2010年2月26日金曜日

22日、諏訪市中大和踏切に遮断機

 2月22日、諏訪市大和にあるJR中央東線中大和踏切に遮断機が設置され、運用を始めた。
 この踏切は、同市内に唯一残っていた第3種踏切で、それまで警報機しかなく、遮断機は設置されていなかった。(上の写真は中大和踏切、2008年11月23日撮影)

 また、中大和踏切は住宅街にあり、近くの小学生やお年寄りも渡る踏切で、住宅街から坂道を下ったところにある。自転車に乗って、右に曲がる坂を下りるとスピードが出てそのまま踏切に入り渡ってしまいかねない場所にある。諏訪市内、中央東線は単線だが特急スーパーあずさが走る。
(真ん中の写真、2008年11月23日撮影)
 
2008年5月、中学1年生が、警報機はあるが遮断機のない武津踏切で、特急あずさに撥ねられて亡くなった。ここは、諏訪市内に、二か所残っていた第3種踏切のうちのひとつ。中学生を亡くした両親や小中学校のPTAなどが、JR東日本に対して武津踏切に遮断機の設置を要望し、事故から半年後の11月、武津踏切に遮断機が設置された。

 その後、両親は、諏訪市内にもう一か所、遮断機のない踏切があり、1996年に小学4年生が列車に撥ねられて亡くなる事故が起きていたことを知り、ここにも、遮断機が必要だと感じた。
 
 亡くなった生徒の母親は、「子どもは警報機が鳴っていても遮断機がないと、列車が近づいていても踏切を渡ってしまい、事故に遭うことがある、だから警報機だけでなく遮断機も必要だ」と、JRや諏訪市、教育委員会などに訴えてきた。翼君と同じように子どもが犠牲になることのないようにと、中大和にも遮断機の設置を求めてきた。

 JR東日本長野支社管内には、踏切が610か所あり、今年度末で、第3種踏切(警報機はあるが遮断機はない踏切)は59か所、第4種踏切(警報機も遮断機もない踏切)は69か所になる予定だという。
 
 鉄道事業者の方々には、沿線の宅地化が進むといった周辺の環境の変化や、特急など速い列車が増加するといったダイヤの変更などに応じて、踏切の安全対策に取り組んでほしい。
 また、過去に事故が起きた踏切は優先的に対策を講じてほしい。第1種踏切にするか、踏切を廃止するかは、周辺自治体や住民の方々とも協議する必要があるだろう。しかし、事故が起きても、踏切に有効な安全装置をつけずに放置すれば、また事故が起きる可能性がある。
 
 子どもの踏切事故を防ぐためには、おとなが注意をうながしたり注意喚起の標識をたてるだけでは不十分で、事故を防ぐため実効性のある対策を早急に検討してほしいと思う。



左の写真は、遮断機が設置された中大和踏切。
(2010年3月31日撮影、諏訪市大和)

2010年2月24日水曜日

東武竹ノ塚駅で、電車ドアに杖挟まれ、男性がけが

 NHKのニュースによると、23日正午過ぎ、東京・足立区の東武伊勢崎線竹ノ塚駅で、60代の男性が下り電車のドアに杖を挟まれ、杖を抜こうとしたはずみで転び、腰の骨を折る大けがをしたそうだ。

 電車は杖をドアに挟んだまま、次の駅まで走行した。東武鉄道によると、戸袋に異物を関知するセンサーが作動せず、この電車の車掌は、杖が挟まれたことに気づかず、男性が下がったと思って発車させてしまったという。
 東武鉄道は、今後は、電車を発車させる時の安全確認を徹底したいといっているそうだ。

 東武鉄道は、「安全・安心への取り組み」(HP)の中で 
『「安全対策に終わりはない」ことを常に念頭に置き、決定された安全対策を実施するとともに、…これらにより安全性の高い鉄道会社を目指し変革していくことで、お客様への「安全・安心」を確実なものとする。』と書いている。
 また『安全報告書2009』の中でも、ドア挟み事故防止対策として発車時における駅係員や乗務員の安全確認を徹底させるとしている。

 竹ノ塚駅は乗降客が多く、1日8万人をこえる。ホームが混んでいると車掌からはドア付近が見えにくく、確認しづらいかもしれない。それならば、確認を確実にするために、駅員をホームに増やすなどしてほしい。

 列車発車時の確認は、もっとも、基本的な確認だと思う。まして男性がホームで転んでいるのは、列車最後尾に乗っている車掌も見えただろうと思う。もし倒れているのを見たら、男性の安全を確認することを優先させるべきではないだろうか。

《NHKニュース》
http://www.nhk.or.jp/shutoken/lnews/02.html

2010年2月17日水曜日

電源コード断線による事故を防ぐ

 9日、(独)製品評価技術基盤機構(NITE)は、電源コード断線による事故の防止について、記者説明会を行った。

 それによると、製品安全センターに通知された製品事故情報のうち、平成16年度~20年度に発生した電源コード断線によるやけど、出火などの事故は、重複などをのぞくと、185件、平成21年4~12月では36件、この3ヶ月間(10~12月)では12件発生しているという。

 これら製品の内訳は、「ヘアドライヤー(ヘアアイロンを含む)」61件、「電気こたつ」31件、「電気掃除機」25件、「電気あんか」23件、「電気毛布」16件、その他29件。

 電源コードは、火源や熱を発する部分でないために、見た目では危険がわかりにくい部分で、死亡事故が5件、1室以上が火災となった事故も23件発生しているという。
 
 電源コードは、ほとんどの電気製品にあるもの。電源コードを、繰り返し無理に曲げたり、ねじる、強い力で踏みつける、また挟み込んだり、束ねたり、引っ張る、巻き付けるなど使用方法によっては、断線がおき、大きな火災事故に至ることがあるという。
 テレビニュースでは、断線した電源コードが布団の上などにおかれていると、火花が布団をこがし、火災を起こした事例を映していた。NITEでは、使う側で対処すれば防げる事故も多いので、電源コードを正しく安全に使用してほしいと注意を呼びかけている。

(詳細は)
「電源コード断線による事故の防止について(注意喚起)」
http://www.nite.go.jp/jiko/press/prs100209.pdf

2010年2月10日水曜日

航空機座席、試験データ改ざん・ねつ造、

 8日、ボーイングなどの航空機の座席をつくる小糸工業が、座席の耐火性能や強度などの試験データを改竄・ねつ造していたことがわかり、国土交通省は、同社に業務改善を勧告した。
 
 航空業界では、万が一、航空機事故が起きても、なるべく乗客や乗務員の被害が少なくて済むよう、研究や対策がなされてきていると聞く。今回の不正は、そのような流れに逆行するものではないだろうか。

 昨年、国土交通省は、航空機の座席について安全基準を見直し、激しく着陸したりした際の衝撃で乗客がけがをするのを防せぐため、座席の安全基準をこれまでより厳しくしたという。小糸工業は、この見直し以前から、不正を続けていた疑いがあり、組織ぐるみだった可能性があるという。
  
《記事》
小糸工業が座席強度データ改ざん 千航空機の15万席
2010/02/08 20:28 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201002/CN2010020801000432.html

2010年2月6日土曜日

マクラーレン社製ベビーカー、並行輸入7社もカバー無償配布へ

 マクラーレン社製のベビーカーで、子どもが指を挟まれ、けがをする事故が起きていたが、国内の並行輸入業者も、安全対策として事故防止用の改修カバーを購入者に無償配布できることになった。並行輸入業者7社のうち、5社は、自前でつくったカバーを購入者に配布する。消費者庁のホームページには、業者の連絡先などが掲載されている。

《消費者庁HPより》
「マクラーレン社製ベビーカーの安全対策について」
英国マクラーレン社が製造し、輸入されたベビーカーで消費者の事故が発生したことを受け、経済産業省は各輸入事業者に事故の再発防止を図るため、安全対策を進めるよう指導しています(平成21年11月27日公表)。
各輸入事業者は、対象製品の「安全対策カバー」の配布等の安全対策を実施するとともに、ホームページへの掲載等により使用者に周知しています。
経済産業省及び消費者庁としては、当該製品をお持ちの方に対して、引き続き注意喚起を行うとともに、各輸入事業者の安全対策についてお知らせし、「安全対策カバー」の配布を受けるよう、改めて呼びかけるものです。
http://www.caa.go.jp/safety/pdf/100205kouhyou_2.pdf


《記事から》
「マクラーレン」ベビーカー、並行輸入7社も対策
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100205ATDG0505F05022010.html

2010年2月5日金曜日

原爆投下から63年、PTSD続く

 報道によると、広島市が2008年に行った住民アンケートから、原爆投下から63年たっても、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を抱える人が1~3%いることがわかり、専門家によれば、調査までに亡くなった被爆者の有病率はもっと高かったはずだという。

 調査対象は原爆投下前に生まれた市民約3万7千人で、有効回答者2万7千人のうち、記憶が明確と思われる当時7歳以上の人に、臨床心理士が追加面談した。09年3月までに486人分の回答を得たという。

《記事》
被爆63年後もPTSD 広島、体験者の1―3% '10/1/25
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201001250251.html

2010年2月4日木曜日

無届設置の昇降機、実態調査へ

 昨年、建築確認の審査を受けずに工場や住宅に違法に設置された昇降機で、死亡事故が5件起きているという。かごが停止していないのに、乗り場の扉があいて、2階から転落したり、昇降機の真下に人が立ち入れる状態だったため、人が下敷きになって死亡するといった事故が起きている。建築確認の審査を受けていれば、これらの事故は防げた可能性が高いという。
 このような事態を重くみた国土交通省は、1月27日、違法な昇降機について、情報の収集をすることを決めた。各都道府県にも、情報の受付窓口を設け、監視を強化する。

《国土交通省HPから》
違法に設置されているエレベーター対策について  平成22年1月27日
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/house05_hh_000141.html

 建築基準法で定めるエレベーターであるにもかかわらず、建築基準法の規定に基づく確認・検査を受けずに設置されたエレベーター(以下「違法設置エレベーター」という。)による死亡又は重大な人身事故が発生しております。
 国土交通省では、今般、都道府県に対して違法設置エレベーターに係る情報受付窓口の設置や情報を把握した場合に所要の措置を講じるよう要請するとともに、労働基準行政を所管する厚生労働省と相互に情報交換を行うことといたしましたので、お知らせします。
なお、国土交通省においても、以下の窓口において工場等の従業員等からの違法設置エレベーターに係る情報を受け付けております。

・国土交通ホットラインステーション
  「国土交通省トップページ」→「国土交通ホットラインステーション」→「建築基準」

・建築物事故・不具合情報受付窓口
  「国土交通省トップページ」→「住宅・建築」→「事故報告」             
   ※国土交通省トップページURL http://www.mlit.go.jp/