さまざまな検証や多くの人々の批判を経て事故の原因を明らかにすることが、亡くなった方がたの命を無駄にしないため、有効な再発防止策を講じる上でまず必要だと思う。

《前原国交相の会見内容は、国交省のHP》
http://www.mlit.go.jp/page/kanbo01_hy_000623.htm


《参考記事》
漏えい検証チーム会合は来月7日 JR接触の委員は再任せず
2009/11/20 19:47 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009112001000966.html

自動体外式除細動器(AED)10万台改修へ

 最近、病院や駅など公共の場所やスポーツ施設などで、AED(自動対外式除細動器)をよく見かけるようになった。

 事故などで、呼吸が止まり意識を失った人に対して、救急車が到着するまでの数分間、人口呼吸などとともに、AEDを使って心肺蘇生を行えば、より多くの人が救われる。
 AEDは、心臓の筋肉がけいれんしたような状態になり、全身に血液を流すポンプ機能を失った状態(心室細動)になった心臓に対して、電気ショックを与え、正常なリズムに戻すもの。2004年7月より、一般市民でも使用できるようになった。

 今日は、私の住む地域で防災訓練があった。市の消防局や地元の消防団が応援に来て、住民が避難場所を確認し、消火器やAEDの使い方などを学び訓練した。
 AEDの使い方は簡単で、電源を入れると、使い方を音声ガイドで指示されるので、一般市民であっても、あわてずに指示通り器具を使えばよい。

 このAEDを使って電気ショックを行う前に、心電図をとって電気ショックが必要かどうか調べるが、この装置が作動しない恐れがあることがわかった。

 AEDの輸入会社日本光電が、発表したところによると、電子部品の故障が原因で、当面販売先には検査器具を配り、自主点検を呼び掛ける。無料改修は来年5月からとなる。


《参考記事》
AED10万台改修へ 大手輸入業者「作動しない恐れ」
(20日 23:10) http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20091121AT1G2002U20112009.html

2009年11月19日木曜日

OECD、日本の経済政策について提言

 18日、経済協力開発機構(OECD)は、政策フォ-ラムを開催し、アンヘル・グリアOECD事務総長が、『日本の政策課題達成のために:OECDの貢献』と題する提言を発表した。

 OECDは、日本の経済政策について初めて包括的な提言を発表、鳩山内閣が導入するとしている「子ども手当」についても、見直しが必要だとする見解を発表した。また所得格差是正のため、納税額から一定額を差し引く税額控除による減税や、所得が課税最低限に達しない人たちへ給付金による支援を組み合わせた「給付付き税額控除」などを導入することも必要だとする。

 鳩山内閣が導入予定の所得制限を設けない子ども手当は、中学生までの子どもを持つ世帯に1人当たり月2万6千円の子ども手当を支給すると、5.5兆円の財源が必要となる。半額支給する予定の初年度10年度は2.7兆円が必要となる。少子化対策としての効果を疑問視する見方もある中、その目的と効果について、検討する必要があるといえる。

 子どものいる全世帯に一律に子ども手当を給付するのではなく、低所得の有子世帯の給付を増やし、税や社会保険料の負担を減らすようにすべきである。広く薄くではなく、現状を的確に把握して、必要なところに十分な対策をとるべきではないだろうか。

 また、教育費などにかかる負担は、義務教育である中学までよりも、高校や大学、専門学校に通う時期のほうが大きいと感じる。現在、16歳から22歳の子どもがいる世帯には一人当たり63万円を所得金額から差し引く特定扶養控除がある。政府税制調査会の中には、この額を圧縮してもよいのではないかという委員もいるが、高校・大学に通う子どもを持つ世帯の負担が増えることには賛成できない。

 政府は、高校に関しては、授業料を無償にするという政策を掲げている。しかし、高校生の3割が通う私立高校の授業料は公立高校の数倍で、初年度は制服や設備費などの負担がある。また、高校では、通学のための交通費や修学旅行費用・部活費などの負担も大きい。就学援助や返済義務のない奨学金を増やし、私立に通う生徒の負担を減らすため私学助成などを増やすことが必要である。
 
 また、現在の私立大学の授業料は、1970年代初めからすると、10倍近い。
 一方、国立大学の授業料は、昭和50年(1975年)に、初年度納入金が4万6千円だったのが、平成21年度には、初年度納入金が81万7千800円(東京大学)である。歴代政府は、私立との授業料の差を縮めるとして、国立大学の授業料の値上げを続け、今は私立の授業料に近い額になってきている。

 このように、高校や大学に通う子どもの世帯の負担は増している。歴史的といわれる不況の中、志のある若者が進学や将来への夢をあきらめることのないよう、教育や税制の改革が必要ではないかと思う。

《参考》
11月18日OECD東京センターが開催した政策フォーラムの資料
『日本の政策課題達成のために  OECDの貢献』
http://www.oecdtokyo2.org/pdf/theme_pdf/macroeconomics_pdf/20091118contributionjpn.pdf

2009年11月18日水曜日

JR西日本、調査報告書漏洩問題で最終報告書

 18日、JR西日本の佐々木隆之社長は、福知山線脱線事故調査報告書漏洩などの問題を検証した最終報告書を、前原国土交通相に提出した。この委員会は、JR西が前原国交相の改善命令を受けて設置した「コンプライアンス特別委員会」。約1ヵ月にわたり、歴代幹部や現職役員ら68人と面談するなどして調査、報告書をまとめた。
 
 報道によれば、最終報告書は漏洩問題の原因を「組織防衛優先の企業風土」にあったとしているという。井手正敬元会長(74)が作り上げた経営体質について「独善的で『上にもの申さぬ文化』をつくり、技術軽視も進んだ」とも批判。

 JR西は、漏洩問題に関わった幹部や役員35名を減給などの処分にした。再発防止策として、取締役会の諮問機関として、「企業倫理委員会」を設置するとしている。

 また前原国交相は、現運輸安全委員会の委員で、JR西と接触していた2名の委員には、辞職してもらうとの意向を示した。

 
 公共交通を担うJR西日本には、今回の特別委員会の意見を尊重して、多くの人命を預かる企業として安全を最優先に考える企業風土をつくっていってほしい。

《参考記事》
組織防衛優先と非難 JR西有識者委が最終報告  2009/11/18 23:09 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009111801000808.html
報告書の詳しい内容については
JR西日本漏えい問題報告書詳報 2009/11/18 22:31 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009111801000996.html

2009年11月17日火曜日

東広島市堀川踏切訴訟、遺族とJR西日本が和解

 16日、東広島市の第4種踏切で高校生が列車にはねられて死亡した事故の裁判で、和解が成立した。

 今年2月、広島地裁で、JR西日本が警報機・遮断機を設置していなかったことが、事故を招いたとして、JR西に損害賠償を命じる判決が出されていた。これに対して、JR西が控訴していたが、今回和解が成立したもの。

 事故は、06年12月12日夕方6時半ころ、東広島市の踏切で起きた。事故当時、第4種踏切で警報機や遮断機が設置されておらず、照明もなく足元が暗かった。列車の接近を知らせるメッセージロボは故障しており、踏切を渡るには列車のライトで接近を判断しなくてはならない。しかし、山陽線の線路と県道が並行して走っているため、列車のライトと、車のライトが区別しにくかった。
 また、線路は、駅と反対方向はカーブしており、こちらからくる列車の見通しが悪い。この踏切では、2年近く前にも、事故が起きて、男性が亡くなっている。危険な踏切にもかかわらず、対策を取らなかったJR西に、事故の責任があると、広島地裁は指摘している。

 また、最初に高校生を撥ねた列車は非常停止せず、2台目の列車も非常停止せず高校生を轢いていた。3台目の列車の運転手が、高校生に気付き、列車を停止させた。なぜ、1台目と2台目の列車が停止しなかったという問いには、JR西の説明によれば、運転手が高校生に気がつかなかったとしていた。
 
 事故後、JR西は踏切に、警報機・遮断機を設置し、照明もつけた。踏切道も舗装したようである。
 
 しかし、まず事故について、誠実に正確になぜ起きたのか説明し、そして線路や踏切の安全対策を見直して十分な対策をとり、二度と悲惨な事故を起こさないと誓うこと。
 それが、事故を起こした事業者が、道半ばでこの世を去らなくてはならなかった人々にすべきことではないかと思う。

 最後のなりましたが、若くして志をとげることもできずに亡くなった高校生のご冥福を祈ります。

(事故の詳細は、当ブログの記事参照「 踏切事故の現場を訪ねて~4月24日東広島」http://tomosibi.blogspot.com/2009/08/2009424.html)
 
《広島地裁判決については以下で判例検索できる》
平成20(ワ)8 損害賠償請求事件 平成21年02月25日 広島地方裁判所
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090417195030.pdf


《ニュース記事から》
東広島の踏切事故訴訟、遺族とJR西日本が和解   2009年11月17日
http://www.asahi.com/kansai/kouiki/OSK200911170013.html

2009年11月15日日曜日

小学生の図書館利用増える?

 13日、文科省が行っている「社会教育調査-平成20年度(中間報告)結果の概要」によると、小学生が図書館で本を借りる冊数が、前回よりも増えていることがわかった。

 図書館に登録している小学生の数は、前回よりも減っているが、一人当たりの貸し出し冊数は増えている。文科省は、図書館の数が増えていることに加え、小学校で「朝の読書」運動などが広がっていることが、児童が本を読む機会を増やしていると見る。

 また、私の自宅の近くの小学校では、2000年ころから、お母さんたちが子供たちに絵本を読んで聞かせるボランティア活動をしている。学校では、学年ごとに、お母さんがたに本を読んでもらう日をつくっている。
 このような読み聞かせなどを通じて、子供たちに本を読んでもらう楽しさや自分で読むおもしろさを味わってもらうことが、本を好きになるきっかけになる。

 一方、司書が配置されている小学校は全体の6割で、担任を持つ教諭が司書の仕事をしているところも少なくない。子供の想像力をのばし、学力の向上を支えるためには、図書室の蔵書を充実させ、子供に読書のアドバイスをしてくれる司書の配置が必要だと思う。

《参考記事》
図書館利用、過去最高 小学生は年間35.9冊  2009年11月13日19時46分
http://www.asahi.com/national/update/1113/TKY200911130349.html?ref=any

「社会教育調査-平成20年度(中間報告)結果の概要」(文科省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa02/shakai/kekka/k_detail/__icsFiles/afieldfile/2009/11/12/1286560_2.pdf

トヨタ自動車、レクサスのペダル改良へ

 13日、トヨタ自動車は、アメリカで販売していた車種で、アクセルペダルがフロアマットに引っ掛かり事故を起こす危険がある問題で、これらの車種のアクセルペダルの形状を改良することになった。

 販売店を通じて、ペダルを無償交換するが、トヨタは「車両に欠陥はない」として、リコールではなく、安全性向上を目的とした自主的回収だとしている。

 アメリカ高速道路交通安全局と、改良内容について大筋で合意したとされている。

《記事》
米トヨタ、レクサス400万台のペダル改良へ
(2009年11月14日12時15分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20091114-OYT1T00492.htm

2009年11月14日土曜日

国交省、八ツ場ダム上流のヒ素調査結果公表せず

 国土交通省は、93年以降、利根川水系の吾妻川などで、毎年環境基準をこえるヒ素を検出しながら、調査結果を公表してこなかったことがわかった。かねてから、温泉水などにヒ素が含まれることは知られていたが、ダムでは、ヒ素が沈殿するため、その処理については検討が必要になる。

 今年8月の政権交代直前まで、国交省は、非公表の第三者機関「八ツ場ダム環境検討委員会」を設置、ダム建設が水質や自然環境に与える影響を検討していた。ここがまとめた報告書には、水質データが記されているという。

 国交省は、下流で取水するには問題ないとしているが、上流でヒ素濃度が環境基準を上回っていることが公表されると、ダム建設に影響が出ると考え、公表を控えてきたようだ。
 まだ、国交省は、報告書を公表するかどうか決めていないというが、調査したことは、自分たちに都合のよいことも悪いことも公表すべきで、その上で、ダム建設を進めるのかどうか検討すべきではないかと思う。
 
《参考記事》
八ツ場上流、ヒ素検出を公表せず 国交省   2009年11月13日3時31分
http://www.asahi.com/seikenkotai2009/TKY200911120444.html

2009年11月12日木曜日

天皇、即位から20年、平和への思いを語る

 平成と年号が変わって20年、今の天皇が即位して20年になる。私事で恐縮だが、今日は、私の子供の誕生日でもある。私自身は、病院で陣痛に苦しんでいたので、即位の礼のことは全く覚えていない。1週間ほどニュースを見ることもなく、後からさまざまな事件があったことを知った。

 1989年の11月は、大きな事件が相次いだと記憶している。ベルリンの壁が壊され、東西ドイツが統一へ歩みだした。また、坂本堤弁護士一家がオウム真理教の幹部に拉致され殺害された事件も忘れられることができない。

 今日の記念式典を前に、今上天皇が記者会見で、自身が生きた昭和の時代も振り返り、戦争に至った歴史を忘れず、過去から学び未来に備えることが大切であると述べたことが印象に残った。

 今日20歳になる子供には、自分の生きている時代がどんな時代なのか学んでほしいと思う。そして、これからどう生きていくのか、ていねいにあせらずに考えていってほしいと思う。

《記事》
「心配なのは歴史が忘れられること」天皇陛下即位20年  2009年11月12日5時0分
http://www.asahi.com/national/update/1111/TKY200911110439.html

2009年11月10日火曜日

福知山線脱線事故報告書、検証チーム決まる

 11月10日、前原国交相が記者会見で発表したところによれば、検証チームのメンバーは、学識経験者5名のほかに、遺族や負傷者、負傷者家族7名にも参加してもらい、12名になるそうだ。第1回の会合は、12月初旬に開かれる予定。

 前原国交相は、納得いくまで報告書を徹底して検証してもらいたいと言っているそうで、検証チームでは、いつまでと日を切らずに、今後の事故調査のあり方もふくめて検討していく予定だという。

 JR西日本の幹部へ旧航空鉄道事故調査委員会の元委員らが、事故調査の内容や報告書の内容を事前に漏らしていた問題を徹底的に調査して、今後の事故調査機関のあり方を考える機会にしてほしい。

《運輸安全委員会のHPから》
「福知山線脱線事故調査報告書の検証メンバー」について
http://www.mlit.go.jp/jtsb/fukuchiyama/kensyou/fu04-membar20091110.pdf

《参考記事》
遺族ら7人参加決定 JR情報漏えい検証チーム (神戸新聞
 http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0002506137.shtml

2009年11月8日日曜日

荷物用エレベーター事故、政府が実態調査へ

 7日、国土交通省と厚生労働省は、荷物用エレベータの事故が相ついでいることから、連携して調査することになった。荷物用エレベーターでの労災事故で亡くなった人は、平成18年から20年までの3年間で37人、けが人は毎年200人以上にのぼるという。

 国交省や厚労省は、どこにどんなエレベーターが設置され、保守点検はどうなっているのかなど、実態を把握して、必要な安全対策をとるよう、指導するべきだと思う。

《参考記事》 
荷物用エレベーター 3年で37人死亡、政府が実態調査へ  2009/11/08
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/091108/crm0911080111003-n1.htm

JR西日本、東海道線二重事故から7年

 11月6日、JR東海道線塚本尼崎間の線路で負傷した中学生を救助していた救急隊員が、運転再開を知らされず、後続の特急に撥ねられて亡くなった二重事故から7年が経った。
 
 当時JR西日本には、人身事故が発生した時の対応マニュアルがなく、現場を監視していた同社社員と同社運転指令所との連絡が不十分で、運転指令所が現場の状況を正確に把握しないまま、運行再開を指示したことが原因の一つであるとされた。
 
 事故から4年後の2006年11月、現場には、亡くなった救急隊員中沢良夫さん(当時28歳)の慰霊碑が、中沢さんの両親の働きかけで、JR西日本によって建てられた。

 中沢さんの尊い命が無駄にならないよう、JR西は安全対策に十分論議を尽くして、会社全体で取り組んでほしい。

《事故当時の記事》
大阪の東海道線二重事故、救急隊員に運転再開伝えず(読売新聞)  2002 年 11 月 07 日  http://www.yomiuri.co.jp/04/20021107ic07.htm

2009年11月4日水曜日

JR西脱線事故遺族ら、JR西歴代社長の起訴を申し入れ

 今年7月、神戸地検はJR西日本の歴代社長を不起訴とした。これを不服として、福知山線脱線事故の遺族らは神戸検察審査会に申し立てをしていたが、これに対し神戸検察審査会は、10月、歴代社長3名を「起訴相当」と判断していた。

 神戸地検は、事故現場のカーブを急カーブに付け替えた際の鉄道本部長だった山崎正夫前社長のみを在宅起訴したが、遺族らは、安全対策の最高責任者である歴代社長も起訴すべきだとしている。

 神戸地検は歴代社長を起訴し、裁判で事故がなぜ起きたのか、社長らにどのような責任があったのか明らかにすること、そしてそれが悲惨な事故の再発防止につながることを願っている。

《記事》
JR西歴代3社長の起訴申し入れ 脱線事故遺族ら  2009年11月4日12時54分
http://www.asahi.com/national/update/1104/OSK200911040044.html?ref=goo

トヨタ自動車、注意喚起促す手紙発送~アクセルペダル問題

 11月2日、トヨタ自動車は、アメリカ高速道路交通局(NHTSA)がトヨタの「レクサス」について、「車両には欠陥がない」とする報告書をまとめたと発表。

 今年8月のレクサスが暴走し、乗っていた4名が亡くなった事故は、フロアマットがアクセルがひっかかって戻らなくなり、暴走したとされている。この問題で、トヨタ自動車は対象者に乗る顧客に注意を促す手紙を郵送しているとのこと。また、安全性向上のため、アクセルペダルの形状を変更することなども検討するという。

 これに加えて、緊急時の停止装置についても周知し、わかりやすくする必要があるといわれている。

《記事》
レクサス暴走、米当局「車に欠陥なし」…トヨタ発表
 (2009年11月3日17時48分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20091103-OYT1T00602.htm

2009年11月2日月曜日

カセットボンベが爆発

 11月1日、「富士スピードウェイ」で、観客がカセットコンロで調理していたところ、ボンベが爆発して、近くにいた男性ら4人がけがをするという事故が起きた。

 警察は、ガスコンロより大きいフライパンで調理していたため、コンロを覆ってしまい熱がこもり、ボンベが過熱して爆発したとみている。

 製品評価技術基盤機構(NITE・ナイト)によると、カセットこんろのボンベまで覆ってしまう調理器具を使用すると、器具の輻射熱でボンベが過熱状態になって爆発するという事故が起きているという。
 ニュースで、NITEが行った実験を見せていたが、鉄板でコンロを覆ってしまうとしばらくしてカセットボンベが爆発した。ちいさなカセットボンベとはいえ、爆発はすさまじかった。
 もし、近くにいたら、大けがをしてしまう。
 
 これからの季節、卓上でカセットコンロを使って鍋を囲むことが多くなる。食卓を囲む人数が大勢だと鍋や調理器具も大きくなりがちだが、ボンベが過熱しないよう気をつけたい。

 また、カセットボンベを、ファンヒーターなど温風の吹き出し口の前において、ボンベが過熱して爆発したという事故も起きている。火がないと、意外と気がつかないが、吹き出し口の前は予想外に温度が高くなるので、ボンベやスプレーなどを置くのは危険だ。
 
 なお、最近は、カセットコンロにボンベの過熱による圧力上昇を感知して、ガスの供給を停止させる安全装置が付いていて、自動的に火が消えるものが販売されているという。

《参考記事》
ガスボンベ爆発で6人重軽傷 富士スピードウェイ
2009/11/01 21:23 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009110101000339.html

トヨタ車暴走、対策を早急に

 今年8月、アメリカでトヨタ自動車のレクサスが暴走し、乗っていた4人が亡くなった。朝日新聞は、この事故車の燃えて溶けたアクセルペダルとマットの写真を入手、公表した。

 この事故は、アクセルペダルがフロアマットに引っ掛かり戻らなくなって、車が暴走したもので、トヨタ自動車は車両には欠陥はなく、運転者のマットの使い方に問題があったとしていた。

 これに対して、アメリカ運輸省高速道路交通安全局は、アクセルの形状にも問題があるとしており、トヨタは車両本体の改良をする意向だがまだ具体的な対応策は出されていないという。

 2008年に、アメリカ運輸省高速道路交通安全局は、ユーザーの苦情を受け、07年モデルの「レクサスES350」を対象にアンケート調査を実施していた。1986人のユーザーにアンケートし、600人が回答した。

 報道によると、回答者のうちの1割にあたる59人が「意図しない加速を経験した」と答え、その中の35人は全天候型フロアマットを敷いていた。アメリカ運輸省高速道路交通安全局は、ゴム製のフロアマットが前方にずれた場合、マットの「溝」にアクセルペダルが引っかかり、固定されてしまうと指摘しているという。

 8月に起きた事故では、リコール対象と異なるマットを敷いていたという。にもかかわらずまた暴走事故が起きているのはなぜだろうか。トヨタ自動車は、早急に、原因を調査して対策を検討するべきではないだろうか。 


《記事》
米暴走レクサス ペダルとマットの樹脂、溶けついた状態
http://www.asahi.com/national/update/1030/NGY200910300018.html

2009年10月29日木曜日

国交省、「鉄軌道輸送の安全にかかわる情報」を公表

 27日、国土交通省は、「鉄軌道輸送の安全にかかわる情報(平成20年度)」(以下「情報」と略)を公表した。「情報」は、平成18 年10 月1 日に施行された「運輸の安全性の向上のための鉄道事業法等の一部を改正する法律」により新たに加えられた鉄道事業法第19 条の3(軌道法第26 条において準用する場合を含む。)の規定に基づき、国土交通省が毎年度整理し、公表しているものである。
 
 この中で、踏切問題について、「課題のある踏切が依然として数多く存在していることから、歩道が狭隘な踏切の拡幅等による踏切の解消や改良にスピード感を持って取り組んでいくことが重要である。」と記している。

 また、「情報」の中で、警報機はあるが遮断機のない第3種、警報機・遮断機ともにない第4種踏切での事故の割合が、警報機遮断機がある第1種踏切と比較して依然として高いとしている。
 「平成20 年度における踏切道100 箇所当たりの踏切事故件数は、第3種踏切道が1.37 件、第4種踏切道が1.62 件となっており、これらと比較すると一般的には道路の交通量若しくは列車の本数が多く、又は列車の速度が高い傾向にある第1種踏切道の0.82 件」よりも割合が高いと分析している。 

 国交省は、今後15年間で鉄道運転事故を3割減らすという目標をうち出している。鉄道運転事故の4割近くを占める踏切事故の対策が早急に求められる。
 特に、事故の割合が高い第3種、第4種踏切は、JRの地方の路線や中小民鉄の路線に多く、資金難から踏切設備を整備できないところが多い。国交省や地方自治体は、事業者への補助金交付などを通じて、踏切の安全対策を進めることが必要である。

国土交通省「鉄軌道輸送の安全にかかわる情報」(平成20年度)
http://www.mlit.go.jp/tetudo/tetudo_tk8_000009.html

2009年10月27日火曜日

トヨタ車暴走事故:アメリカ当局、車両の欠陥を指摘

   今年8月、アメリカのカリフォルニア州サンディエゴ郊外の高速道路で、トヨタ自動車がアメリカで販売した「レクサスES350」が時速190キロで暴走し、他の車と衝突して、乗っていた4名が亡くなった。

 この事故は、フロアマットにアクセルが引っ掛かって戻らなくなり、止まらなくなったものだが、事故を調査していた米道路交通安全局(NHTSA)は、アクセルペダルの形状がフロアマットに引っ掛かる可能性があったとして車両の欠陥を指摘しているという。

 トヨタは、この事故後、フロアマットがずれてアクセルが戻らなくなる可能性があることから、フロアマットの固定金具をはずしたりしないよう購入者によびかけていた。トヨタは車両本体に欠陥はないとの立場だったが、アメリカ当局の指摘を受けて、対応を検討することになるのだろうか。

 8月の事故では、運転手が非常時にエンジンを停止させる方法がわからなかったらしい。
 最近の自動車は、アクセルが戻らない場合の対処法が、わかりにくいという。ボタンでエンジンを始動・停止させる車は、高級車を中心に普及した。走っている最中にエンジンを止めるには、ボタンを3秒以上押し続けなくてはならない。この特殊な操作は、事前に知らなければとっさにはできないと思う。
 簡単に見える操作だが、とっさの場合にすぐできる操作やわかりやすい操作が必要ではないだろうか。
 
 アクセルペダルやフロアマットの構造は、日本とアメリカで大差ないというから、同じような事故が起きる可能性はある。早急に対策を取る必要があるのではないだろうか。


《記事から》
米当局「アクセル欠陥の可能性」 トヨタ車事故で指摘
2009/10/26 08:53 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009102601000082.html

2009年10月26日月曜日

JR山田線踏切で車の親子が死亡、事故現場を県警本部が視察

 報道によると、10月20日午前7時40分ごろ、岩手県宮古市八木沢のJR山田線の踏切で、宮古発花巻行きの普通列車が乗用車と衝突した。この車を運転していた宮古市八木沢のパート豊間根節子さん(50)と、息子の高校2年晃太君(17)が全身を強く打ち、亡くなった。

 JR東日本盛岡支社などによると、現場の踏切は遮断機や警報機がない第4種踏切で、単線で見通しは良いという。県警は、車が周囲をよく見ないまま踏切に進入したとみているが、2006年2月にも衝突事故が起きているため、踏切に問題はないかどうか、22日視察した。

 現場を見ていないので一概に言えないが、単線とはいえ、乗用車が通れる幅の踏切に、警報機も遮断機もないというのは踏切の安全対策が不備ではないだろうか?
 踏切からの見通しは良いということだが、列車のくる方向に建物があったりすると見えにくいこともある。また、単線だと、道路の道幅がせまいと遠くがよく見えないのと同じで、両脇に家々が並んでいたりすると、踏切の入口に立っても遠くまで見えないこともある。

 県警や鉄道事業者には、踏切を通行する歩行者や、運転手の立場から事故現場の問題点を検討し、事故を防ぐ手立てを講じてほしいものだと思う。
 
 踏切で亡くなったお二人のご冥福を祈ります。

《参考記事》
親子死亡の踏切事故現場、県警幹部視察  (10/22 19:33)
http://news.tvi.jp/index_7892847.html

2009年10月25日日曜日

車いす転落事故、鉄道各社対策強化へ

 報道によると、今年9月に、東急多摩川駅で、車いすに乗った女性がホームから転落し、死亡した事故から1ヵ月、鉄道各社が対策を急いでいるという。

 駅のホームは、雨水がたまらないように、どのホームにも1メートルで1㎝程度下がる傾斜が付けられている。そのため、車いすに乗ったままホームからすべり、転落する事故が起きている。先月死亡事故のあった多摩川駅でも、2007年に車いすの女性が転落してけがをしていた。
 多摩川駅では、駅の構造上から、傾斜が標準よりも大きく、1メートルで、2.5㎝下がっていた。
 またこの他にも、東京メトロの上野広小路駅や、JR上諏訪駅でも同じような事故でけがをする人が出ているそうだ。

 これらの事故後、JR東日本では、社員に ①車いすの乗客を案内する際は線路に平行に誘導する。②止まる場合は必ず車いすのストッパーをかける―よう指示しているという。東急電鉄でも同様の指示を出していたが、ハード面での対策が必要とまで考えていなかったことが、今回の事故を引き起こしたといえる。

 今回の事故で、各社は対策を強化するそうで、東急電鉄は全駅のホームを調査。2%以上の傾斜がみつかった7駅と多摩川駅に警備員を置き、転落防止用の策も11月末までに順次設置するとのこと。
 JR東日本も全駅を調査中で、柵の設置や舗装の改良を進め、他の鉄道会社も車いすやベビーカーの利用者に注意を呼び掛けるなどの対策を行っているそうだ。

 有効な事故の再発防止策として、専門家は、ホームドア-の設置を挙げる。ホームドア-は乗降時のみ開くもので、車両によって異なるドアの位置や数などの統一を図り、駅に導入しやすくすることが必要だという。今のところ、東京メトロ丸の内線や新幹線の一部の駅に設置されているが、費用の面などから普及に時間がかかっている。
 
 ホームドア-は、車いすやベビーカーを利用する方だけでなく、目の不自由な方にとっても必要である。また、誤って転落する事故を防ぐこともできる。混雑したホームではホームのへりを歩くこともあり、列車と接触する危険がある。利用者の注意徹底を呼びかけることに加え、ホームドア-などの対策を早急に検討してほしいものだ。

《記事》
車いす動き死亡事故 ホーム傾斜、転落防げ 鉄道各社対策急ぐ
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091024AT1G2302F24102009.html

2009年10月24日土曜日

特定保健用食品(トクホ)の見直しへ

 「特定保健用食品」は、健康増進法に基づく制度で、消費者庁の発足で、所管が厚労省から消費者庁へうつった。
 
 10月8日、花王の食用油「エコナ」に発がん性物質に変わる可能性の物質が多く含まれていることがわかり、花王が「トクホ」の表示をとりやめる届を出し、「トクホ」制度が始まってはじめて、「トクホ」の取り消しが出た。
 
 福島消費者担当相は、これを機会に、トクホ制度を見直すことを決めた。
トクホを申請する食品の効能や安全性に関するデータは、企業が準備したもので、厚労省はデータを検証して「トクホ」表示を許可していないという。データを検証していないのに許可を出して、お墨付きを与えてよいのだろうか。
 厚労省の「トクホ」というお墨付きがあるだけで、効能は「トクホ」でないものと特段変わらないのに、価格が高くなっているものもあるのではないだろうか。

 「トクホ」制度を見直しして、健康ブームに乗って、効能や安全性が不確かな食品が高く売られることがないように、ぜひ、消費者庁で検討してもらいたい。

《参考記事》
トクホ、廃止も含め見直しへ 福島・消費者担当相 2009年10月23日15時3分
http://www.asahi.com/politics/update/1023/TKY200910230260.html

2009年10月23日金曜日

JR西、ほかの事故調委員にも組織的働きかけ

 JR西日本の幹部らが、旧航空鉄道事故調査委員会の委員に、事故調査の情報を得ようとして組織的にかかわり、調査報告書に内容の書き換えや削除などを図っていたことが、この間の報道や運輸安全委員会の発表などによって明らかになっているが、また、JR西日本がほかの委員にも接触していたことが、JR西日本の社内調査でわかった。

 事故調査官や事故調査委員会の委員が、事故調査にあたり、事故の当事者と会わなくてはならないことは、当然あるだろう。事故の当事者らに会わなければ、事故にいたる事情を聞けないのだから。だから、当事者と会うべきではないと言うのではない。

 しかし、この問題は、そのような調査方法についての一般的なことではなく、JR西日本が組織的に元委員らに接触し事故調査報告書の改竄を図っていたということが問題なのである。
 その意図を、元委員らが知ろうが知るまいが、事故調査にあたる人間が元同僚のつながりなどから、個人的に事故の当時者と秘密裏に会っていたことが問題なのである。
 
 警察の捜査と一緒にしては悪いが、取り調べにあたる警察官が容疑者や容疑者の家族らといっしょに飲食ををしたり土産をもらったりするだろうか。取り調べは警察で、記録を取りながら話を聞くように、事故調査も、公の場所で、記録をとりながら正々堂々と事情を聴きだせばよい。

 JR西の内部事情を「調査」するのが目的と言いながら、土産をもらったり、馳走になっていては、元委員のモラルやひいては事故調査報告書そのものも疑われてもしかたないことである。

 しかし、多くの方々の多大な労力と税金を投じた事故調査と報告書が疑念を持たれるのは、再発防止に役立つ事故調査を望んできたわたしたちにとっては、残念でしかたない。

 事故調査報告書が外部の専門家のみなさんによって、公正・中立に科学的に検証されることに期待したい。
 
 また、事故調査に携わる調査官や委員には、被害者・遺族をはじめ多くの国民の期待を背負っているのだということ、二度と国民を悲惨な事故に遭わせないために、事故の再発防止のために事故調査をするのだという自覚をもってほしい。

《参考記事》
「JR西の垣内元社長も委員と会食 脱線事故の聴取会前に」
2009/10/23 14:01 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009102301000410.html

2009年10月22日木曜日

神戸検察審査会、JR西日本歴代社長3名「起訴相当」を議決

 今年7月、神戸地検は、業務上過失致死傷容疑で遺族から告訴を受けていたJR西日本の歴代の社長3名を不起訴処分(嫌疑不十分)としていた。これを不服とした遺族から審査の申し立てを受けていた神戸第一検察審査会は、10月22日、「起訴相当」を議決した。

 報道によると、検察審査会は、福知山線脱線事故当時の相談役井手正敬氏(74)、同会長南谷昌二郎氏(68)、同社長垣内剛氏(65)の歴代社長3人は、安全対策を怠ったとしている。
 議決書の中で、歴代社長3人は収益拡大のため現場カーブの危険性を格段に高めたのに自動列車停止装置(ATS)の整備を指示しなかったと指摘し、山崎前社長が(尼崎の)現場の危険性を認識すべき立場だったとした上で、「最高責任者の3人が刑事責任を問われないとの結論は到底賛同できない」とした。

 脱線事故の遺族35人が8月に検察審査会を申し立てていたが、審査会は4回の会議を開き、約1カ月半という異例の早さで議決、公表した。
 これを受けて、神戸地検は3名の過失について、再捜査をすることになる。

《参考記事》
宝塚線脱線事故 JR西の歴代3社長「起訴相当」議決  2009年10月22日15時21分
http://www.asahi.com/national/update/1022/OSK200910220077.html?ref=any

運輸安全委員会へ申し入れ~元事故調委員の調査情報漏洩問題に関連して

 10月21日午前、「事故防止のあり方を考える会」では、運輸安全委員会へ申し入れをした。航空・鉄道事故調委員会の元委員らが、JR西日本と接触し、事故調査の情報を最終報告書のできる前に渡していたなどの問題で、問題の徹底的な調査をもとめるとともに、事故調査機関と事故調査のあり方についての意見書を提出した。
 この中で、運輸安全委員会と事故調査報告書の公正・中立性をもとめ、これを担保するには、調査過程や調査結果を公開することや広く事故の情報を集めることが必要であることなどを提案した。
 
 運輸安全委員会では、事務局長の大須賀英郎氏をはじめ、主席鉄道調査官の大野正人氏らが対応、漏えい問題発覚後、以下の規定を決め、再発防止策に取り組むことにしたと説明があった。
①運輸安全委員会の委員の倫理に関する規定
②職務従事に関する制限など(以上2点はHPにあり)

 また、福知山線脱線事故報告書の検証についても、説明があった。外部の有識者、弁護士、遺族・被害者の指導のもとに、報告書の検証を行うこと、この検証チームには、今のところ、ジャーナリストの柳田邦男氏らが決まっているということである。
 
 検証の結果によっては、報告書を書きなおすこともありうるということだった。事務局長の大須賀氏は、以上の取組と、検証作業を通じて、事故調査機関と事故調査報告書の信頼回復に努めたいと話していた。
 かねてから、JR福知山線脱線事故報告書の「原因」の記述については、市民の目から見て納得がいかないとの指摘もあったのだから、この際、徹底して検証していただききたいと申し上げてきた。

 今後とも、運輸安全委員会において、再発防止策が十分検討され、調査機関と事故調査報告書に対する国民の信頼と期待にこたえる努力がなされることを願ってやまない。

《参考》
運輸安全委員会へは、以下の意見書と、すでに平成19年12月12日に提出した「運輸安全委員会の体制に対する意見」も合わせて提出した。

「JR福知山線事故の調査情報漏洩事件に関連して運輸安全委員会のあり方に対する意見」
 (事故防止のあり方を考える会  2009年10月21日)

Ⅰ.はじめに
  今年9月25日、「福知山線列車脱線事故」(平成19年6月28日事故調査報告書の公表)の事故調査に関連して、運輸安全委員会の前身である航空・鉄道事故調査委員会の元委員が、JR西日本の幹部らに情報漏えい等を行い、事故調査報告書のJR西日本に都合の悪い部分を修正・削除することを図っていたことが判明しました。
 また、その後も、鉄道部門の責任者の元委員が、JR西幹部と接触するなど、事故調査の公正・中立性が疑われる行為があったことがわかりました。
公正・中立であるべき運輸安全委員会の活動および事故調査報告書に、このような国民が疑念をいだくような行為は、断じてあってはならないことであります。
私たちは、運輸安全委員会において、今回の漏洩事件が徹底して調査され、再発防止策が検討されること、そして事故調査機関と事故調査に対する国民の信頼を回復する努力がなされることを期待するものです。
私たち「事故防止のあり方を考える会」は、2006年から、事故の遺族・弁護士・医師・研究者・学生などさまざまな立場の市民が参加して、安全で安心な社会をめざして事故防止のあり方を考えてまいりました。
私たちは、今回の事態から、運輸安全委員会のあり方について、次のように考えます。

Ⅱ.意見
1.委員の選出:事故調査中の事業者と利害関係のある委員は調査チームに含めない。
事故調査には、事故を起こした当事者・利害関係者から一切影響を受けない、中立性・公正さが重要である。独立した事故調査機関が事故調査の第三者性を確保し、信頼性を担保するためには、疑念の持たれる事由を排除することが原則である。

2.職務に係る倫理:委員による事故調査情報の漏洩は、職業倫理・技術者倫理上許されるべきものではない。
特に、事故当事者等利害関係者との個人的面談や情報の漏洩は、委員の罷免事由とすべきである。事故調査の専門家は、事実・真理に忠実でなくてはならず、公正不偏の姿勢をもって事故調査を遂行し、国民の信頼に応える責任がある。

3.情報の公開:事故調査情報や重要な審議の内容は、公開が必要である。
  事故調査における客観性や中立性を担保するためには、「調査プロセス」と「調査結果」を関係者だけでなく、広く一般に早期に公開することが必要である。
  また、調査結果を「安全性向上」、同種事故の再発防止に役立てるためにも、事故調査情報を早期に公開するべきである。

4. 情報の収集:事故にかかわる情報を広く集める機会を設ける。
  広く事故情報を収集し、科学的知見を集め、事故原因の究明や安全性向上、再発防止に役立てる。事故情報を判断する委員は、利害関係者を除くべきであるが、事故情報、専門的知見等の提供の機会は、広く保障すべきである。

5.事故の再調査:事故調査報告に対する再調査のための第三者機関を設ける。
  事故調査は、その時点で得られた証拠に基づき、適切なプロセスを経て、調査報告書にまとめられる。しかし、その後新たな重要証拠が見つかった時や調査プロセスに重要な欠陥が認められたときは、信頼性が担保できないのだから、再調査が必要である。
今回の不祥事については、運輸安全委員会として第三者による調査委員会を設け、調査結果を公表すべきである。

6.被害者支援と事故調査:被害者・遺族の思いに応える。
被害者・遺族へは心のケア、事故情報の提供、事故原因についての説明など、さまざまな点で支援が必要である。中でも、正確な事故情報は重要である。疑義がある調査報告書や情報は、正確な事故の情報や原因を知りたいと望む被害者・遺族を失望させ、傷つけることになりかねない。

7.その他、別紙「運輸安全委員会の体制に対する意見」を参照のこと

以上

2009年10月21日水曜日

エレベーター事故、運輸安全委員会の調査対象へ

 2006年に東京港区の公共住宅で、高校生が、開いたまま上昇したエレベーターにはさまれて亡くなった。10月21日午前、亡くなった高校生の両親の市川さんらは、前原国交相と面談、エレベーター事故などを調査する独立した調査機関の設置を要望した。前原大臣は、これに対して、運輸安全委員会の調査対象を拡大し、エレベーターやエスカレーターなどの事故も対象とする考えであることを伝えたという。

 これによって、運輸安全委員会の事故調査の対象が広がり、身近なところで起きる事故についても、立ち入り調査や事業者に勧告を行う権限のある運輸安全委員会で事故調査を行うことになる。

 運輸安全委員会で、事故原因が徹底して調査され、有効な再発防止のための安全対策が講じられることをのぞむ。
  
《参考記事》
エレベーター事故「運輸安全委の対象に」 前原国交相 2009年10月21日13時51分
http://www.asahi.com/national/update/1021/TKY200910210264.html

2009年10月19日月曜日

静かすぎるハイブリッド車にエンジン類似音、義務化へ

 ハイブリッド車は低速で走る際、音が静かすぎて、歩行者に接近してもわからず、歩行者が気がつかず危険だいう指摘が、視覚障害者団体などから出されていた。国交省は、有識者会議で対策を検討していたが、低速時にエンジンに似た音を出すようメーカーに義務付ける方針を決めた。

 国交省は、11月に「パブリックコメント」を実施して、広く国民の意見を募ったうえで年内に最終的な方針を決める方針。
 自動車メーカーによると、開発には2年ほどかかるそうで、実施は先になるという。
また、すでに販売されている車にも義務づけるかどうかは、今後も検討する。

 車が静かで騒音が少ないのはありがたいと思っていたが、静かすぎるとかえって危険なこともある。
 中央本線を走る特急あずさなども、乗っている私たちは快適だが、安全装置のない踏切を渡る住民や児童生徒からすると、列車の接近に気付きにくいという問題がある。
 特急列車でも、警報機や遮断機のない踏切付近では警笛を鳴らすなど、対策を考えるべきではないかと思う。

《参考記事》
HVにエンジン類似音装置 国交省が義務化の方針
2009/10/15 20:56 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009101501000935.html

2009年10月16日金曜日

東広島市堀川踏切訴訟、広島高裁が和解を勧告

 報道によると、2009年2月25日広島地裁でJR西日本に賠償命令が出たことに対し、JR西日本が控訴していた踏切訴訟で、広島高裁は、和解勧告を出したことがわかった。

 広島地裁は、2006年12月12日午後6時半ごろ、男子高校生(3年生)が東広島市の堀川踏切(警報機遮断機なし、照明なし)を自転車で渡っていたところ、3台の列車に轢かれて死亡した踏切事故について、危険な踏切の安全対策をとらなかった鉄道事業者の責任を認め、損害賠償を命じた。
 
 広島地裁は、事故のあった踏切は「夜間は踏切を渡る際、列車と県道を走る車のライトが区別付きにくく、また線路がロングレールのため、列車の振動と車の騒音とを区別しにくい」「警報機・遮断機がないことで通行者への危険が少なくない状態だった」として、亡くなった高校生の両親の主張をほぼ認め、踏切が危険だったことを認めた。

 この地裁判決を不服として、JR西日本が控訴していた。高裁の和解勧告を双方とも、受け入れ、次回から協議に入るという。

なお、事故の詳細については、「踏切事故の現場を訪ねて」
http://tomosibi.blogspot.com/2009/08/2009424.html

《参考記事》
JR踏切訴訟で和解を勧告 広島高裁  '09/10/14
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200910140330.html

2009年10月15日木曜日

JR西、聴取会公述人にも介入

 JR西日本が、JR福知山線脱線事故の調査に関する意見聴取会の公述人に、JR西に不利となる公述内容をしないよう働きかけていたことがわかった。

 意見聴取会は、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会設置法(当時)にもとづき、事故調査委員会が調査報告書をまとめるために、広く学識経験者らの意見を聴く目的で、開かれる。2007年2月1日開かれた意見聴取会では、公募して応募があった20人以上の中から、事故調が選定した10人と事故調が依頼した専門家3名が公述した。

 今回、JR西が働きかけていたことがわかったのは、公述人の一人で、当時JR西の安全諮問委員会委員長だった永瀬和彦・金沢工業大客員教授。JR系の研究機関「鉄道技術総合研究所」のOBで、JR西幹部は、永瀬氏に、公述人になることを求め、公述の際にJR西に不利になるグラフを使わないよう求めていたことがわかった。

 永瀬氏はJR西の要請を断ったとしているが、意見聴取会の前に、公述書をJR西の求めに応じてにJR西に見せており、意見聴取会で永瀬氏が公述する際に影響はなかっただろうかと疑念をもってしまう。
 
 JR西日本が、自分に不利な事故調査報告書ができないよう、あらゆる方面に働きかけていたことがわかり、驚きとしか言いようがない。
 
 また、公正・中立であると思っていた意見聴取会の専門家の公述に疑問が出てきたことは、残念でしかたがない。
 公述人の選定方法なども、今後検討されなくてはならないと思う。 

《記事》
JR西、事故調委聴取会の公述人に介入 宝塚線事故 2009年10月15日12時17分
http://www.asahi.com/national/update/1015/OSK200910150069.html?ref=any

2009年10月14日水曜日

ハンドル形電動車いす、安全基準の設定へ

 電動車いすの中でも、ハンドル形の電動車いすの事故が増えている。
製品評価技術基盤機構(以下、NITE)の調査によれば、1986年から、平成20年1月末までに96件の事故情報が寄せられているということだ。
 
 最近、足腰が弱るなど日常生活で移動に不自由なお年寄りが、買い物などの移動手段として、ハンドル形電動車いすを利用しているのを見かける。スクーターのような乗り物だが、歩行者扱いなので、商店街などでよく見る。
 しかし、ハンドル形電動車いすは、段差でバランスを崩して転倒し、お年寄りが亡くなったり、溝にはまって倒れるなど、大きな事故がおきているそうだ。

 調査によれば、2002年以降、事故は増加傾向にあり、このうち、死亡、重傷にいたる重大事故が53% を占めているという。そのため、平成19年、経済産業省が試買テスト事業を、NITEに委託し、NITEがハンドル形電動車いすの安全性の調査を実施、20年3月報告と提言を出した。
 
 その後、経産省では、多発する事故を防ぐため、ハンドル形電動車いすについて、JIS規格の改正を検討していたが、12月20までに制定することを決めた。

 高齢化が進むにつれ、ハンドル形電動車いすなどの利用はますます増えるのではないかと思うが、利用者に安全な乗り方を周知するとともに、誤って操作しても事故を起こさないよう電動車いすそのものの安全対策もすすめてほしい。
 
《参考》
「NITE ハンドル形電動車いすの安全性調査結果」 
http://www.nite.go.jp/jiko/journal/journal_vol7_pdf/journal_vol7_p026tokusyu.pdf
経済産業省「ハンドル形電動車いすの安全性・利便性を高めるため、JISの改正を行います」
http://www.meti.go.jp/press/20091009004/20091009004.pdf


《記事》
ハンドル形電動車いすの事故防止へJIS規格改正
更新:2009/10/13 20:35   キャリアブレイン
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/24755.html

2009年10月13日火曜日

車いす転落事故、駅ホーム通常より急な傾斜

 9月13日、東京都大田区の東急東横線多摩川駅で、車いすに乗った女性が亡くなった事故では、ホームが通常よりも傾斜が急だったことがわかっている。しかし、東急電鉄では、2年前の車いすの女性が転落した事故の後、ホームの傾斜の危険性を重視せず、係員に乗客へ注意徹底するように指示しただけだった。

 駅のホームは、雨水の水はけを良くするために、傾斜をつけている。通常は1mで1㎝下がる1%の傾斜だが、多摩川駅はこれよりも急な傾斜だった。
 車いすやベビーカーは、坂ではストッパーをかけないと、自然に動き出す。もし、利用者がホームが坂になっていることに気づかないと、ストッパーをかけないこともある。乗っているのが体の不自由な方や子供なら、急に動き出した車いすやベビーカーに、なすすべがない。

 ホームに転落防止のために、ホームドアを設置したり、転落防止策を設置することが必要だと思う。体の不自由な方やお年寄り、子供にやさしい駅や町であってほしい。

《参考記事》
傾斜2.5%、危険なホーム 車いす転落の東急多摩川駅  2009年10月13日13時27分
http://www.asahi.com/national/update/1013/TKY200910130084.html

2009年10月11日日曜日

「事故調査も被害者支援の一つ」~JR事故の被害者、要望書提出

 10月9日、JR福知山線脱線事故の報告書が、航空・鉄道事故調査委員会が公表する前にJR西日本側に元委員が漏えいしていた問題で、事故の負傷者や家族が、国交省と運輸安全委員会に、事故調査機関のあり方の見直しなどを求める要望書を提出した。

 運輸安全委員会の後藤委員長らと会談後、記者会見した小椋さんらの話によれば、今後の事故調査について「段階的に議事録を公開するなど、開かれた調査を検討している」と説明があったという。

 公表された事故調査報告書については、報告を読んだ第三者が事故報告書を検証できるように、資料や実験データを公開することが必要である。
 そして、事故の原因を知りたいと思う遺族や被害者の方々がわかりやすい書き方や説明を心がけてほしい。
 
 負傷者の方の中には、調査の専門家でない市民が参加することに不安を持つ方もおられると思うが、むしろ、市民の視点から疑問を提示することが大切ではないかと思う。
 福知山線脱線事故報告書が公表されたときも、原因の記述などについて、事故の遺族や有識者から疑問の声や批判が出されていた。
 事故調査機関は、そのような外からの批判や疑問も受け止めて報告の内容と再発防止への提言を充実させていくことが大事だと思う。

《参考記事》
尼崎脱線被害者が安全委に訴え 「事故調査も支援の一つ」
2009/10/09 21:50 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009100901000983.html

2009年10月9日金曜日

JR福知山線脱線事故報告書、中立性の検証へ

 運輸安全委員会は、事故調査報告書の内容が事前にJR西日本側に漏れていた問題で、有識者による第三者機関を作り、事故の被害者・遺族にも参加してもらい、報告書の内容を検証することを決めた。

 この第三者機関から、問題が指摘されれば、報告書の書き直しも検討するとしている。
報告書の書き方も含め、内容を再検討することは大切ではないかと思う。

 これを機会に、①運輸安全委員会が第三者機関として中立、公正な立場を貫くことができる委員を選出し、国会の承認を得る ②事故調査には利害が関係すると思われる委員は関与しない、③委員が情報等を漏えいした場合は委員をやめさせるなどの罰則をきめることが必要ではないか。

 一方、今回のことで、事故に関する情報を事業者や被害者・遺族に公開されることがためらわれてはならない。事故原因などに関する情報を迅速に公開し透明性を保つことは、事故の再発防止にとって重要であるばかりか、被害者・遺族にとって少しでも大切な人や肉親の情報を得ることは自分自身の立ち直りにもつながる。
 
 事故報告書の再検討が、JR西日本の再生につながること、事故の再発防止に役立つことを期待したいと思う。 

《ニュース》
漏えい問題で中立性再検証へ   10月9日 4時29分
http://www3.nhk.or.jp/news/k10013003771000.html

2009年10月8日木曜日

花王「エコナ」、特定保健用食品(トクホ)表示許可を取り下げ

 食品安全委員会では、花王の食用油「エコナ」の安全性について審議しているが、結論が出るのは、花王が調査結果を出す11月以降になる。
 そのため、消費者委員会では、8日、食品安全委員会の結論を待たずに、トクホ(特定保健用食品)の許可を取り消すか一時停止すべきだという意見をまとめ、消費者庁に提出していた。

 これを受け、消費者庁では、エコナの特定保健用食品(特保)の表示許可を取り消す再審査手続きに入ることを決めた。
 
これに対して、花王はエコナの表示許可を取り下げる「失効届」を提出したという。
今後、花王はエコナのジアシルグリセロールを減らすよう努め、改良した新たなエコナを許可申請したいとしている。
 
 食用油として、人気のあった商品だけに、安全性が問題になったことは残念だ。私たち消費者は、自分では、科学的に食品の安全性を確かめることはできない。メーカーや行政は、消費者に対して安全性を保証する責任がある。

 消費者庁や消費者委員会には、消費者の安全に関する問題に迅速に対応してほしい。

《参考記事》
花王、エコナの特保表示を返上 消費者庁の再審査止まる
2009/10/08 20:56 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009100801000411.html

2009年10月7日水曜日

リニア実験線延長工事で、水源枯渇

 東京・大阪間を約1時間で結ぼうというリニア中央新幹線構想は、2025年に東京と名古屋を結ぶ路線を開通させることを目標に、今、ルートの検討や地質調査などが行われている。

 そんな中、実験線の延長工事で、地元の簡易水道の水源が枯渇していたことがわかった。(以下の記事参照)

 今、リニア新幹線の最短ルートとしては南アルプスを貫通するルートが有力だが、南アルプスは3000メートル級の山々が並び、地層が複雑だといわれる。
 
 東側には糸魚川静岡構造線、西側には中央構造線がある。南アルプスは海が隆起してできた山脈で、隆起は現在も続いているという。ところどころに亀裂が走り、崩壊も起こるなど、地質が不安定な面もあり、トンネルを掘削すれば、大量の湧水、崩落・変形などがあるかもしれないという。
 
 今回のような帯水層を壊してしまう事態は、直接今後の工事と関係があるわけではない。しかし、南アルプスを貫通するリニア新幹線の工事は、南アルプスの手つかずの自然を破壊することにならないかと想像され、気になる。

《参考記事》 
リニア工事で水源枯渇 笛吹・御坂 生活・農業用水の地層を誤掘削  2009年10月06日(火)
http://www.sannichi.co.jp/local/news/2009/10/06/1.html

2009年10月4日日曜日

シベリア抑留全体像の解明へ新資料

 今年7月、シベリアなど旧ソ連に抑留された日本の軍人や軍属、民間人ら約70万人分を記録した新資料が、モスクワのロシア国立軍事公文書館に保管されていることが確認された。
 日本政府は、資料内容の提供のしかたなど、ロシア側と調整を進めている。第2次世界大戦後、シベリアに抑留者された日本人の数や死者数、死亡した時期や埋葬地など、空白を埋めることにつながるとされている。
 
 戦後64年を経てなお、明らかになる事実がある。なるべく早くご遺族に、亡くなった方に関する情報が提供されるとよいと思う。

《参考記事》
シベリア抑留、75万枚の証し 個人カードをロシア公開  2009年9月8日0時29分
http://www.asahi.com/national/update/0906/TKY200909060236.html

2009年10月2日金曜日

神戸地検、4度目の不起訴~明石歩道橋事故

 神戸検察審査会が3度「起訴相当」とした議決を、今回もまた、神戸地検は、不起訴にした。
 2001年の明石歩道橋事故で、業務上過失致死傷容疑で書類送検された元明石署副署長(62)を、神戸地検が不起訴としたことに対して、遺族が検察審査会に不服申し立てをして、3回目になる。

 そのたびに、神戸地検は再捜査をして不起訴にしてきた。市民が参加する検察審査会の議決を毎回無視してきた。
 2006年、起訴を要請しに遺族が最高検に行った際、遺族に不適切な対応をしたことを反省して、松尾邦弘検事総長が「『被害者とともに泣く検察』というが、泣いていなかったのではないか」と言った。そういうことは、神戸地検ではもう忘れられているのだろうか。

《参考記事》
明石歩道橋事故、元副署長4度目の不起訴 神戸地検   2009年10月2日13時27分
http://www.asahi.com/national/update/1002/OSK200910020068_01.html

運輸安全員会の発足から1年

 2008年10月、航空・鉄道事故調査委員会は、海難審判庁の事故調査部門を統合して、新たに運輸安全委員会として発足した。
 運輸安全委員会は、事故の原因調査をし、二度と同じような事故を起こさないようにするため、再発防止策を各方面に提言する。
 発足から1年がたつが、旧事故調から、どのように変わっただろうか。
 
 運輸安全委員会は、鉄道事故の調査範囲を拡大し、踏切事故やホームでの事故の場合、死者が1名であっても、係員のミスや鉄道側に問題があると思われる場合は調査を開始することになった。しかし、鉄道側に問題があるかどうかは、調査しなくてはわからない。少なくとも死者があった場合は、すべて事故調査をすべきである。

 また、運輸安全委員会の事務局によれば、運輸安全委員会は発足以降、ヒューマンファクターの要素に力を入れて事故を分析してきたということである。 
 
 事故調査報告書をわかりやすくするため、記述の項目もかえられた。
 今年度初めに出された湘南モノレール事故の報告書は、
 1.鉄道事故調査の経過、2.事実情報、3.分析、4.結論(分析の要約、原因)、5.意見、6.参考事項 という項目立てになった。分析の結果、推定される原因について、すべて書き出し、安全管理の問題点や、再発防止のための方策について、意見を述べている。
 
 従来の報告書は、1.は同じだが、2.は認定した事実、3.事実を認定した理由、4.原因、5.参考事項という項目立てだった。福知山線事故の報告書をご覧になった方はわかると思うが、従来は、「4.原因」の記述が、簡単だった。分析の中で、推定される原因について触れながら、なぜ、原因は、簡単な記述のかと批判されたりしていた。

 事故の原因をさぐることは難しいと思う。事故情報を集め、事故の分析を通じて考えられる原因や要因を洗い出し、事故の再発防止のために役立ててほしい。
 そのためには、十分な予算と専門のスタッフが必要である。国交省から人事交流で事故調査官が委員会にくるのではなく、事故調査の専門家を養成して、委員会が独自に採用すべきである。
 そうでなければ、国交省のつくった安全基準や監督官庁としての指導に問題があって事故が起きたとしても、十分に分析・批判できないと思う。

《運輸安全委員会のHP》
http://www.mlit.go.jp/jtsb/index.html

2009年9月30日水曜日

第4種踏切で事故相つぐ~長野電鉄

 先週、21日長野電鉄の須坂市の踏切で、2歳の女の子が、警報機・遮断機のない第4種踏切に入り、列車が来る直前に伏せて危うく助かったばかりなのに、今度は中学生が同じ長野電鉄の別の第4種踏切で、自転車で横断中にはねられて亡くなった。
 突然お子さんを失った中学生のご両親や友人の方々には、どのような言葉をかけたらよいのかわからない。
 
 長野では、悲惨な踏切事故が相ついでいる。鉄道事業者は特急スーパーあずさや急行など、速い列車を走らせているのに、十分な安全対策をとっているのだろうか。
 全国の第3種・第4種踏切で、ここ3年ほどは、全国で20人前後の方が事故で亡くなっている。そのうち長野県内では5人前後(年により異なるが)の方が亡くなっている。
 長野県では、第3種(警報機はあるが遮断機はない踏切)や4種(警報機遮断機ともない踏切)の踏切が数多く残っており、踏切の安全対策が急がれる。
 
 踏切を渡る人の注意ばかりに頼るのではなく、まず、輸送のサービスを提供する鉄道会社が、万全の踏切対策を行うべきである。そのうえで、通行者に注意を促すべきである。自分たちは、十分な安全対策をとらずに踏切を利用せざるをえない人々にばかり、負担を押し付けるのは、責任逃れと言えないだろうか。
 
 一度に踏切全部に警報機や遮断機をつけるようというのではなく、安全対策をとる優先順位をつけて、対策にとりくめばよいと思う。列車の本数が増え急行や特急が走るようになった路線とか、宅地化が進み近くに学校や公共施設がある踏切とか、お年寄りや小中学生が通学などに使っている踏切など、踏切を取り巻く環境が変わったところを総点検し、早急に対策に取り組んでほしい。

 何よりも、安全装置を設置するのでもなく、踏切を廃止するのでもなく、危険なままの踏切を放置するのだけはやめてほしい。
《参考記事》
追う 踏切事故相次ぐ 対応に課題も   2009年09月26日
http://mytown.asahi.com/nagano/news.php?k_id=21000000909250007

2009年9月28日月曜日

既設エレベーターの安全の確保を

 9月28日から、エレベーターの安全に関わる技術基準を見直した政令が施行される。新たに設置するエレベーターには安全装置の設置が義務付けられる。
 しかし、既設のエレベーターには、この規定は及ばないから、エレベーター事故が心配される。報道によれば、既設のものについては、数年後には補助ブレーキの取り付けが義務付けられる見通しだという。
 しかし、エレベーターは、日常的に使われている。特に高齢の方や障害を抱えた方には不可欠だから、安全なエレベーターが求められる。既設のエレベーターの安全をどう確保するのか、早急に検討し対策を講じるべきであると思う。

《国交省HP》
「エレベーターの駆動装置や制御器に故障が生じ、かご及び昇降路のすべての出入口の戸が閉じる前にかごが昇降したときなどに自動的にかごを制止する安全装置の設置を義務付ける」政令等
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_fr_000012.html

《NHKニュース》
エレベーター新安全基準施行
http://www3.nhk.or.jp/news/t10015736281000.html

2009年9月27日日曜日

運輸安全委を公正・中立な調査を行える事故調査機関に

  05年の福知山線脱線事故の事故調査報告書案が、事前に元委員からJR西前社長に渡っていたという事実に、怒り心頭に発すだったのに、また、新たな事実がわかり、あきれてものが言えない。

 元委員は、何のために誰のために事故調査をしていたのだろうか?
自分がかつて仕事をしていた一企業の面子や利益のために事故調査をするのではなく、国民がまた同じような事故に遭わないために、事故の原因を探り、再発防止策を提言するために事故調査をしていたのではないのか。

 突然の事故によって、将来の夢を断たれた若者、老後を穏やかに過ごそうとしていた夫妻、家族との温かな会話を失った遺族、多くの方が、自分には何の非もないのに命や平穏な生活を奪われた。
 その事故がなぜ起きたのか、なぜ、自分たちは死ななくてはならなかったのか、その理由がわからなくては、その理由が説明されなければ、亡くなった方々は浮かばれないのではないか。

 若者は、これから社会や地域で役に立とうと学び、成長してきたにちがいない。
お年寄りは、長年にわたり、会社や地域で誠実に働き、会社や日本の発展のために貢献してきたに違いない。
 犠牲者の中には、会社で夜遅くまで残業をして仕事をこなしていた企業戦士もいただろう。
 偶々できた休みを友人と過ごそうと出かけたパートの女性もいたかもしれない。

 誠実に穏やかに、だれにも迷惑をかけないようにと生きてきたにちがいない人々の命と生活を、理不尽に奪った事故の調査は、事故の犠牲となった人々に、わかってもらえる納得してもらえると、胸をはって言える内容でなくてはならないのではないか。

 鉄道事故の調査にあたる専門家が、旧国鉄関係者ばかりでは、身内に甘くなるのではないかと疑われてもしかたない。事故調査を公正・中立に行うのは、国交省から独立すること、多くの専門家を養成することが必要だと思う。

 《参考記事》
「事故調部会長にも接触 JR西、会社ぐるみか」
2009/09/27 00:07 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200909/CN2009092601000824.html

事故の原因究明へ、新たな機関を

 2006年6月に起きたエレベーター事故では、製造元のシンドラー社が、警察の捜査を理由に情報提供を拒んだため、事故原因が十分解明されず、再発防止対策がおくれた。また、遺族の市川さんにとっては、なぜ自分の大切な子供が事故にあったのか、事故から3年以上たっても、誰からも事故原因について説明も謝罪もされず、苦しい思いを募らせる日々であったにちがいない。

 警察の捜査と事故調査がぶつかる状況は、残念なことに事故の再発防止につながらず、同種の事故を繰り返すことになる。
  
 そんな状況を繰り返さないために、一刻も早く、生活空間の中の重大な事故の原因究明を進め、再発防止に役立つ提言を打ち出せる機関をつくってほしい。
 また、事故原因の調査段階でわかったことは、推定原因であっても、考えられる再発防止策を積極的にとり、同種の事故の再発防止につなげてほしい。

《参考記事》
製品事故の原因究明、新たな機関設置を検討 福島消費者相 (25日 23:33)
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090925AT3S2501J25092009.html

2009年9月26日土曜日

花王「エコナ」出荷を一時停止、安全性は?

 9月16日、花王は17日から、特定保健用食品の表示許可を得ている「エコナ」シリーズ全商品の出荷を一時停止すると発表していた。エコナには、発がん性物質の「グリシドール」に分解される可能性のある「グリシドール脂肪酸エステル」が多く含まれているためで、同社は安全性には問題ないとしているが、他の食用油と同程度の含有量に抑えるまで、出荷を見合わせる。

 グリシドール脂肪酸エステルは、2008年ごろから欧州を中心に安全性を懸念する声があったもので、同社は原料である大豆や菜種のにおいや色を消す製造過程で発生したとみており、製造技術を改良し、10年2月にも出荷を再開する予定だという。

 これに対して、消費者団体から、不安の声が上がり、花王や消費者庁に、説明を求める集会が25日開かれた。
 「エコナ」シリーズは、健康ブームの中で、脂肪がつきにくいから健康によいと人気があり、中元や歳暮の品としても人気がある。

 「特定保健用食品」とは、「からだの生理学的機能などに影響を与える保健機能成分を含む食品で、血圧、血中のコレステロールなどを正常に保つことを助けたり、おなかの調子を整えるのに役立つなどの特定の保健の用途に資する食品」と厚労省のHPには書かれている。
 「特定保健用食品」として販売するためには、製品ごとに食品の有効性や安全性について審査を受け、表示について国の許可を受ける必要があり、許可マークが付されている。
 
 では、この食品に許可を出した厚労省はどんな審査をしていたのだろうかと疑問がわいてくる。また許可を出した後、安全性に疑問が出されるなど、再検討する必要が出てくれば、審査をし直すべきではないかと思う。

《参考記事》
花王「エコナ」安全と説明 消費者側、不安の声も  (25日 22:31)
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20090926AT1G2503B25092009.html

2009年9月25日金曜日

事故調委員、事故調査情報をJR西前社長に漏えい

 2005年4月、JR福知山線で起きた脱線事故の事故調査をしていた国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(08年10月運輸安全委員会に改組)の山口浩一元委員が、JR西日本の山崎前社長に、調査の状況や報告書案を伝えていたことがわかった。山口元委員は、最終報告書案のコピーを山崎前社長に渡し、山崎前社長から報告書の修正もしくは削除をもとめられていたという。

 山口元委員の発言は、委員会の懇談会の席で認められなかったというものの、最終報告書は、事故は、運転士がブレーキ操作を誤り、制限速度をオーバーして現場カーブに進入したことが原因だとしている。
 時間と労力をかけたJR福知山線脱線事故調査報告書の公正さ・中立性が、問われてくる。
JR西日本の山崎前社長は、記者会見で、「情報を知りたいという一念でやったことだが、不適切で軽率だった」と話し、謝罪した。しかし、同社取締役は辞任せず、引き続き被害者対応にあたるという。
 
 航空・鉄道事故調査委員会の委員は、職務で知りえた情報の守秘義務があるが、罰則はない。しかし、航空・鉄道事故調査委員会(運輸安全委員会)が行う事故調査は、事業者からも行政からも中立で公正でなくてはならないのだから、今後このようなことのないよう違反に対しては、委員を解任するなどの罰則を設けるべきである。また、事故の当事者である事業者に関わりの深い人間は、運輸安全委員会の委員にすべきでない。

 旧航空鉄道事故調査委員会が改組され、運輸安全委員会が昨年10月に発足してまもなく1年がたつ。私は、新しい事故調査機関によって事故調査が公正・中立に行われ、事故の再発防止に役立てられるものと期待していたものの一人である。
 今後、二度とこのようなことがないよう、再発防止のためのルールをつくり、国民の期待に答えていただきたいと思う。
 
《参考記事》
宝塚線脱線、事故調委員が情報漏らす JR西前社長に (2009年9月25日)
http://www.asahi.com/national/update/0925/TKY200909250186.html

障害者自立支援法を廃止、新しい制度の検討を

 2008年10月に、全国で一斉に提訴された障害者自立支援法違憲訴訟のうち、広島で、24日、口頭弁論があった。
 広島地裁で行われた口頭弁論の中で、被告国側は、新しい厚労相が同法を廃止するとしているため、これまでの全面的に争う方針を見直すとして、用意した陳述をとりやめた。

 2006年4月から施行された障害者自立支援法は、福祉サービスに応じて障害者に1割の負担をもとめている。そのため、障害が重い人ほど負担が増え、各地で、障害者やその家族から、同法は憲法25条で保障する「生存権」に違反しているとして、国や自治体を相手取って裁判が起こされ、同法は廃止するようもとめられている。

 障害者に重い負担を強いる同法を廃止するとともに、障害者の皆さんが人間らしく生きられる社会保障の仕組みが十分検討されるよう願っている。

《参考記事》
 障害者自立支援法、違憲訴訟で係争方針変更 国側示す  2009年9月24日13時57分 
http://www.asahi.com/national/update/0924/OSK200909240070.html

2009年9月19日土曜日

政党助成金の使途を考える

 報道によると、民主党への政党助成金が、通年ベースで173億200万円と、選挙前より54億6900万円の増となることがわかった。制度が始まった95年以来、政党への交付額では最高額となる見通しで、民主党の収入の9割近くを政党助成金が占める計算になるという。
 
 政党助成金は、国民1人当たり250円で算出され、09年分の総額は319億円。所属国会議員数と直近の国政選挙での得票率に応じて各党に割り振られる。
 
 民主党は、選挙のとき、税金の無駄使いは一掃すると言っていた。
 この320億円は、景気や雇用対策など、緊急を要するところへ、回したほうがよいと思う。政党は、本来、その政党を支持する個人の寄付で運営されるべきではないかと思う。

《参考記事》
政党交付金:民主は173億円 制度開始以来過去最高額に
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090903k0000m010041000c.html
 
 
 

2009年9月17日木曜日

山手線で、青色LED(発光ダイオード)照明導入

 1998年の金融破たん以降10年余り、自殺でなくなる方が毎年3万人を超え、自動車事故で出亡くなる人をはるかに超えている。各方面で、自殺予防対策が検討されているが、JR東日本では、照明の色を青色に変えたり、ホームに柵を設置するなど、対策を講じている。
 
 青色が心を落ち着かせる効果があるかどうかは、専門家の間でも意見が分かれるところだというが、できるところから、自殺防止対策に取り組んでもらいたい。
 
 また、ホームの発車のベルも心を落ち着かせるものがないだろうか。ベルの音を聞くと、かえって閉まりかけたドァのかけこみたくなる。踏切の警報音なども、列車が通過するのを待たされて、長く聞いているとイライラしてくることがある。開かずの踏切などでは、待つ人のためにも、警報音やこれから通過する列車表示など、ストレスを減らす工夫をしてほしい。

《参考記事》
青色LEDで心を落ち着けて JR山手線、自殺防ぐ狙い  2009年9月16日5時34分
http://www.asahi.com/national/update/0915/TKY200909150394.html

2009年9月16日水曜日

車いすの女性、ホームから転落~東急多摩川駅

 16日、東急多摩川駅のホームで、車いすに乗った女性が、ホームから転落して、亡くなっていることがわかった。ホームは、線路に向かって下り勾配になっていたが、柵などはなかった。

 この駅では、07年9月にも、車いすの女性が転落して、足を骨折する事故が起きていたが、柵を設置するなどの対策がとられていなかった。
 なぜ、この事故の後、すぐに柵を設置しなかったのか、東急電鉄の安全対策に疑問を感じる。

《参考記事》
車いす81歳女性、転落し死亡 東急多摩川駅のホーム
 東京都大田区の東急電鉄多摩川駅のホームで、車いすに乗った川崎市の女性(81)が車いすごと線路上に転落し、死亡していたことが16日、警視庁田園調布署への取材で分かった。
 付き添っていた長女(61)が目を離したすきに転落したといい、同署は長女から話を聴き、駅の防犯ビデオなどから詳しい状況を調べている。

 東急電鉄によると、ホームは線路に向かって2・5%の下りこう配となっていた。同社は「死亡したことを重く受け止め、安全性をより高めるため」として早急にホームに仮柵を設けることを決めた。

 同署によると、女性は13日午後4時半ごろ、長女とともに駅構内のエレベーターを利用。2階のホームで降りた後、長女がエレベーターの扉を早く閉めようと離れた間に約4・5メートル先の線路に落ちた。女性は頭を打つなどして14日に死亡した。

 長女は車いすから離れる際、ストッパーを掛けていなかった。2人は散歩に来た帰りだった。

 東急電鉄によると、ホームのこう配を規定する法律はないが、同社は2%程度を標準としている。多摩川駅では2007年9月にも車いすの女性(95)が転落し、左足骨折の大けがをする事故があった。

2009/09/16 21:59 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200909/CN2009091601001043.html

2009年9月12日土曜日

大阪空港で誤進入対策

 大阪空港では、主にプロペラ機が発着するA滑走路を、並走するB滑走路を離着陸する大型ジェットなどすべての航空機が横切る構造になっている。そのため、2007年9月以降、ジェット機などがターミナルからB滑走路に出る際、誤ってA滑走路に進入してしまうトラブルが相次いだ。

 今年7月23日には、JALエクスプレス機が管制の許可を得ないまま、A滑走路に誤って進入し、着陸予定機と衝突しかねない危険を招いていた。
 翌日、金子国交省大臣が、記者会見で「(伊丹空港の構造上の問題に対する)安全措置、安全機器、言ってみれば信号機を検討しておりましたけれども、できるだけ早く設置をしたいと思っています。」と述べ、国交省では、安全対策の検討をはじめた。
 
 検討の結果、誘導路から滑走路に入る手前で、注意を促すため、「stop」と黄色で大きく表示することになった。また、管制用語も聞き間違えないように工夫する。

 11年度中には、パイロットが管制の指示を聞き間違えても、誤って進入しないよう、航空機の位置を機械が認識して危険を知らせるシステムも整備されるそうだ。

《参考記事》
滑走路手前に「STOP」塗装 大阪空港で誤進入対策 2009年9月11日3時2分
http://www.asahi.com/national/update/0911/TKY200909100414.html

2009年9月11日金曜日

消費者庁入居ビル、賃料8億円

 9月1日、消費者庁が発足した。霞が関の庁舎内に場所がなかったため、消費者庁は、官邸近くのビルに入居したが、その賃料が年間8億円に上ることがわかった。
 
 内田俊一長官は、発足時の会見で、庁舎の賃料の問題が質問されると「本来は官庁の建物が原則だったが、残念ながら見つからなかった。相場から見て一番高い訳ではない」。一方で、「民間ビルにずっと居続けるのはベストとは思わない」とも述べたとされる。

 消費者の側に立った行政を進めると語る長官であるならば、消費者の生活実感に近い賃料のビルで仕事をしてもらいたい。そして、賃料を節約した分を、各地の消費者相談窓口を担当する人材の育成などにあててほしいものだ。

《参考記事》
消費者庁入居ビルは妥当 内田長官「賃料重視せず」 (23:25)
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090910AT1G1003K10092009.html

2009年9月10日木曜日

エレベーター事故、国交省対策委が調査報告書

 9月8日、国交省の昇降機等事故対策委員会は、2006年、港区のマンションで起きたエレベーター事故の調査報告書をまとめ、発表した。
 事故から3年余り、なぜ、こんなに報告が出るまでに時間がかかったのだろうか?

 エレベーター事故など、生活空間で起きる事故については、独立した中立の立場で事故調査をし、再発防止策を事業者や行政に対して勧告する機関がない。
 そのため、事故で息子さんを亡くした市川さんや、市川さんの友人たちは、エレベーター事故の原因の調査をしてほしいと署名活動をして、16万人の署名を集め、国交省に提出した。
 そして、今年2月にようやく国交省内に昇降機等事故対策委員会が設置され、調査が始まり事故調査報告書がまとめられた。

 今回、事故報告書が出され、委員会の意見がつけられたことをうけ、エレベーター会社、保守点検会社、行政はそれぞれの責任を明らかにし、遺族に謝罪するとともに、2度と同じような事故が起きないように、再発防止策を講じてほしいと思う。
 そして、政府は、エレベーターなど生活の様々な場所での事故を調査する、行政から独立した中立の調査機関、再発防止に向けて積極的に勧告をする機関を設置すべきだと思う。

なお、報告書は、以下の国交省のHPで公開されている。
社会資本整備審議会建築分科会建築物等事故・災害対策部会昇降機等事故対策委員会(委員長:向殿政男明治大学教授)
「シティハイツ竹芝エレベーター事故調査報告書」
http://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000127.html

《参考記事》
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090908/crm0909081513023-n1.htm

2009年9月8日火曜日

高知踏切事故遺族、JR四国に損害賠償を請求

 今年、4月13日、高知県佐川町白倉の踏切で、電動車いすに乗って踏切を渡っていた女性(86歳)が、特急列車に撥ねられて死亡した。遺族は、踏切の安全性に問題があったとしてJR四国に損害賠償を求める裁判をおこした。

 地図を見ると、踏切の宿毛方面はカーブしており、踏切からの見通しが悪かったかもしれない。この踏切の長さなど、詳しいことはまだわからないが、警報器や遮断機のある第1種踏切で非常停止ボタンがないのは、対策が不十分な気がする。

《参考記事》
「踏切事故で遺族がJR四国に損害賠償請求」
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20090821-533683.html

(事故当時の記事)
読売新聞 2009年4月13日13時21分
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090413-OYT1T00345.htm

2009年9月4日金曜日

事故被害者の支援検討会が初会合

 航空や鉄道などの大規模な事故が起きた際、どのように被害者支援を行うのかを考える検討会が、9月4日、国交省で初めて開かれた。
 
 会合では、学経験者のほか、520人が犠牲となった日航ジャンボ機墜落事故の遺族なども参加して、事故情報の提供の方法や心のケアなどについて検討していく。

 大規模な航空や鉄道の事故が起きると、事故を起こした企業が被害者や遺族への情報提供や「支援」などにあたっているが、遺族からは「加害者である企業からの支援は心理的に大きな抵抗がある」として、被害者支援に取り組む公的な機関の設置を求める声が上がっていた。
 
 検討会では、事故の遺族への聞き取り調査も行う予定。また、積極的に遺族支援に取り組んでいるアメリカの国家運輸安全委員会も視察し、2年後をめどに情報提供や心のケアなどの方法ついて結論をまとめるとしている。

 大規模な事故の遺族のみなさんの経験や意見を生かして、情報を迅速正確に提供する仕組みをつくり、監督官庁や事業者とは異なる、被害者支援を行う公的な機関をつくってほしい。

《参考記事》
事故被害者:支援検討会が初会合 国交省
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090905k0000m010077000c.html

2009年8月31日月曜日

消費者行政の一元化へ~消費者庁発足

 各省庁にまたがる消費者行政を一元化して、消費者の安全と安心を守る消費者庁が9月1日発足する。

 ガス湯沸かし器による一酸化中毒事故や冷凍餃子中毒事件では、政府の対応が遅れたため、被害を大きくした。政府は、縦割り行政の弊害をなくし、情報を集約し、すばやく製品事故や悪徳商法等の問題に取り組むため、消費者庁を発足させると決め、初代長官も決定していた。
 しかし、8月30日の衆議院選挙で圧勝した民主党代表の鳩山氏が、官僚OBの長官人事などについて見直しもありうるとしている。

 6月に麻生前首相が、消費者庁の発足を前だおして9月発足を決めたことに対しては、全国消費者団体連絡会などからも、発足延期を求める声があがっていた。発足にむけては十分な準備をして、長官も国民の納得のいく人を選んでもらいたいと思う。
 
 また、消費者の意見が直接届く透明性の高い、消費者庁を含めた関係省庁の消費者行政全般に対して監視機能を有し独立した第三者機関だとされる消費者委員会も、同時に発足する。
 こちらは、どのように審議し、議決するのか、各委員の役割分担や運営方法などはこれから決めるという。

 各省庁が消費者問題をばらばらに扱って、たらい回しにしたり、規制する法律がないということのないよう、消費者庁には、消費者行政の「司令塔」にふさわしい役割を期担ってもらいたい。そのためには、十分な準備が必要ではないかと思う。

《参考記事》
消費者庁:1日発足 多難な船出…民主、人事見直し示唆
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090901k0000m010066000c.html?link_id=RAH04

2009年8月27日木曜日

輸入ワクチン、安全性の確認をぜひ 

 新型インフルエンザが、本格的な流行期に入ったとされている中、厚労省は、新型インフルエンザワクチンの輸入を決めた。国内で生産しているが、生産が間に合わず、必要な分には届かないという。

 ワクチンを輸入する場合、国内で臨床試験を行うが、通常半年かかるという。新型インフルエンザの流行が懸念されるため、感染すると重症化する基礎疾患のある患者や乳幼児に優先的に、接種する必要があるという。

27日、厚労省が開いた豚インフルエンザワクチンに関する専門家意見交換会では、安全性が確認されるまでは、使うべきではないなど、慎重な意見が出された。
 森島恒夫岡山大学教授は、「海外製ワクチンは接種後に熱が出やすいが、日本の子は欧米の子よりけいれんをおこしやすい。日本人での安全性確認が欠かせない」と訴えたという。
 
 また、日本小児科学会の横田俊平会長が、輸入ワクチンについて、「含まれる添加物についての情報がない。短期間、小規模で良いので安全性、有効性を確認する臨床試験をしてほしい」と要望したのに対し、升添厚労相は「迅速性と安全性の両方を兼ね備える形でやりたい」と応じ、臨床試験を行う考えを示した。

 ワクチンの安全性については、十分確認してほしい。豚インフルエンザについては、基礎疾患がある方以外は、重症化せず、インフルエンザ治療薬のタミフルなどで対処できるというから、急いで、ワクチンを接種しなくてもよいのではないかと思う。

 ワクチンの副作用が懸念される一方、WHOなどは、日本がワクチンを生産する力があるのに海外からワクチンを輸入することを批判している。

 《参考記事》
新型インフル輸入ワクチン 厚労相「安全性テストやる」  2009年8月27日13時6分
http://www.asahi.com/special/09015/TKY200908270111.html

2009年8月23日日曜日

核廃絶をめざす「平和市長会議」、加盟366都市へ

 広島、長崎両市が主導する国際NGO「平和市長会議」に加盟する市町村が急増しているという。
 昨年2月に国内でも加盟できるようになって、1年半で364都市が加わり、広島長崎も含め366都市になった。全市町村の20%にあたる。

 82年に、当時の荒木広島市長が、国連軍縮会議で、核廃絶に向けて世界の都市が国を越えて連帯しようと呼びかけ、総会を4年ごとに開いている。国内では366都市、国外では134の国・地域で3047都市が加盟しており、今月7日から10日に長崎で7回目の総会が開かれた。

 平和市長会議は2020年までに世界の核兵器をなくすという「2020ビジョン」を出しており、そのために具体的な道筋を示した「ヒロシマ・ナガサキ議定書」を、来年5月の核不拡散条約再検討会議で、採択させたいとしている。
 
 今年4月、オバマ大統領はプラハで、「核のない世界」の実現に向けて、アメリカが包括的核実験禁止条約(CTBT)を批准することをめざし、核兵器原料の生産を停止する新条約交渉など、具体的な施策に取り組むと表明した。
 このように、世界的に核廃絶の機運が高まってきている中、唯一の被爆国である日本で、核兵器をなくし平和な世界をめざす市町村が増えてほしいものだ。


《参考記事》
平和市長会議、国内加盟が急増 全市町村の20% (朝日新聞 枝松佑樹、加戸靖史)
http://www.asahi.com/politics/update/0817/SEB200908170010_01.html

2009年8月21日金曜日

JR福知山線脱線事故、遺族が検察審査会へ申し立て

 8月21日、JR福知山線脱線事故の遺族が、JR西日本の歴代社長3人を不起訴とした神戸地検の処分を不服として、検察審査会へ審査を申し立てた。
 
 遺族の申し立てでは、事故の背景に、収益拡大のため、安全対策よりスピードアップや経費削減を優先させたJR西の企業風土があったとし、こうした経営方針は井手氏が打ち立て、南谷、垣内両氏が継承したもので、歴代社長に刑事責任があると主張しているという。

 検察審査会の議決にはこれまで法的拘束力はなかったが、今年5月の改正検察審査会法の施行により、審査会が「起訴相当」を2回議決すると、自動的に起訴されることになった。
 
 市民が審議する検察審査会で、検察の今回の不起訴処分が十分検討され、歴代社長の責任を明確にするため、「起訴相当」を決定することを期待したい。

《参考記事》
歴代3社長の起訴求め遺族が審査申し立て JR脱線事故  2009年8月21日11時41分
http://www.asahi.com/national/update/0821/OSK200908210049.html

軍票や旧日銀券など87万件が未返還

 報道によると、終戦後、戦地など海外から引き揚げてきた人から全国の税関が徴収した通貨や証券など、返還されていないものが、87万件(約27万人分)にのぼるという。

 旧日銀券や国債や株券などのほか、大学の卒業証書なども含まれているそうだ。
税関は、「保管証がなくても、上陸地や名前がわかれば全国の税関に照会できるので、心当たりのある人は連絡をしてほしい」と呼びかける。

 税関によると、GHQ(連合国軍総司令部)は、インフレ抑制のために、海外から引き揚げてきた軍人や民間人は帰国の際、一定額以上の通貨や証券類を強制的に保管させられたり、在外公館などに寄託させられたりしたという。
 税関は1953年から、返還を始めたが、未返還のものが87万件にのぼる。旧日銀券などは換金できないが、遺品として持ち帰る人が多いという。

 問い合わせは、全国の税関。問合せ先など、詳細は税関のホームページ
http://www.customs.go.jp/news/hokanshoken/index_shoken.htm
(2009年8月20日 日本経済新聞記事から)

JR西日本「歴代幹部の責任」 被害者に説明へ

 JR西日本は、05年4月のJR宝塚線(福知山線)脱線事故で、山崎正夫社長(66)が業務上過失致死傷の罪で在宅起訴されたことを受け、8月22日、23日に被害者説明会を開く。山崎社長自身が、質問に直接答えるという。

 JR西日本によると、説明会は8月22日に大阪市北区、23日に兵庫県尼崎市のホテルで開催する。

 説明会では事故について改めて謝罪するほか、歴代幹部29人の処分についても説明するという。山崎社長は公判で起訴事実を争う構えで、起訴の対象となった鉄道本部長時代の96年に事故を予測できたかなどについても、可能な範囲で答えるという。
 山崎社長は8月31日付で取締役に退き、今後は事故の被害者への対応などにあたるとされている。

《参考記事》
JR西「歴代幹部の責任明確化」――尼崎脱線、社内処分で被害者に説明へ 2009/08/20配信 
http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/news001492.html

2009年8月17日月曜日

ときわ台駅の踏切事故~おくれていた安全対策


 2007年2月6日午後7時半ごろ、ときわ台駅ホームのすぐ脇にある踏切に女性(当時39歳)が侵入しているとの通報を受け、警視庁板橋署常盤台交番の警視庁巡査部長宮本邦彦〔殉職後二階級特進で警視庁警部〕(当時53歳)が女性を交番に保護した。
(写真はときわ台駅ホーム横にある踏切)

 しかし女性はすきを見て交番を逃げ出し、再び踏切に侵入。同巡査部長がこれを救助しようとして女性をホーム下の退避スペースに押し込んだものの、警部自身は間に合わず、ときわ台駅を通過する下り急行電車にはねられて重体となった。

 女性は腰の骨を折るなどのけがをした。2月12日、巡査は意識が戻らないまま板橋区内の病院で亡くなった。

 事故当時、踏切には、警報機遮断機があり、立ち往生した車などをセンサーで検知し、列車に知らせる踏切障害物検知器が設置されていたが、手で押す踏切支障押しボタン(非常停止ボタン)はなかった。
 非常停止ボタンがあれば、まず、宮本巡査が押して、近づく列車を止めることができただろう。また、駅には、ホームに非常停止ボタンがあり、ホームにいた人が押したが列車を止めるには間に合わなかったという。

 ちなみに、私の住まいの近くのJRの駅のホームには、10両編成の列車が止まるが、番線ごとに非常停止ボタンが10個設置されている。つまりホームには2番線まであるので、合計20個設置されている。
 8月5日にときわ台駅に行ったとき探したら、ホームには3個しかなかった。ときわ台駅にも10両編成の普通列車が止まる。
 事故当時、ホームに非常停止ボタンがいくつあったか知らないが、ホーム中ほどに3個しかなくては、いざというときには見つけにくいと思う。

 事故の後、NHKの調べで、東武東上線の各踏切には、踏切支障押しボタン(非常停止ボタン)と踏切障害物検知装置のいずれか一方しか設置されていないことがわかった。
 
 一方、同じ池袋から出ている西武池袋線には、非常停止ボタンと踏切障害物検知装置が両方とも設置されていることがわかった。これについて、国交省は、踏切に非常停止ボタンと踏切障害物検知器のいずれかを設置していればよいという指導をしていることがわかった。
(NHK 2007年2月28日放送)
 その後、東武鉄道は東上線の各踏切に踏切障害物検知装置と踏切支障押しボタンの両方を設置したそうだ。

 宮本巡査が身を呈して女性を助けたことに多くの人が感動した。
地元の人々が中心になって、募金を募り、巡査の行動を讃える碑が建てられた。

 写真は、宮本巡査をたたえた「誠の碑」。宮本巡査が、高校の卒業文集に「誠実、誠心、誠意」と書いていたことから、誠という字が刻まれた。碑の前には、花が絶えることがないという。
(2009年8月5日撮影)

2009年8月13日木曜日

日航123便ジャンボ墜落事故から24年

 8月12日、日航ジャンボ機が御巣鷹山に墜落して、24年がたつ。私にとっては、悲惨な事故をなくすために私に何ができるだろうか、安全で安心して暮らせる社会のために何ができるだろうかと、自分に問い直す日でもある。一歩一歩踏みしめて、尾根をめざしながら、この道が安全で心安らかに暮らせる社会につながる道になりますようにと、願う。

 12日は朝早くから、慰霊のために遺族や関係者らが、尾根を目指して山を登る。しかし、尾根への道は、急な山道なので、以前は足を滑らせたり、転んだりして危なかった。

 今年7月には、群馬県や上野村、日航などの協力で、登山道が整備された。登山道にコンクリートでつくった疑似木を置き、階段状に整えられ、登山道横には手すりがつけられるなど、歩きやすくなった。
 遺族の方や関係者の方が、登りやすくなり、早く登れたと話していた。
 
 12日は、日航の西松社長や岸田副社長らも慰霊登山をしたそうだ。
また、11日、8.12連絡会などが主催する神流川の灯篭流しに初めて参加した岸田副社長(日航安全推進部長)は、「(慰霊は)交通機関の安全を誓う場として、未来永劫続けていかなければならない」と語ったという。
 日航など運輸の仕事に関わる方々には、ぜひ、悲惨な事故を忘れず、二度と同じような事故を起こさないと肝に銘じて、御巣鷹に登ってほしい。
 
《参考記事》
日航ジャンボ機墜落24年 「二度と事故は…」広がる意識  2009.8.13 02:29
http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/gunma/090813/gnm0908130229000-n1.htm

2009年8月10日月曜日

踏切事故の現場をたずねて~2009年4月24日堀川踏切


 2009年2月25日、広島地裁は、2006年12月12日午後6時半ごろ、男子高校生(3年生)が東広島市の堀川踏切(警報機遮断機なし、照明なし)を自転車で渡っていたところ、3台の列車に轢かれて死亡した踏切事故について、危険な踏切の安全対策をとらなかった鉄道事業者の責任を認め、損害賠償を命じた。
(写真は、現在の堀川踏切。事故後の2008年3月、警報機遮断機が設置された。2009年4月24日撮影) 

 広島地裁は、事故のあった踏切は「夜間は踏切を渡る際、列車と県道を走る車のライトが区別付きにくく、また線路がロングレールのため、列車の振動と車の騒音とを区別しにくい」「警報機・遮断機がないことで通行者への危険が少なくない状態だった」として、亡くなった高校生の両親の主張をほぼ認め、踏切が危険だったことを認めた。

 しかし、国交省の鉄道事故等整理表(平成18年度)の当該事故の欄を見ると、鉄道事業者の出した報告とニュース記事とでは、事故の概況についての記述が異なる。なぜ、踏切を通過した列車の本数がちがうのか、県道と線路が並行して走っているというがどういう状況なのか。事故のあった踏切を見てみないとわからないのではないかと思った。

 
新聞のニュースだったので、裁判をおこしたご遺族の連絡先を教えてもらえないかと新聞社に問い合わせたところ、遺族の代理人である弁護士の連絡先を教えて下さった。ご両親の弁護士から裁判や踏切について聞けないかと思い、連絡をとり、今年4月24日、広島の事務所でお会いすることになった。(高校生のご両親とは、連絡先を教えていただけなかったのでお会いできなかった。)

 広島駅から事故のあった西高屋駅までは、山陽本線の列車に乗って行った。駅から車で5分くらいの堀川踏切まで行き、踏切の状況を見たり、線路の見通しはどうかと、駅の方や反対の白市方面を撮影したりした。

 周辺は、中高一貫校や大学、住宅や畑もあり、線路と平行して走る県道は交通量が多く、信号のない横断歩道を渡るのは容易でなかった。白市方面はカーブしていて、踏切からは列車の来る方角が見えにくかった。西高屋方面は線路がほぼまっすぐで、500メートルくらい先に、車両の通れる第1種踏切が見える。
(踏切に立つと、山陽線の線路と、県道が並行して走っているのがわかる)

 広島地裁の判決によると、堀川踏切を通過する列車本数は1日約230本である。約5分に1本の割合で通過している。また西高屋駅の時刻表から逆算すると、堀川踏切あたりで、上下線の列車がすれ違うことが多いと思われる。

 つまり、事故当時、3台目の列車は、1台目の列車と10分くらいの時間差があると思われるが、はじめの2台の上り下りの列車は、あまり時間差をおかずに踏切ですれ違った可能性がある。

 堀川踏切から50mくらい離れた家の住民に、事故当時のことを聞いた。この踏切を日常的に利用するそうだが、当時、夕飯時で家にいたところ、大きな車がぶつかるような音を聞いたという。
 また、「当時、線路の架け替え工事のせいか、踏切を工事していたので、踏切の足場が悪かったが、JRは事故後すぐ踏切道をきれいにしてしまった」とも話してくれた。このことは、鉄道事業者に確認していないが、事実だとすると、踏切が暗い上に、足場が悪かった可能性がある。

 堀川踏切に行った後、夕方、ご遺族の代理人である弁護士を事務所に訪ねて、踏切事故や裁判の話を聞いた。
 この事故のことは、今年の2月判決が出た際の記事でしか知らなかった。事故の詳細を弁護士から聞き、想像をこえる事故の悲惨さ、むごさに胸がしめつけられる思いだった。
 踏切で高校生をはねたはじめの2台の列車は、なぜ、高校生をはねたとき、非常停止しなかったのか。判決の中では、2台の運転手ともぶつかったことに気付かなかったと言っているが、付近の住民は、事故の時刻に大きな音を聞いている。気が付かないはずはないと思う。

 1台目の列車の運転手が、止まって高校生の安否を確認していたら、もしかしたら事故直後は、高校生は致命傷を負っていなくて、助かっていたかもしれないと思うと、残念でしかたない。
 鉄道事業者は、裁判を高等裁判所にもって行くのではなく、悲惨な事故によって高校生の命を奪ったことをまず、両親に謝罪すること、そして他に危険な踏切がないか総点検し、同じような事故が起きないよう、再発防止のための対策をとること、それが利用者や住民から信頼をとりもどすための第一歩ではないかと思う。

2009年8月7日金曜日

原爆投下から64年、原爆症の認定へ


 広島に、原子爆弾が落とされてから、64年がたった。被爆された方々の平均年齢が75.92歳と高齢化が進む中、ようやく、被爆した方々の原爆症認定がなされる。
 原爆症認定裁判の提訴からでも、6年4か月もの歳月が流れた。その間にも、どれだけ多くの方々が亡くなったことだろうか。この1年で死亡が確認された、広島での被爆者の方は5635人、原爆死没者は、合計26万3945人になる。
 
 アメリカのオバマ大統領は、世界中から核兵器をなくしていきたいと語っている。あらゆる国の政府には、核兵器によって、自分に都合よく戦争を終わらせようとするのではなく、話し合いによって、国と国との間の問題を解決する道を探ってほしい。

 また、日本政府は、世界で唯一原子爆弾を投下された国として、世界に原子爆弾の悲惨さを訴え、核兵器の根絶を訴えていってほしい。

《参考記事》
「何十歩も前進」「仲間亡くなった」原爆症訴訟で調印  2009年8月6日20時33分
http://www.asahi.com/national/update/0806/OSK200908060068.html

2009年8月6日木曜日

静かなエコカー、視覚障害者に危険

 今年7月から、国土交通省は、ハイブリッド車や電気自動車は、運転の音が静かなため、視覚障害を持った方や耳の遠くなったお年寄りには、車が近づいたことがわかりにくいことから、事故につながりかねないため、何らかの対策を取る必要があるとして、学識経験者や自動車工業会といったメーカー関係者らに集まってもらい検討を始めている。

 8月5日、NHKのニュースによると、この「ハイブリッド車などの静音性に関する対策検討委員会」は視覚障害者の方に参加してもらい、ハイブリッド車の接近時などの音を聞く体験会を開いた。

 実験によると、参加した視覚障害者ら40名のうち2名の方しか電気自動車車の接近に気がつかなかった。また約半分の方がハイブリッド車の接近に気が付かなかった。
 参加した視覚障害者の方は、低速で接近してくるのを意識を集中して聴いていたから、ハイブリッド車の接近がわかったが、そうでなければ、わからないかもしれないと言っていた。

 ハイブリット車や電気自動車に、接近を知らせるための音をつけようという動きは、国際的な流れになってきており、国連でも今春から検討が始められているという。

 しかし、騒音を抑えたロングレールや、早くて静かに走る特急あずさなどについては検討されていない。鉄道では、警報器や遮断機のない踏切で、お年寄りが列車の接近に気付かず、踏切を渡っているところを列車にはねられて亡くなっている。鉄道でも、対策を検討するべきではないかと思う


《参考記事》
国交省がハイブリッド車体験会 視覚障害者ら走行音聞き比べ
http://www.47news.jp/CN/200908/CN2009080501000841.html

2009年8月2日日曜日

ユネスコ「世界記録遺産」に「アンネの日記」登録

 31日まで、国連教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)は、世界記録遺産を決める国際諮問委員会を開いていたが、あらたに、「アンネの日記」など、35点を世界記録遺産として登録すると発表した。

 世界記録遺産(Memory of the World)とは、ユネスコが主催する三大遺産事業のひとつで、1997年から始まった。歴史的文書など、記録遺産は、保存の危機にあるものが多い。そのため、ユネスコは効果的な保存手段を講じるため、記録遺産として残すべきものリストの作成をはじめた。
 最新のデジタル技術を駆使して重要な記録を保全し、研究者や一般人など世界の人々が容易に接することができるようにした。また、全世界に広く公開することで、重要な記録遺産を持つ国家の認識を高めることを目的としている。

 今回、人類が記録すべき文書として「アンネの日記」が選ばれたことは、先の戦争の記憶を失ってはならないこととして、あらためて私たちに提示したともいえる。
 
 8月は、戦争の記憶を鮮やかにすべきときでもある。
 平和に暮らすということ、不安なく穏やかに暮らすということはどういうことなのか、そのためには、何が必要なのか、あらためて考えてみようと思う。
  
 
《参考記事》
ユネスコ「世界記録遺産」に「アンネの日記」登録   2009年7月31日17時10分
http://www.asahi.com/international/update/0731/TKY200907310361.html

2009年7月31日金曜日

神戸検察審査会 明石歩道橋事故、「起訴相当」を議決

 神戸検察審査会は、30日までに、明石歩道橋事故の遺族が申し立てをしていた、明石署副署長の不起訴について、「起訴相当」の議決をしたことがわかった。
 今年5月改正された検察審査会法が施行され、2度「起訴相当」の議決がでれば、検察が起訴しなくても、裁判所が指定した弁護士が公判を行うことができることになった。

 元地域官らの刑事裁判でも、明石市などの責任を認め賠償を命じた民事裁判でも、明石署長らの過失責任にも触れ認めているのだから、神戸地検が明石署副署長を起訴するのは難しいとは思われない。
 検察は、市民の良識が反映された検察審査会の議決を重く受け止め、再捜査し、副署長を起訴して裁判を行ってほしい。


《参考記事》
明石歩道橋事故、明石署副署長は「起訴相当」 神戸検察審査会 7月30日20時33分配信 産経新聞

 兵庫県明石市で平成13年7月、花火大会の見物客11人が死亡した歩道橋事故で、神戸第2検察審査会は、業務上過失致死傷容疑で書類送検され、神戸地検が不起訴処分とした当時の明石署副署長(62)について、「起訴相当」を議決した。元副署長に対する「起訴相当」議決は3度目で、2度続けて起訴すべきと議決されれば自動的に起訴されるとした改正検察審査会法施行後では初めて。議決は15日付。

 事故をめぐり、地検は現場で警備を指揮していた同署の元地域官ら5人を起訴したが、当時の署長(平成19年に死去)と副署長は不起訴処分とした。これに対し遺族は、これまでに2度不服を申し立て、検察審査会は16年と17年にそれぞれ「起訴相当」と議決。しかし、地検はいずれも不起訴処分としたため、改正法が施行された5月21日に3度目の申し立てをしていた。

 議決書で審査会は、元副署長の過失について、事故のあった歩道橋は駅と花火大会会場をつなぐ唯一の通路のため、雑踏事故の危険性は予測し得たと指摘。さらに、「警備計画策定に深くかかわりながら、不十分な計画内容を把握せず、過失は優に認められる」とした。

 事故は13年7月21日の発生で、業務上過失致死傷罪の時効は5年だが、刑事訴訟法では「共犯の公判中には時効が停止される」との規定がある。審査会は、元地域官が公判中で、元副署長と元地域官は「立場は違うが『共犯』と考えて不自然とはいえない」として、時効には当たらないと判断した。

          ◇

 ■改正検察審査会法 裁判員法とともに今年5月21日に施行された。検察審査会は市民から選ばれた11人の審査員が検察の不起訴処分の当否を審査するが、従来は議決に法的拘束力がなかった。改正により、「起訴相当」の議決後、検察官が再び不起訴とするか3カ月たっても刑事処分しなかった場合には再審査を行い、再度「起訴相当」が議決されると、裁判所が指定した弁護士が“検察官役”になり、自動的に起訴される。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090730-00000623-san-l28

2009年7月30日木曜日

車高低い改造車の踏切事故、道路改善点協議へ

 久留米市と西鉄、久留米署は、車高を低くした改造車と電車が踏切で衝突する事故が相次いだことを重視して、道路にも改善点がないか、協議をはじめた。

 車高を低くした改造車は、踏切が道路よりも高いため、車体の底をこすってしまい、立ち往生することがある。事故の現場はゆるやかなカーブになっているため、外側のレールが内側よりもやや高いために、車体の底をこすってしまうのだ。

 このような踏切で、車体の底をこすってしまうのは、特別に改造した車高の低い車だけではないと思われる。
 先日、千葉で小学生が亡くなる踏切事故があり、現場の踏切を見に行ったが、その際に立ち寄った平川踏切は、右に緩やかに曲がるカーブのところにあり、右側からくる列車が見えないところだった。警報器や遮断機があっても、列車が見えずこわいところだった。
 

 タクシーの運転手さんが、ここは複線なので、外側のレールが少し高いだけではなく、2本の線路を跨ぐ時、凹凸があり、車体の底をこすってしまい、以前になかなか渡れず危うく、立ち往生するところだったと語っていたのを思い出した。
 夜、お客さんに、踏切を渡って向こうの平川町に言ってほしいとたのまれたそうだが、難儀をしたと言っていた。

 このような凹凸のある踏切は高齢の方や、子供がつまづくことも多いと思う。
 つまづいてころんだりしているうちに、列車が来て事故に遭うことも考えられる。西鉄だけではなく、各鉄道事業者が踏切を点検して、踏切道の改善に取り組んでもらいたいものである。

《参考記事》

車高低い改造車の踏切事故相次ぐ、道路改善点協議へ

(2009年7月27日 読売新聞)
http://kyushu.yomiuri.co.jp/local/fukuoka/20090727-OYS1T00292.htm

2009年7月29日水曜日

JR西不起訴説明会、脱線事故遺族が不服申し立てへ

 7月26日、神戸地検は、JR西福知山線脱線事故の遺族や被害者に、JR西日本の山崎正夫社長を在宅起訴した捜査について説明会を開いた。
 
 神戸地検は、歴代社長を不起訴とした理由として、「自動列車停止装置(ATS)の整備など安全対策の権限は、現場カーブ付け替え時に鉄道本部長だった山崎社長だけにあり、井手氏らはATS設置を指示できる立場になかった」などと言っているという。

 神戸地検は山崎社長だけを起訴して、お茶を濁そうとしているようにしか思えない。23日には、JR西日本は、歴代社長ら事故当時の経営陣を含む29名の減給などの処分を発表した。
 
 これなども、検察の不起訴処分を受けて、遺族や世論の批判をかわそうとしているように思える。
 山崎社長は、事故についての会社の組織的責任をあらためて明確にするためとしているが、もっと早く認めて、歴代の社長など責任ある立場の人間を処分をすることもできたはずだ。(事故直後に、当時の垣内社長らを減給処分としている) 

 脱線事故の遺族や被害者の方々は、歴代社長3人の不起訴処分を不服として、神戸検察審査会に審査を申し立てるという。検察審査会で、今回の検察の不起訴処分について十分審議され、納得のいく議決がなされることを期待しようと思う。


《参考記事》
JR西歴代社長の不起訴、脱線事故遺族が不服申し立てへ  2009年7月26日23時24分
http://www.asahi.com/national/update/0726/OSK200907260084.html

2009年7月27日月曜日

開かずの踏切の事故から3年~北池袋


 2006年7月21日、夏休みに入ってまもなく、近くの図書館に行こうと踏切が開くのを待っていた親子が、踏切がなかなか開かないので、遮断機をくぐって入った男性に続いて踏切内に入ったらしい。普通列車に撥ねられてお母さんが亡くなり、子供さんも重傷を負うという痛ましい事故が起きた。
 
 当時、事故は大きく報道されたが、今までにどんな安全対策が取られたのだろうか。

 この踏切は、警報機と遮断機がある第1種踏切である。ここを東武東上線と埼京線の線路4本が並んで通っており、事故当時埼京線のダイヤが乱れていて、70~80分間遮断機が上がらない状態が続いていたという。 
 この親子が踏切でどのくらいの時間待っていたのかわからない。しかし、どのくらい待てば開くのかわからないで長時間警報音を聞いて待たされていると、ストレスがたまると思う。
 
 その上、当時は雨も降っていたという。かさをさしていたので、踏切からは列車が来るのが見えにくかったのではないかとも言われている。
 
 地図を見ると、池袋から北池袋にかけて、線路はまっすぐで見通しがよいように思われる。しかし、親子が待っていた踏切の入口に立つと、池袋方面には家が建っているので列車が直前まで見えない。
 列車が1本通過したので、親子は遮断機を上げて前の男性に続いて渡ろうとしたところ、別の列車が来ていたようだ。

 ここは1時間に40分以上閉まっている「開かずの踏切」で、踏切がいったん閉まると、東武東上線の列車、埼京線の列車が交互に行きかい、昼間の時間帯でも5分くらいは開かない。開いたと思うとすぐに、警報機が鳴り、あわてて渡らねばならず、こわかった。
 
 また、ここは、2001年(平成13年)にも、踏切がなかなか開かないので待ち切れずに渡った男性が、埼京線の列車にはねられて亡くなる事故が起きているという。

 地図で見ると踏切の幅は約2m、長さ30mはあるのだろうか。東上線の北池袋駅はホームが地上で島形になっているので、上下線の線路の間にホームがある。そのホームの端に踏切があり、踏切に立っている私のすぐそばを駅を通過する急行列車や準急列車が通り過ぎていく。
 
 踏切は、車両通行禁止で、ポールが立っており、自転車や歩行者しか通れない。私が立っていたのは昼間の暑い日ざしが照りつける時間だったが、自転車に乗った親子連れや高齢者の方がよく通る踏切だった。 
 北池袋駅周辺は静かな住宅地であり、付近には小中学校が3校、大学や高校、公園や集会所などもあるから、ここを通る住民や小中学生は多いようである。

 この踏切から、駅の改札口側にある踏切下を通る地下道まで、迂回すると300m近くある。そちらを回って親子が行こうとしていた図書館に行くと、500m位は余分に歩くと思う。
 
 事故の後、踏切には、警報機が鳴ったら渡らないという注意喚起および迂回路を知らせる看板が立てられた。また、事故直後1週間朝夕、警察やJR職員らが踏切に立って啓もう活動を行ったそうだ。事故後とられた対策は、その程度なのである。

 しかし、踏切入口に踏切危険と書いたり、看板を立てるだけでは、安全対策は十分といえない。
 行政は、踏切の向こう側に図書館や公園をつくるなら、子供たちが渡る道路や踏切を整備(歩道橋や地下道などをつくるとか)して、安全に通えるようにしてほしいものだと思う。
 
 鉄道事業者は列車の急行などを増やすだけでなく、住民や利用者のために、踏切や駅の設備も改善するべきではないかと思う。

2009年7月24日金曜日

大雪山の遭難事故

 山で雨に遇うことくらい嫌なことはない。その上に、16日は台風並みの強い風が吹いていたという。悪天候の中、歩き続けた登山者のカッパやぬれた衣服に冷たい風がふきつけ、さぞ、寒かったにちがいない。
 私は、低山にハイキングに行く程度で、高い山にはなかなか行けないけれど、今回の遭難事故のニュースを聞くと、他人事と思えない。

 ツァーに参加した人たちは、みな登山歴の長い人ばかりだという。そんな登山者やガイドたちがなぜ、遭難したのか。
 この山域では、7年前にも、遭難事故があった。やはり、台風が近づいているところを出発し、遭難に遭っている。旅行会社は、そういう過去の事故情報を把握していなかったのだろうか。

 もうかなり前になるが、わたしも、この大雪山系のガイドブックを見たことがある。当時、豊かな自然が残る山々へは、アプローチが長く、避難小屋もまばらで、自分でテントや寝袋を持っていかねばならない。また、天候が変わったりして、山を急に降りなくてはならないとき、下山して避難できる場所が見あたらない。山小屋泊まりばかりの登山をしていた私には、ここを登るのは無理だと思って、とてもかなわないとあきらめたことがある。
 
 それが、今は登山ツァーが企画されているので、ガイドについていけば、簡単に行けそうな感じがする。長年あこがれていた山域に登れる企画があれば、登山者が参加したくなるのも無理はないと思う。
 
 しかし、ツァーを企画した旅行会社が、天候急変などの緊急の場合の対応についてどう対応するのか、マニュアルが作成されていたのか、それらがガイドに徹底されていたのか、定かではない。
 報道から、見聞きするところによれば、3日目の朝、天候が回復すると判断したガイドが出発を決めたようだが、出発を見合わせることもできたのではないかと思う。天候の回復を待って、下山するなり、引き返すなりしてもよかったのではないかといわれる。
 
 もし、それができない余裕のない日程ならば、そのような日程を組んだ旅行会社に今回の事故の責任があるのではないかと思う。
 山に登るときは、いろいろな場合を考えて行程を考える。緊急に下山する時のルートや、避難する場所もあらかじめ地図などで確認しておく。そういうことは、ツァーを企画した旅行会社の責任で、検討されていなくてはならないと思う。
 
 現場のガイドの判断とか、参加した登山者の「甘さ」だけを指摘して批判しても、遭難はなくならない。旅行会社の企画の立て方や、緊急時の対応の仕方などに問題があるのである。健康ブームや中高年の登山ブームにのった会社の経営が問われると思うのは、私の考え過ぎだろうか。

《参考記事》 
「経験豊富だったのに…」大雪山系遭難
(2009年7月18日08時46分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090718-OYT1T00176.htm

2009年7月22日水曜日

明石歩道橋事故から、8年

 7月21日、花火大会を見物にきた市民11人が亡くなった明石歩道橋事故から、8年がたった。下村さんら遺族は、事故当時の明石署副署長らを不起訴とした神戸地検の処分を不服として、検察審査会に審査の申し立てをしている。
 
 事故当時、明石署署長らは、会場周辺の警備を怠り、朝霧駅から明石歩道橋の周辺には、駅に向かう人と逆に歩道橋を下りて夜店の方に降りようとする人とで身動きもとれない状況になっていたにもかかわらず、見物客をう回路へ誘導するなどの対策をとらなかった。
 そのため、歩道橋上には人が集中し、群衆雪崩が起き、幼い子を含む11人が亡くなったのである。

 歩道橋は、会場へ降りる階段が橋上の幅が6mであるのに対して、階段は3mと狭くなっているボトルネック構造である。その上、踊り場から右側にしか階段がないので、踊り場で花火を見物する人が滞留するとますます、動きが悪くなる。
 当日、花火会場への参集者は、約15万人から20万人と予想されていたのだから、駅から会場へ行くのに、歩道橋に人が集中しないようにすべきなのは、だれでもわかることである。特別、用意周到な計画ではなくとも、う回路を整備し誘導するなどすれば、事故は防げたのではないかと云われている。

 神戸地検は、この警備の責任者だった明石署副署長らを不起訴としている。検察審査会は、遺族の2回の申し立てに対して、2回とも「起訴相当」という判断を出しているのもかかわらず、検察は再捜査の結果、不起訴にしている。つまり、都合3回不起訴にしているのである。

 今年、5月の法改正によって、検察審査会で2回「起訴相当」の判断がなされれば、検察が起訴しなくても、裁判所が指定した弁護士によって起訴され、検察から資料等を引き継ぎ、裁判が開かれることになった。
 
 司法改革によって、検察審査会の議決が拘束力を持つようになった。今後、裁判にも、市民の良識が反映されることを期待したい。
 
《参考記事》
明石歩道橋事故から8年 遺族が市職員らに訴え  2009年7月22日
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200907220019.html

2009年7月20日月曜日

外務省 外交機密文書、破棄を指示  

 2001年の情報公開法の施行前に、外務省は、外交機密文書を廃棄して、トイレットペーパーにしていたことが、朝日新聞の取材でわかった。

 日本は世界で唯一の被爆国として、非核三原則(核を持たない、作らない、持ち込ませない)をかかげている。しかし、1972年沖縄返還の際には、その原則を反故にして、核兵器を搭載した米軍の艦船が日本に寄港することを認める「密約」が、日米間で交わされていたことが、アメリカで発見された資料などからわかった。
 この外交資料は、アメリカではすでに公開されているが、日本では公開されていなかった。また、日本政府は「密約」そのものの存在を認めない立場から、文書そのものも存在しないとしてきた。しかし、今回、元外務省高官の証言から、「密約」を示す外交資料の存在が明らかとなり、文書を破棄していたことがわかった。

 外交資料などは私には縁遠いけれど、貴重な歴史的資料でもある外交文書を、国民にないしょで、外務省の役人が勝手に破棄してよいものだろうか。アメリカのように、国民の財産でもある公文書を丁寧に保管し、国民に公開すべきである。
 
 話が飛ぶけれど、日航123便ジャンボ機事故など、重大事故の捜査資料も保管が丁寧ではないと危惧されている。事故の捜査資料や調査資料は、同じような事故を二度と起こさないための調査研究にとって重要な意味をもつと思う。設備の整った施設で丁寧に整理して保管してほしいものだ。そして、事故の再発防止を考える研究者や事故の原因究明をもとめる遺族に公開されるべきである。

《参考記事》
機密文書、溶かして固めてトイレットペーパーに 外務省 2009年7月11日20時58分

 60年の日米安保条約改定にともなう「核密約」関連文書の破棄を幹部が指示していた――。国民への説明責任をないがしろにする姿勢が朝日新聞の取材で明らかになった外務省。その廃棄文書の量は省庁の中で突出している。しかも、01年の情報公開法の施行前に急増し、その後は減るという「駆け込み」だ。情報公開を求める団体は「法の施行を前に、入念に準備して捨てた疑い」を指摘する。

 中央省庁が機密文書を処理する主な方法は、(1)書類ごとにシュレッダーにかける(2)書類を詰めた段ボールごと大型機械で破砕する(3)書類を水に溶かして固まりにする――の三つだ。

 例えば法務省は、まず、地下にある大型シュレッダーで書類を刻む。それを回収業者が工場に運んで水に溶かしている。(1)と(3)の合わせ技だ。他に、(1)を徹底して粉状になるまでシュレッダーにかけている省もある。

 外務省は(3)だ。関係者によると、地下にある大型機械で、機密文書を水に溶かし、紙粘土の粒のような固まりに加工する。処理能力は1日約2トンという。

 書類と水を半分ずつの割合で混ぜ合わせる→パルプ繊維がほどけて書類の形が崩れる→文字が見えなくなったところで、パチンコ玉ほどの大きさに丸める→回収業者に引き渡すという手順だ。これを引き取った業者はトイレットペーパーなどに加工。その一部は再び省内で使われているという。

 こうした中央省庁による文書廃棄の実態を知ろうと、NPO法人「情報公開クリアリングハウス」が情報公開法を使って、各省庁の00年度の廃棄量を分析したところ、最も多くの文書を捨てていたのが外務省だった。約1280トン。2番目の財務省(約620トン)と比べてもケタ違いに多かった。00年度は、同法の施行直前にあたる。

 さらに外務省の年度ごとの廃棄量をみると、97年度は約200トンと他省庁並みだったのに、法案が成立した99年度から急増。00年度にピークに達するが、01年度以降は再び減少傾向になる。

 クリアリングハウスの三木由希子理事は「法の施行を前提に『公開を迫られるくらいなら捨ててしまえ』と入念に準備した可能性がある」と指摘する。

 60年の「核密約」関連文書問題と同様に、72年の沖縄返還に伴って日米間で交わされたとされる「密約文書」をめぐる情報公開訴訟を手がける小町谷育子弁護士は「国民への説明責任も果たさずに、重要な文書を捨てるという行為は許し難い。政策の検証もできないまま、真相はやぶの中だ。国民が怒りの声をあげないと、同じことが何度でも繰り返される」と話す。

 外務省は、再三の取材申し入れに対し、「担当者から連絡させる」としたまま、10日夜までに回答しなかった。(谷津憲郎)

■歴史に対する冒涜

 石井修・一橋大名誉教授(外交史)の話 米国では、政府高官の電話での会話すらテープにとったうえで公文書におこして残す。内容を非公開とする場合でも、文書そのものが存在することは明示される。「公文書は国民のものである」という真摯(しんし)な態度があるからだ。それに引き換え、今回のように、公文書を捨ててしまえと指示するなどというのは、歴史に対する冒涜(ぼうとく)であり、納税者に対する犯罪である。怒りがこみ上げてくる。

http://www.asahi.com/politics/update/0711/TKY200907100424.html

2009年7月17日金曜日

エレベーター事故、担当者らを在宅起訴

 7月16日、事故から3年余りたって、ようやく、メーカー、保守点検会社双方の担当者らが起訴された。
 法廷では、被害者遺族が意見陳述を述べることもできるから、亡くなった大輔くんのご両親の市川さんが、ご自分の思いを述べることができる。しかし、メーカーや点検会社は検察と争うという。その裁判ですべて事故の原因が明らかになるかといえば、難しい。担当者が起訴されたことを市川さんは、原因究明のスタートラインに立ったと言っている。

 市川さんは、事故から3年間、
「事故原因の究明はまだなされておらず、独立、中立的な調査機関で徹底的に行って原因を明らかにすることが、二度と同じような事故を起こさないことにつながると信じています」と、訴えてこられた。
メーカーからも、保守点検会社からも、事故の原因について何ら説明がなされないばかりか、謝罪さえもなされず、お子さんの命を奪った事故がなぜ起きたのか息子さんに説明してやれなかった、と話していた市川さん。
 
 遺族は、悲しみの中で必死に原因究明や再発防止を訴えている。事故原因究明に向けて、メーカーや関係機関は、すばやい対応でのぞんでほしい。

《ニュース記事》
エレベーター事故で5人起訴
http://www3.nhk.or.jp/news/t10014314261000.html

2009年7月15日水曜日

踏切事故の現場をたずねて~千葉の踏切


7月7日(火)、千葉市越智町の踏切で、下校途中の小学1年生が快速電車に撥ねられて亡くなったことは、先週、ブログに書かせていただいた。警報機も遮断機もある踏切で、踏切は幅約2m、長さ約10m、警報機が鳴り、遮断機が下りているところを、遮断機をくぐって入った小学生が列車にはねられ、死亡した。

 小学生がなぜ列車が来るのに、渡ってしまったのか気になっていた。小学生が事故に遭った列車と同じ逗子発上総一宮行き快速に乗って、土気で下車した。踏切は誉田と土気の間にある。横浜から横須賀線快速で1時間半ほどのところである。

 小学校が午後3時すぎに下校時間となり、小学校から約1㎞の踏切まで、1年生では歩くと30分近くかかると思う。1年生は4月に入学して夏休み前ともなると、通学路にも慣れてきたころだと思う。踏切が危険だと言われていても、列車が見えなければ、遮断機が上がるのを待ち切れずに、渡ってしまったのかもしれない。

 小学生が、来た方から踏切入口の停止線に立つと、列車の来た方向には、夏なので雑草が高く伸びている。
大人の私なら、列車が来たのが見えるが、背の低い小学生だと見えないかもしれない。列車の来たのが写っている写真は、大人の目の高さで撮影したもの。列車が写っていないのは、こどもの目の高さくらいから撮影したもので、1年生には、列車が見えないかもしれないと思った。

 また、ここは線路はまっすぐで、踏切の中に立つと見通しがよい。見て確認しなかったが、ロングレールなのだろうか。列車の近づく音が静かで早い、もし、警報音が鳴っていなかったら、列車が来るのがわからなかったかもしれない。列車が見えたと思うと、すぐ近くまで来ていて、あっという間に踏切の前を通り過ぎていく。

 その上に、今日は、晴れて暑い日だったから、夕方は列車の来る方向は西日で逆光になり、まぶしくて列車が見えにくい。私が現場に行ったのは、小学生が事故に遭った時刻よりも30分ほど遅い時刻だったが、まだまだ太陽がギラギラしていた。7日も千葉は暑い日で、晴れていたようだから、今日のように西日でまぶしかったかもしれない。

 この踏切から、300mほど東に行くと、線路の上を大網街道が横切り、歩道橋も線路の上に架けられている。こちらを渡る方が、安全だろうが、小学生のお子さんには遠まわりな気がする。
 
 この踏切を渡って通う小学生や中学生がどのくらいの人数なのかわからないが、小中学校の学区域も交通量の多い大網街道や踏切をなるべく渡らないですむように、区切ることができないのだろうかと思う。
 学区域を変更できないのであれば、車の交通量の多い横断歩道や踏切などに安全指導員や警備員などが立って、児童の安全を確保することを考えてもよいのではないだろうか。

2009年7月13日月曜日

2009安全工学シンポジウムの報告

 7月9,10日、都内で安全工学シンポジウム2009が開かれた。今年で39回目となるこのシンポジウムは、さまざまな分野の学者・研究者、技術者が集まって、事故を防ぎ、安全な仕組みを作るには、どうしたらよいか討論する場である。ことしも40近い学会・研究会が参加して開かれた。

 私などは、昨年初めて、参加させていただいた。正直言うと聞いたことのない、学会名だけではどんな研究をしているのか、想像がつかない学会もあった。
 学問の分化が進み、研究者は自分の研究に専念すると、他にどんな研究が進んでいるのかわからなくなることもあるだろうと思う。
 このシンポジウムに参加する学者・研究者のみなさんは、自分の研究が他の研究とどんなつながりがあるのか、社会の中でどんな意味があるのか、様々な分野の研究者が、意見や情報を交換し合うことが大切だと思って、毎年シンポジウムを開いていらっしゃる。

 私たちのセッションでは、それぞれの専門家が、各自の分野で今何が問題なのか、課題と提言をまとめて下さった。各分野の今もっとも核心とされるテーマだけに、分野が異なるとわかりにくいこともあると思うが、各専門家のみなさんの熱意が伝わってくるセッションだったと思う。

 さまざまな分野・事業に携わる研究者・技術者のみなさんが、事故調査をし、事故を防ぐための対策を検討し、提案・実現していくこと、そういう地道な仕事の積み重ねが、悲惨な事故をなくしていくのだろうと思う。

《シンポジウムのプログラムから》
安全工学シンポジウム2009 
OS-B テーマ「事故防止のあり方を考える~事故調査の充実をもとめて~」

№ 講演テーマ
1 事故防止のあり方を考える~事故調査の充実をもとめて~
     加山宏 竹ノ塚踏切事故遺族
2 事故調査記録の訴訟手続における開示の在り方-イギリスの法制度との比較-
     米倉勉 弁護士
3 再発防止を考える      本江彰 日本ヒューマンファクター研究所
4 製品安全と事故防止      高杉和徳    製品安全コンサルタント
5 死因究明制度と事故防止 一杉正仁 獨協医科大学法医学教室准教授
6  踏切事故の実態と事故調査 加山圭子 竹ノ塚踏切事故遺族


 

2009年7月12日日曜日

神戸地検、JR西日本社長を在宅起訴

 7月8日、乗客106人が犠牲となった福知山線脱線事故で、神戸地検は、JR西日本の山崎正夫社長(66)1人を在宅起訴した。山崎社長は、同日、社長を辞任した。

 事故当時鉄道本部長だった山崎社長一人を起訴して、他の歴代社長などを起訴しないのは、トカゲのしっぽ切りではないかという印象をうける。安全対策は会社全体で取り組むものだろうから、誰かひとりを処罰すればすむことではないと思う。

 また、裁判でどれだけのことが明らかにされるだろうかと、心配でもある。神戸地検が捜査した資料をどれだけ駆使して公判を行うだろうか。
 
 裁判で、被害者や遺族が意見を述べたり、被告に質問できるようになったけれど、山崎氏は法廷で争うとしている。今まで、被害者・遺族とJR西の安全について対話を続けてきたとされる山崎氏が、起訴されたことで、遺族との対話が閉ざされることにならないかと危惧する。

 4.25ネットワークの皆さんは4月、JR西に、被害者・遺族や、企業、学識経験者がともに福知山線脱線事故を調査・検証する「事故検証委員会」を提案した。

 山崎氏一人の刑事責任を追及する刑事裁判ではなく、事故の再発防止を目的とした事故調査をすることが大切ではないかと思える。
 
《以下は参考記事》
遺族「解明へ捜査資料閲覧」
(2009年07月12日 読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/tokusyu/dassen/jd90712a.htm?from=tokusyu

2009年7月10日金曜日

すべての踏切事故の調査を

 7月9日、都内の機械振興会館で、安全工学シンポジウムがあった。
このシンポジウムは、40近い学協会の共催で開かれる学者、研究者のシンポジウムだ。
毎年、テーマを決めて開かれるが、これだけの数の学会が、いっしょに討論するというのはすごいと思う。
 
 中には、失礼な言い方になるが、学者とは思えないくらい熱く語る方もいる。そんな方々が、行政の設置する審議会や委員会などにいれば、何年かかけて、事故の再発防止策をいろいろと検討してくださることもあるだろう。
 
 安全にかかわる仕事や研究をされる方、実際にいろいろな機関で事故調査にあたる方々に、専門家ではない私が、疑問に思ったことを話すのは、正直言って迷った。でも、誰も踏切事故のことをきちんと調べないのだから、話さねばならないと、腹をくくった。

 はじめ、事故の現場を訪れることに、ためらわれることもあった。ご遺族の中には、じっさいに、お子さんや妻が亡くなった現場の踏切に行けない方もいる。私自身が現場に立つのが、つらくなることもある。
 
 そんな気持ちを奮い立たせてくれるのは、亡くなった方がたの無念さが、現場に立つと伝わってくる気がするからだ。現場に行っても、ご冥福を祈ることができない。まだまだご遺族は、そんな気持ちになれない、まだお子さんや妻が亡くなったと思えないのではないか、だから、わたしも、「安らかに眠ってください」とは思えないのだ。

 踏切事故そのものが、国交省の統計では「踏切障害事故」とよばれる。踏切をわたる命ある通行者も、鉄道事業者にとっては、通過する列車の障害物でしかないような呼び方に、憤りを感じる。

 踏切をわたる通行者の不注意だけを責めないで、事故の原因をいろいろな角度から、調査して再発防止に役立ててほしい。それが、亡くなった方々へのせめてもの供養ではないかと思える。

《記事》
すべての事故、調査を 東武線踏切事故遺族が講演2009年7月9日 13時09分
 2005年に東武伊勢崎線竹ノ塚駅(東京都)の踏切事故で母親=当時(75)=を亡くした加山圭子さん(54)が9日、都内で開かれた「安全工学シンポジウム」で、鉄道事故防止に向けた取り組みについて講演し「関係機関や事業者がすべての事故を調査し、安全対策を検討することが必要」と訴えた。

 8日にJR西日本の山崎正夫社長が業務上過失致死傷罪で在宅起訴された尼崎JR脱線事故については「JR西の組織の問題が明らかになってほしい」と話した。

 踏切事故根絶を目指す加山さんは、06年に広島県東広島市で起きたJR山陽線踏切事故や、長野県内の踏切で07年(08年:筆者が訂正)の4カ月間にJR東日本の特急「スーパーあずさ」に3人が相次いではねられた事故現場を視察。いずれも現場近くに学校や住宅があったという。

 事業者や警察などは事故後、注意喚起の看板を置いたり、安全キャンペーンを展開したりするが「人間に厳しく注意を促すだけで事故はなくならないことは、ヒューマンエラーの研究から明らか」と述べた。

(共同)
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2009070901000541.html

2009年7月8日水曜日

小学生が、踏切で死亡

 踏切で、下校途中の小学生1年生が亡くなった。
小学生が、警報機のなっている踏切の遮断機をくぐって入り、列車にはねられた。
この記事では、小学生がなぜ入ったのかわからないが、なかなか開かないので待ち切れなかったのだろうか?
通学路に踏切があるのは、とても危険なことだと思う。歩道橋などを設置する等、検討されていなかったのだろうか?

 踏切は、道路の交差点のように、列車と通行者が交差する危険なところである。
人が通るところと列車が通るところとが交差しないようにすることが、事故をなくす基本的な対策だと思う。
 鉄道事業者や行政は、いつまでも、通行者の好意に甘えていないで、抜本的な対策をとるべきである。

《参考記事》
小1男児電車にはねられ死亡 千葉・JR外房線 2009年07月07日21時22分 / 毎日新聞
 http://news.livedoor.com/article/detail/4239254/

2009年7月3日金曜日

踏切事故の現場をたずねて

 昨年秋から、踏切事故の現場をたずねて歩いた。
新聞記事やテレビニュースでは、踏切事故がどんなところで起きているのかわからない、まして、事故の原因は、「通行者が一旦停止しないで入った」という一言でかたづけられている。
 しかし、なぜ、事故が起きたのか、なぜ踏切に通行者が入ってしまったのかがわからなくては、同じような事故を防げないのではないだろうか。

 踏切事故のニュースを聞くたびに、胸がしめつけられる。悲惨な踏切事故を、どうしたらなくせるのか。素朴な疑問に答えてくれるところはないのだろうか。

《参考記事》

「踏切事故遺族も連携を、国などに安全対策促す」(2009年7月1日 共同通信)

4人が死傷した東京都足立区の東武伊勢崎線竹ノ塚駅踏切事故(2005年)で、母親=当時(75)=を亡くした加山圭子さん(54)が、踏切事故遺族同士の連携で国や鉄道会社の安全対策が進むきっかけをつくろうと、各地の遺族を訪ね、事故現場を調べる活動を始めた。航空や鉄道の大事故では被害者や遺族が交流組織をつくっているが、踏切事故の遺族が手を取り合うのは国内では初めて。 
加山さんは「『踏切に入ったほうが悪い』と簡単に片付けず、背景を含めたさまざまな面から原因を調べ、再発防止策や安全策を講じてほしい」と話している。9日には東京都内で開かれる「安全工学シンポジウム」で意見表明する。 
踏切事故のニュースが後を絶たないことに胸を痛め、昨年秋に「まず現場に行ってみよう」と思い立った。 
06年12月に高校生が死亡した広島県東広島市のJR山陽線踏切や、昨年5月に中学生が死亡した長野県諏訪市のJR中央線踏切など4カ所を訪問。いずれも事故当時は遮断機がなく、一部は警報機もなかった。 加山さんの分析では、4踏切には(1)周辺に住宅があり利用者が多いのに遮断機がない(2)見通しの悪さから列車の接近音がすぐ近くに来るまで分からない―などの共通点があった。少なくとも遮断機を早急に設置しなければ、事故再発の恐れがあるとみる。 
国土交通省によると、遮断機がない踏切は年々減っているが、07年度時点でまだ全国約4500カ所にあり、同年は24人が死亡した。 加山さんの母親が事故に遭った竹ノ塚駅踏切は交通量が多い「開かずの踏切」で知られ、係員が手動で操作していた。05年3月、次の電車接近を失念した係員が遮断機を短時間上げ、踏切に入った4人がはねられた。 
遮断機は東武の内規に反し現場判断で日常的に上げられていたが、係員が起訴された(禁固1年6月確定)だけで、当時の駅長やほかの社員は不起訴。遮断機は事故から半年後に自動化された。
* * * * * * *
“最後の姿”に誓う安全、次男失った長野の夫妻
長野県諏訪市の伊藤勇一さん(47)、富士子さん(46)夫妻は、踏切事故遺族の連携を呼び掛ける加山圭子さん(54)と昨年秋から交流している。次男の翼君=当時(12)=が自宅に近い遮断機のない踏切を自転車で横断中、JRの特急にはねられ死亡した事故から4カ月後、加山さんら事故被害者や遺族が運営していたブログを見て、富士子さんがメールを送ったのがきっかけだった。 
居間には、諏訪湖でボート練習に励む翼君の写真がある。昨年5月4日、伊藤さんがこっそりその写真を撮ったわずか数時間後、悲劇は起きた。「JRに安全対策をきちんとさせる」。夫妻は“最後の姿”に日々誓う。 翼君は、夜寝る前に何度も翌日の持ち物の確認をして、絶対に忘れ物をしない慎重な性格だった。なぜ特急が近づく踏切に入ったのか。その疑問が、ずっと夫妻の心に突き刺さっている。 
加山さんは昨年11月、伊藤さん夫妻と現場の踏切を詳しく調べた。線路脇の民家などに遮られ、近づいてくる列車は直前まで見えない。加山さんは「聞こえてくる音も小さく、遮断機がなければ気付かずに踏切に入ってしまう」と感じた。 
諏訪市内には、ほかに遮断機のない踏切が1カ所あり、夫妻は早期改良をJR東日本に求めている。「翼を亡くした今こそ、言わなきゃいけない。また誰かが死でからでは遅いんです」と富士子さんは話す。 苦しみや悩みを同じ遺族として受け止めてくれる加山さんとの交流は、心の支えになっている。これからも連絡を取り合い、声を上げ続けるつもりだという。

2009年6月29日月曜日

エレベーター事故から3年

 事故から、3年がたつのを前に、5月31日、港区で事故調査機関を求めるシンポジウムを、 遺族や亡くなった市川君の同級生や保護者が中心となって開いた。

 事故の原因は十分解明されないまま、また企業や行政から遺族への謝罪がないまま、3年が経った。
ご両親は、事故の原因究明をもとめ、また独立した事故調査機関をもとめて署名活動をしてきた。
 その数は46万人分におよぶ。事故の原因を知りたい、なぜ自分の大事な子供が悲惨な事故に遭ったのか、納得のいく説明をもとめるのは、当然のことである。そういうご両親の気持ちを、街頭を行く人々も 理解し共感して下さったということだと思う。

 企業や行政には、一刻も早く、ご両親の納得のいく事故原因の調査と説明を求めたい。

《参考記事》 
独立した調査機関を エレベーター事故から3年 シンポで設立求める 2009年6月1日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20090601/CK2009060102000052.html

2009年6月25日木曜日

竹ノ塚踏切、高架化で廃止へ

 竹ノ塚の高架化が決まり、10年後には踏切がなくなる。4年前、踏切保安係が誤って遮断機を上げ、踏切を渡っていた通行人らが準急列車に撥ねられ、4名が死傷した。その中に私の母もいた。

 23日、足立区は、竹ノ塚駅周辺の再開発と高架化についての住民説明会をひらき、今後の予定について説明した。
 高架化のスケジュールとしては、異例の早さだという。完成まで20年かかるといわれている高架化だが、竹ノ塚は事業主体が足立区になったこともあり、地元の長年の願いだった駅周辺再開発に周辺の商店街や自治会が協力的だ。着工は2011年の予定。

 それまで、私の父が元気でいてくれるだろうかと気になる。母たちが犠牲になった事故が起きたことで、踏切をまたぐ歩道橋ができたり、鉄道の高架化の計画が急速に進んだ。
 もっと早く何とかしてほしかったのに…やる気になれば、こんなに早くできるではないかと、つい恨みがましい言葉もいいたくなる。

《参考記事》
4人死傷事故の東武・竹ノ塚踏切、高架化で廃止へ   2009年6月23日22時49分
 4人が死傷する事故が05年3月に起きた東武伊勢崎線竹ノ塚駅踏切(東京都足立区)が高架化で廃止されることになった。都、区、東武鉄道が23日、地元住民向けの説明会で同駅の前後約1.5キロを高架化し、2カ所ある踏切を解消する計画案を示した。都が事業主体となる踏切解消事業は順番待ち状態となっているため、足立区が財政負担増を覚悟で事業主体となって早期着工することになった。早ければ11年度に着工するが、完成までには約10年かかるという。
 竹ノ塚駅の踏切はラッシュ時は1時間に約2分しか開かない「開かずの踏切」。05年の事故は、踏切保安係が内規に反して列車接近時のロックを解除して遮断機を上げたことが原因だった。この違反が常態化していたことも明らかになった。
http://www.asahi.com/national/update/0623/TKY200906230413.html

2009年6月22日月曜日

踏切事故の現場をたずねて~東行田桜町踏切

2008年10月9日撮影
:秩父鉄道桜町踏切(第4種)

 
 2008年9月27日朝、中学2年生が中学の部活に行く途中、踏切で急行列車に撥ねられて、亡くなった。第4種踏切で警報機も遮断機もない。写真のように踏切の標識とポールがたっているだけである。秩父鉄道では、2005年以降5件踏切事故が起きている。いずれも、第4種踏切である。

 
 ニュース写真で見たこの踏切は、私が知っている開かずの踏切とは異なり、とても貧弱に見えた。どうしてこのような踏切があるのかと思い、なぜ、事故が起きたのかと思い、現場に行ってみようと思った。
 
 10月9日、JR熊谷駅で秩父鉄道に乗り換えた。駅員さんに踏切の場所を尋ねて、事故のあった桜町踏切に行った。報道によると、近くには、中学校があり、通学路には遮断機のある踏切の方を使うよう言われていたそうだ。しかし、中学生や住民には、第1種の踏切の方より、こちらの方が近道で、車が通らないので安全と思われていたのかもしれない。

 
 中学生が来た方から、事故のあった踏切に近づくと、急行列車が来た方(写真左側)は、民家があって見通しが悪いと思った。また、踏切入口に立つと、列車が来た方はカーブしていており、左の方に第1種踏切があるのが見える。もちろん入口に立てば、100mくらい離れた第1種踏切の警報音が聞こえる。しかし、警報音がしていても、まだ列車が見えないと踏切を渡ってしまいかねない。

 秩父鉄道は、国交省の統計によれば、第3種(警報機はあるが遮断機のない踏切)や第4種踏切が残っている割合が、他の中小民鉄に比べ多く、約300ある踏切のうち、三分の一は第4種踏切である。駅員さんによれば、秩父鉄道は財政的に苦しく、踏切保安設備を整備できないのだという。
 
 駅に戻り、急に訪ねるのは悪いと思ったが、亡くなった中学生のお宅を訪ねてみようと思った。

 事前に連絡していなかったので、お留守ではないかと思ったが、お母さんが在宅していたので、上がらせてもらい、お焼香させていただく。お母さんがお子さんの話をしてくださった。いつもは慎重な子がなぜ、踏切を渡ったのかわからないと、お母さんは語る。

 その後、この踏切には、行っていないので、どのような対策がとられたかわからない。
通学に使われている踏切ならば、遮断機や警報機を設置する等、何らかの対策をとるべきではないかと思う。