2010年9月30日木曜日

秩父鉄道東行田桜町踏切の事故から2年~第1種踏切へ

 2年前の9月27日、インターネットで、秩父鉄道の東行田にある桜町踏切でおきた事故のニュースを見た。ニュース映像に映る踏切を見て、これが踏切なのかと驚いた。狭くて、警報機も遮断機もない踏切で、周りは雑草が生い茂っているようだった。ニュースを報じたテレビ局に桜町踏切の場所を聞き、現場をたずねた。
(下の写真は、秩父鉄道東行田市桜町踏切。今月、第1種踏切に改善されることが決まり、今年度中に踏切保安設備が設置されることになった。写真は事故直後の2008年10月8日撮影したもの)

 踏切にたつと、こんなところで、なぜ、中学生が尊い命を落とさねばならないのかと、納得がいかず、やり切れない気持ちになった。
 その後も、踏切事故がおき、ニュース記事の意味がわからないと報道機関に問い合わせ、現場に行ってみた。

 出かけて行った事故の現場は自宅から日帰りで行けるところがほとんどで、すべての踏切事故の現場に行ったわけではない。
 それに、踏切に行き初めた時、踏切事故の原因を考えたり調べるということは考えてもみなかった。事故の原因や安全対策は、鉄道事業者や専門家の方々が考えて下さるものだと思っていた。事故で亡くなった方の冥福を祈りたいという気持ちが強かった。

 でも、現場に行ってみると、亡くなった方の冥福を祈ることができない、亡くなった方は、まだ安らかに眠ることができないのではないか、と思った。

 どうしても、どうぞ安らかに…と言えなかった。

 私の母がそうであると思うように、踏切で亡くなった方々は、まだ、もっと生きたかった、いろいろなことがしたかったと、思っているのではないかと、思えた。

 そして、何よりも、亡くなった方々が、「なぜ、こんなところで死ななくてはならなかったのか」と、突然の死の意味を問いかけてくるように思えた。

 その問いは、私自身のものでもある。

 なぜ、東武鉄道本社の担当者たちは、竹ノ塚駅の踏切保安係の仕事を知ろうとしなかったのか、
なぜ、事故のあったあの日、踏切の保安係たちは社内規定どおり組になって仕事をせず、遮断機の上げ下げを一人の保安係にまかせていたのか、
 なぜ、東広島市の堀川踏切(第4種踏切)では、3台の列車が止まらず高校生を撥ねたのか、なぜ1台目の列車は非常停止しなかったのか、
 高知の佐川町の白倉踏切(第1種)では、周囲の踏切にはあるのに、なぜ、ここだけ、非常停止ボタンがないのだろうかと思った。
 なぜ、秩父鉄道の桜町踏切(第4種)には、急行が走るのに警報機も遮断機もないのだろうかと、思った。
 なぜ……

(下の写真は、東武伊勢崎線竹ノ塚駅近くの踏切。事故後、踏切は自動化され、エレベーター付きの歩道橋が設置された。長さ33mもある踏切では、安全のため、警備員が通行者の誘導にあたっている。2009年8月撮影)

 いくつもの素朴な問いかけに、納得のいく答と、有効な安全対策をうち出してくれるところがないまま、危険な踏切がいろいろなところに放置されているのではないか。
 それは、竹ノ塚の踏切の問題と同じ構図ではないのか、このままでは、また同じような事故が起きるのではないか。
 その不安と恐怖は、幾度も現実のものとなって、やり切れない思いと胸苦しさに、何度もおそわれた。

 踏切事故が、渡る人の過失や不注意だけではなく、踏切そのものの危険性や安全対策の不備に目を向けられないまま、放置されれば、同じような事故がくりかえされる。

 極端な事を云ってしまえば、事故の原因が渡る人の過失や不注意だけにあるなら、不注意な人間が亡くなれば(つまり減れば)、事故も減るはずだ。
 しかし、むしろ、ここ数年踏切事故の死傷者数は横ばいだし、踏切事故は減るどころか、平成21年度は41件(13.4%)も増えた。そうなると、原因は、渡る人だけにあるのではなく、他にもっと根本的な原因があるのではないか。

 なぜ、昨年度は踏切事故件数や死傷者が増えたのか、国土交通省鉄道局の担当者に問うたが、担当者は調べていないそうだ。
 事故を一つ一つ丁寧に調べて、類型化し、対策を検討し、根本的な対策をとらなければ、事故や死傷者は減らないのではないだろうか。

 踏切事故の現場の様子や事故の状況を知り、できるだけ多くの方がたにお伝えすること。
それが、私が唯一、亡くなった方がたに対してできることではないかと、自分に問うてみる。

 桜町踏切の事故から2年、あらためて、私にできることを問いなおし、少しずつ積み重ねていこうと思った。

2010年9月28日火曜日

急な角度で交差する踏切~府中市東府中2号踏切の事故

 9月19日、京王線府中―東府中駅間の東府中2号踏切で、近くに住む女性(67歳)が、新宿行き準特急電車に撥ねられ亡くなるという痛ましい事故が起きた。
                               
 事故から1週間近くたった25日、現場の踏切に行った。踏切の入口に立った。道が斜めのせいか、距離感がわかりにくい感じがした。事故当時、女性が、どのように渡ったのか、慣れない踏切を歩いていてつまずいたのか、何かを落としてしまい立ち止まって拾っていたのか。なぜ、渡り切れず踏切内に取り残されたのか、報道からはわからない。
 しかし、踏切に立ってみて思ったのは、このような急角度で交差した踏切道と線路は危険ではないかということだ。(下の写真は東府中2号踏切)

踏切から府中方面を見る(下)。
踏切から100mから、カーブになっており、列車が直前まで見えない。


 報道によると現場の踏切では、2004年12月に84歳の女性が、08年1月にも72歳の男性が渡り切れずに、はねられて死亡するという事故が起きているという。

 事故後の2005年、京王電鉄は、対策として、遮断機を付け替えて、線路と平行に設置し、遮断機と遮断機の間の長さを35mから23mに短縮する、警報時間を8秒から14秒に延ばすなど対策をとった。
 また、今回の事故をうけて、京王電鉄では、非常ボタンを2個から4個に増やし、警報時間も延ばしたという。
 報道では、斜めに道路と交差する長い踏切を、なるべく短い距離で渡ろうとしたらしい女性が、渡り切れずに列車に撥ねられたと伝えている。
 
 現場の踏切は、線路と旧甲州街道(都道)がななめに交差している。そのため、思っていたよりも踏切道が長かった。写真でもわかるが、旧甲州街道の道路中央線(黄色)が、踏切停止線(白色、線路と平行だと思う)と急な角度で交差しており、測ったら30度なかった。
  
   踏切道は幅7m程度、長さ約25mだが、線路が道路とななめに交差しているため、歩きにくかったり、自転車に乗っていて車などをよけようとしてハンドルを切ると、タイヤがレールの間に挟まれる危険がある。
 
 現に、私が踏切を歩いて渡っている時、小学生3人が自転車で踏切を走ってきて、最後尾にいた小学生の自転車のタイヤがレールの隙間にはさまれ、動けなくなった。
 警報機は鳴っていなかったが、急いで、自転車を上に持ち上げ、レールから外してあげた。もし、これが警報機が鳴っていて、誰も近くにいなかったらと思うとぞっとした。

  レールに足や自転車などのタイヤを挟まれやすいことは、京王電鉄や警察もわかっていて、注意を促す看板があり、絵も道路に書かれている。
 
 看板には、「踏切内で自転車のハンドルを切ると大変危険です この踏切では自転車をおりてご通行願います」と書かれているが、通行する人をみていると、看板に気付かず、ほとんどの人が自転車に乗ったまま渡っている。

 踏切では、京王電鉄の社員が、「踏切では無理に横断しない」よう書いたチラシとタオルなどを、踏切で待つドライバーの方々に配っていた。
 
 しかし、踏切を通行する人や車に注意して渡るようにと訴えるのもよいが、有効な安全対策を講じてほしいと思う。京王線は、東府中2号踏切の400メートル手前くらいまで、鉄道が高架になっている。この高架化を先にすすめることを検討すべきではないだろうか。
 
 東京都は、「踏切基本対策(平成16年)」の中で、今回事故のあった東府中2号踏切も2025年までに改善する「重点踏切」の一つに取り上げている。その後、6年ほどの間にこの踏切で3人の方が亡くなった。同じような事故が再び起きないよう、早急に対策を検討してほしいと思う。

 
最後になりましたが、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。

 
《参考記事》
「電車接近見えづらく 67歳死亡 東府中・斜め踏切」 (粂文野) (2010年9月22日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyotama/news/20100921-OYT8T01297.htm

「京王電鉄 踏切の安全策強化」 (NHKニュース)
http://www.nhk.or.jp/lnews/shutoken/1004191101.html

2010年9月23日木曜日

小学5年生が亡くなった警報機・遮断機のない踏切~柏崎市JR越後線

 夏休みの8月19日午前7時ころ、新潟県柏崎市橋場町のJR越後線の第2下原踏切で、近くに住む小学5年の男児が列車に撥ねられて亡くなった。

 報道によると、踏切には、警報機や遮断機がなく、人を感知すると音声で注意を促す装置を設置していたが、2003年ころに壊れてからJR東は修理せずそのままになっており、看板などで注意をうながしていたという。踏切道は、線路が盛り上がっているため、傾斜があり、砂利が敷かれていて歩きにくいという。この踏切では1992年にも、82歳の女性が撥ねられて死亡する事故がおきていた。

 小学生は、毎朝、自転車でトレーニングのため自宅周辺を走り、この日は、自宅に帰る途中、踏切を渡っているところを事故に遭った。
 現場の踏切は、西中通駅と東柏崎駅との間にあり、西中通駅から約600m、左にカーブしていて見通しが悪いという。また、事故当時は、夏草が背高く繁り、踏切から列車が見えにくかったという住民の話もある。

 地図を見ると、第2下原踏切の近くには保育園や住宅地がある。踏切は、幅約5メートル、長さ約10メートル。北側に畑や集会所があり、南側にはバス停や食料品店がある。踏切から約400m離れた警報機・遮断機のある踏切は、自動車の通行が多く歩道もせまいため、住民は自動車の通らない第2下原踏切を利用することが多いという。

 住民の利用が多く、児童や生徒も通行する踏切には、警報機や遮断機をつけた方がよいと思う。
まして、見通しが悪いために列車の接近もわかりにくいのであれば、なおさらのこと。
 児童に注意を促すだけではなく、小学校近くの踏切も警報機や遮断機を設置して、ぜひ児童の安全を確保してほしいものだと思う。

《参考記事》
「柏崎踏切で列車にはねられ小5死亡--JR越後線 /新潟」
毎日新聞 2010年8月20日 地方版
http://mainichi.jp/area/niigata/news/20100820ddlk15040129000c.html

「小5踏切事故死」  2010年09月20日 朝日新聞新潟
http://mytown.asahi.com/niigata/news.php?k_id=16000001009210003

2010年9月21日火曜日

渡りきれない踏切、早急に対策を

 報道によると、9月19日、午後0時50分ころ、府中市八幡町3丁目にある京王線東府中2号踏切で、足が不自由だったという女性(67歳)が列車に撥ねられて亡くなった。
 警察は、女性が踏切を渡り切れずに列車にはねられたとみており、警報時間などが適切だったかどうか、検討する必要がある。

 現場の踏切は、遮断機と遮断機の間が約23mあり、道路幅は約7mだが、線路と道路が斜めに交差しており、線路をななめ横断する形になっているという。女性は、踏切道の最短距離を渡ろうとしたようだ。踏切に入った後、警報機が鳴り、遮断機が下りた。列車 の運転士は、踏切内にいる女性に気付いて警笛を鳴らし、急ブレーキをかけたが、間に合わなかったという。

高知県佐川町踏切事故、遺族とJR四国が和解

 2009年4月13日、電動車いすに乗って踏切を横断しようとした女性(当時86歳)が、踏切内に取り残されて、出られなくなり、特急電車に撥ねられて亡くなった。昨年8月、亡くなった女性の遺族が、踏切の安全対策に不備があるとして、JR四国に損害賠償を求めて訴訟をおこしていたが、今月17日、高知地裁(小池明善裁判長)で和解が成立した。

 和解の主な内容は、
①JR四国は、事故のあった踏切などに、踏切の緊急事態を運転手に知らせる非常ボタン(踏切支障報知装置)の設置を検討する。②車いすの利用者や高齢者など、交通弱者の安全確保のため、踏切の事故防止に努める。③双方が損害賠償請求権を放棄する。④JR四国は亡くなった女性に対して哀悼の意を表する、など。

 亡くなった女性の遺族である長女(60歳)の話によると、裁判長は、JR四国に対して事故のあった白倉踏切に、非常ボタンを取りつけるよう要望したという。
 また、女性の長女は、「JR四国は障害者や高齢者など交通弱者に対する安全の確保のため、安全対策につとめる」という内容が盛り込まれ、訴訟を起こした意味があったと、感慨深げにこの1年あまりをふりかえった。

 女性の遺族は、事故の後、「母の命を無駄にしたくない。同じような事故をなくしたい」と、JR四国の安全対策の問題点を指摘し、踏切の安全対策を求めてきた。今回の和解の内容は、事故をなくし、安全対策をすすめてほしいという遺族の思いに答えるものだと思う。

 JR四国をはじめ、鉄道各社には、亡くなった方の命を無駄にしないため、踏切事故の原因を調べて事故の再発防止に努めてほしい。高齢の方や、障害を持った方、小さなお子さんを連れた方などが、安心して渡れるよう、踏切の安全確保に努めてほしい。

《参考》 高知県佐川町白倉踏切の事故については当ブログ
「踏切事故の現場をたずねて~高知県佐川町白倉踏切」
http://tomosibi.blogspot.com/2010/04/blog-post_26.html
 
《参考記事》
「車いす女性踏切事故死:賠償訴訟、和解 遺族、安全対策を要望--地裁 /高知」 毎日新聞 9月18日(土)16時49分配信
http://mainichi.jp/area/kochi/news/20100918ddlk39040629000c.html

「佐川町のJR踏切事故で和解」  09月17日 20時14分 NHK高知
http://www.nhk.or.jp/lnews/kochi/8014055241.html

2010年9月16日木曜日

「鉄軌道輸送の安全にかかわる情報(平成21年度)」~国交省鉄道局が公表

 今年7月、国土交通省鉄道局は、「鉄軌道輸送の安全にかかわる情報(平成21年度)」(以下、「情報」と略)を公表した。

 平成21年度の「情報」をみると、運転事故の41.7%を踏切事故がしめている。また死傷者数も運転事故全体の37.3%をしめ、国交省鉄道局も「踏切事故防止は鉄道の安全確保上、極めて重要なものとなって」いると指摘している(「情報」33ページ)。 

 踏切事故は、長期的には減少傾向にあるといわれており(「情報」14ぺページ)、特に平成17年3月の竹ノ塚踏切事故の後、各方面の踏切事故防止の取り組みもあって、平成20年度には、平成17年度から100件余り踏切事故の件数が減っていた。

  しかし、「情報」によると、平成20年度に比べ、平成21年度の踏切事故の件数は、41件増の355件で、踏切事故の死亡者は125人で9人増、死傷者は274人で、60人増えている。
  平成21年度は、減少傾向が止まり、踏切事故件数にして13.4%、死傷者数にして29%増えているのである。この増加がどんな要因によるものなのか、国交省鉄道局には十分事故情報を分析して、踏切事故を防ぐ対策を講じてほしいものである。

 特に、第3種、第4種といった警報機や遮断機のない踏切では、警報機・遮断機のある第1種踏切よりも事故の発生する割合が高くなっている(「情報」15ページ)。国交省や地方自治体、各鉄道事業者には、地方の路線などに残る危険な踏切や「開かずの踏切」の安全対策を急ぎ、悲惨な踏切事故の犠牲者をなくすよう努めてほしい。
 
《参考》
「鉄軌道輸送の安全にかかわる情報(平成21年度)」国土交通省鉄道局 平成22年7月
http://www.mlit.go.jp/common/000124042.pdf
「鉄軌道輸送の安全にかかわる情報(平成21年度)の訂正について」(平成22年9月14日)
http://www.mlit.go.jp/common/000124056.pdf

2010年9月10日金曜日

第4種踏切で事故、大学生意識不明の重体~秩父鉄道

 9月8日午後4時30分ころ、熊谷市曙町2の警報機・遮断機のない第4種踏切で、自転車に乗って踏切を渡ろうとした熊谷市の大学生が秩父鉄道の普通電車に撥ねられて頭を打ち、意識不明の重体になっているという。

 大学生は、携帯音楽プレイヤーを身につけていたことから、音楽を聴きながら自転車に乗っていたとみられ、警察は事故との関連を調べているが、秩父鉄道では警報機も遮断機もない踏切での事故が相次いでいる。警報機も遮断機もない踏切での事故が発生する割合は、全国的にも第1種踏切(警報機・遮断機のある踏切)に比べて高いことは、国土交通省の統計でもわかっており、早急に対策が求められていたところだ。

 秩父鉄道の第4種踏切では、今年5月にも、高校生が接近する列車に気付かず撥ねられて亡くなる事故が起きており、1999年以降第4種踏切では13人の方々が亡くなっている。これらの事故の対策として、秩父鉄道では、この夏、通行者に注意を促す自動音声装置の設置をすすめていたところだという。

 列車の接近を知らせる装置のない踏切はあってはならないと思う。通行者の注意だけにたよるのではなく、十分な踏切の安全設備が必要だと思う。また、踏切での見通しがわるかったり、踏切道の路面が悪いこともある。事故のあった場所では、十分事故の原因を調査して同じような事故が起きないよう、再発防止策を講じてほしい。

 秩父鉄道は、経営が苦しいことから、費用のかかる第4種(警報機・遮断機ともない踏切)や第3種踏切(遮断機のない踏切)の改善が進まないという。秩父鉄道が公共輸送機関として重要なら、自治体や国も、経営の健全化や安全性の向上にむけて、積極的に援助するべきではないかと思う。

 最後になりましたが、事故に遭った大学生には、一日も早く意識を回復して、元気になってほしいと願っています。

《参考記事》
「自転車で音楽聴き踏切渡る、大学生はねられ重体--熊谷・秩父鉄道 /埼玉」  毎日新聞 9月9日(木)11時32分配信  【平川昌範】  9月9日朝刊
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100909-00000073-mailo-l11

《参考》
「鉄軌道輸送の安全にかかわる情報(平成21年度)」(平成22年7月 国土交通省鉄道局)
http://www.mlit.go.jp/common/000120718.pdf

2010年9月8日水曜日

教育への公的支出の拡大を~OECD調査

 報道によると、2007年、日本は、教育機関への公的支出(奨学金をのぞく)が国内総生産(GDP)に占める比率が、3.3%だったことがわかった。7日、経済協力開発機構(OECD)が発表した調査の結果、明らかになった。

 比較可能な主要28カ国中、国や自治体が支出する教育支出の各国の平均は、4.8%なのに対して、日本は最低だった。アイスランドの7%が最も高く、北欧諸国なども高い。一方、私費負担分を含めた日本の教育投資はOECD平均値を上回っており、公的支出の不足を家計が埋め合わせている結果になっているという。

2010年9月4日土曜日

秩父鉄道第4種踏切、音声装置で注意喚起

 報道によると、秩父鉄道は、この夏、警報機・遮断機がない第4種踏切に、自動音声で踏切の通行者に「危ない。踏切では止まって、右、左を確認してから渡りましょう」と、注意をうながす装置を設置した。
 秩父鉄道の全102個所の第4種踏切のうち、通行量が多く、危険度が高い21か所を選び取り付けたそうで、通行者が近付くと、センサーが反応して、自動音声が流れる仕組み。

 第4種の行田市桜町踏切では、2008年9月には自転車に乗った男子中学生(当時14歳)が列車の接近に気付かず、急行に撥ねられて亡くなった。同じ踏切で、昨年12月には保育園児(当時4歳)が犠牲になっている。歩行者と自転車専用で、幅は約2メートルと狭く、中学生が来た方からは列車の接近が見えにくいと思った。
 また、今年5月には、秩父市の大野原の黒谷踏切でも、高校生が踏切に入って列車にはねられる事故が起きている。

 音声装置の効果はまだわからないが、第4種踏切を知らない人が踏切に気付きいったん停止することをうながす上で、大切な装置かもしれない。
 しかし、踏切に、通行者に対して列車の接近を知らせる装置を設置することは国交省令でも決められており、今後も、危険な第4種踏切を第1種に改善していくことが必要だと思う。
 
 102か所の踏切を一度に全部改善することは難しいだろうが、列車本数や通行量が多く学校や幼稚園などがちかい踏切、児童・生徒・幼児などが通る踏切、お年寄りや障害を持った方々が通る踏切から優先的に改善していってほしい。
 鉄道事業者や自治体は、踏切周辺の環境の変化、宅地化が進み新しい住民や学校などの施設が増えていることなどを考慮して鉄道の安全対策を進めるべきだと思う。

《参考:当ブログ記事》
「踏切事故の現場をたずねて~秩父市大野原黒谷7号踏切」 2010年5月16日
http://tomosibi.blogspot.com/2010/05/7.html
「踏切事故の現場をたずねて」(行田市桜町踏切) 2009年6月22日
http://tomosibi.blogspot.com/2009/06/blog-post.html

《参考記事》
「秩父鉄道踏切 センサーで『危ない』 音声装置 効果は  進まぬ「第4種」統廃合 自治体の腰重く」   (2010年9月4日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saitama/news/20100903-OYT8T01217.htm

2010年9月2日木曜日

転落防止のホーム柵などの設置を急いで~京王線新宿駅での転落事故

 専門家によれば、鉄道がかかえる大きな問題のひとつは、プラットホームだという。

 国土交通省の調べでは、ホーム上で、または線路に転落して列車に接触した死傷事故は、昨年度は193件で、6年前の1.8倍にもなる。

 8月23日、京王線新宿駅のホームで、列の先頭にいた男性が、列にぶつかった酔客に押し出され、電車とホームとの間に挟まれて亡くなるという痛ましい事故がおきた。