2009年9月27日日曜日

運輸安全委を公正・中立な調査を行える事故調査機関に

  05年の福知山線脱線事故の事故調査報告書案が、事前に元委員からJR西前社長に渡っていたという事実に、怒り心頭に発すだったのに、また、新たな事実がわかり、あきれてものが言えない。

 元委員は、何のために誰のために事故調査をしていたのだろうか?
自分がかつて仕事をしていた一企業の面子や利益のために事故調査をするのではなく、国民がまた同じような事故に遭わないために、事故の原因を探り、再発防止策を提言するために事故調査をしていたのではないのか。

 突然の事故によって、将来の夢を断たれた若者、老後を穏やかに過ごそうとしていた夫妻、家族との温かな会話を失った遺族、多くの方が、自分には何の非もないのに命や平穏な生活を奪われた。
 その事故がなぜ起きたのか、なぜ、自分たちは死ななくてはならなかったのか、その理由がわからなくては、その理由が説明されなければ、亡くなった方々は浮かばれないのではないか。

 若者は、これから社会や地域で役に立とうと学び、成長してきたにちがいない。
お年寄りは、長年にわたり、会社や地域で誠実に働き、会社や日本の発展のために貢献してきたに違いない。
 犠牲者の中には、会社で夜遅くまで残業をして仕事をこなしていた企業戦士もいただろう。
 偶々できた休みを友人と過ごそうと出かけたパートの女性もいたかもしれない。

 誠実に穏やかに、だれにも迷惑をかけないようにと生きてきたにちがいない人々の命と生活を、理不尽に奪った事故の調査は、事故の犠牲となった人々に、わかってもらえる納得してもらえると、胸をはって言える内容でなくてはならないのではないか。

 鉄道事故の調査にあたる専門家が、旧国鉄関係者ばかりでは、身内に甘くなるのではないかと疑われてもしかたない。事故調査を公正・中立に行うのは、国交省から独立すること、多くの専門家を養成することが必要だと思う。

 《参考記事》
「事故調部会長にも接触 JR西、会社ぐるみか」
2009/09/27 00:07 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200909/CN2009092601000824.html

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