2009年6月29日月曜日

エレベーター事故から3年

 事故から、3年がたつのを前に、5月31日、港区で事故調査機関を求めるシンポジウムを、 遺族や亡くなった市川君の同級生や保護者が中心となって開いた。

 事故の原因は十分解明されないまま、また企業や行政から遺族への謝罪がないまま、3年が経った。
ご両親は、事故の原因究明をもとめ、また独立した事故調査機関をもとめて署名活動をしてきた。
 その数は46万人分におよぶ。事故の原因を知りたい、なぜ自分の大事な子供が悲惨な事故に遭ったのか、納得のいく説明をもとめるのは、当然のことである。そういうご両親の気持ちを、街頭を行く人々も 理解し共感して下さったということだと思う。

 企業や行政には、一刻も早く、ご両親の納得のいく事故原因の調査と説明を求めたい。

《参考記事》 
独立した調査機関を エレベーター事故から3年 シンポで設立求める 2009年6月1日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20090601/CK2009060102000052.html

2009年6月25日木曜日

竹ノ塚踏切、高架化で廃止へ

 竹ノ塚の高架化が決まり、10年後には踏切がなくなる。4年前、踏切保安係が誤って遮断機を上げ、踏切を渡っていた通行人らが準急列車に撥ねられ、4名が死傷した。その中に私の母もいた。

 23日、足立区は、竹ノ塚駅周辺の再開発と高架化についての住民説明会をひらき、今後の予定について説明した。
 高架化のスケジュールとしては、異例の早さだという。完成まで20年かかるといわれている高架化だが、竹ノ塚は事業主体が足立区になったこともあり、地元の長年の願いだった駅周辺再開発に周辺の商店街や自治会が協力的だ。着工は2011年の予定。

 それまで、私の父が元気でいてくれるだろうかと気になる。母たちが犠牲になった事故が起きたことで、踏切をまたぐ歩道橋ができたり、鉄道の高架化の計画が急速に進んだ。
 もっと早く何とかしてほしかったのに…やる気になれば、こんなに早くできるではないかと、つい恨みがましい言葉もいいたくなる。

《参考記事》
4人死傷事故の東武・竹ノ塚踏切、高架化で廃止へ   2009年6月23日22時49分
 4人が死傷する事故が05年3月に起きた東武伊勢崎線竹ノ塚駅踏切(東京都足立区)が高架化で廃止されることになった。都、区、東武鉄道が23日、地元住民向けの説明会で同駅の前後約1.5キロを高架化し、2カ所ある踏切を解消する計画案を示した。都が事業主体となる踏切解消事業は順番待ち状態となっているため、足立区が財政負担増を覚悟で事業主体となって早期着工することになった。早ければ11年度に着工するが、完成までには約10年かかるという。
 竹ノ塚駅の踏切はラッシュ時は1時間に約2分しか開かない「開かずの踏切」。05年の事故は、踏切保安係が内規に反して列車接近時のロックを解除して遮断機を上げたことが原因だった。この違反が常態化していたことも明らかになった。
http://www.asahi.com/national/update/0623/TKY200906230413.html

2009年6月22日月曜日

踏切事故の現場をたずねて~東行田桜町踏切

2008年10月9日撮影
:秩父鉄道桜町踏切(第4種)

 
 2008年9月27日朝、中学2年生が中学の部活に行く途中、踏切で急行列車に撥ねられて、亡くなった。第4種踏切で警報機も遮断機もない。写真のように踏切の標識とポールがたっているだけである。秩父鉄道では、2005年以降5件踏切事故が起きている。いずれも、第4種踏切である。

 
 ニュース写真で見たこの踏切は、私が知っている開かずの踏切とは異なり、とても貧弱に見えた。どうしてこのような踏切があるのかと思い、なぜ、事故が起きたのかと思い、現場に行ってみようと思った。
 
 10月9日、JR熊谷駅で秩父鉄道に乗り換えた。駅員さんに踏切の場所を尋ねて、事故のあった桜町踏切に行った。報道によると、近くには、中学校があり、通学路には遮断機のある踏切の方を使うよう言われていたそうだ。しかし、中学生や住民には、第1種の踏切の方より、こちらの方が近道で、車が通らないので安全と思われていたのかもしれない。

 
 中学生が来た方から、事故のあった踏切に近づくと、急行列車が来た方(写真左側)は、民家があって見通しが悪いと思った。また、踏切入口に立つと、列車が来た方はカーブしていており、左の方に第1種踏切があるのが見える。もちろん入口に立てば、100mくらい離れた第1種踏切の警報音が聞こえる。しかし、警報音がしていても、まだ列車が見えないと踏切を渡ってしまいかねない。

 秩父鉄道は、国交省の統計によれば、第3種(警報機はあるが遮断機のない踏切)や第4種踏切が残っている割合が、他の中小民鉄に比べ多く、約300ある踏切のうち、三分の一は第4種踏切である。駅員さんによれば、秩父鉄道は財政的に苦しく、踏切保安設備を整備できないのだという。
 
 駅に戻り、急に訪ねるのは悪いと思ったが、亡くなった中学生のお宅を訪ねてみようと思った。

 事前に連絡していなかったので、お留守ではないかと思ったが、お母さんが在宅していたので、上がらせてもらい、お焼香させていただく。お母さんがお子さんの話をしてくださった。いつもは慎重な子がなぜ、踏切を渡ったのかわからないと、お母さんは語る。

 その後、この踏切には、行っていないので、どのような対策がとられたかわからない。
通学に使われている踏切ならば、遮断機や警報機を設置する等、何らかの対策をとるべきではないかと思う。