2011年11月5日土曜日

非常ボタン未設置の秩父鉄道踏切で衝突脱線事故

  報道によると、11月1日午前11時15分ころ、埼玉県長瀞町の知h支部鉄道樋口駅~野上駅間で、踏切内に止まっていた大型ダンプカーに普通列車が衝突、脱線し、4名が軽傷を負った。列車は衝突して先頭車両が脱線した。ダンプカーも衝突のはずみで、横転した。

 秩父署によると、大型ダンプカーが踏切内で動かなくなり、衝突するまでに1,2分あったとみられている。ダンプカーの運転手が非常ボタンを探しているうちに列車と衝突したという。
秩父鉄道では、2009年12月にも、深谷市長在家で、交差点で起きた事故のはずみで踏切内に乗用車が入り、脱輪、乗用車と普通列車が衝突するという事故が起きている。このときは、乗客250人にけが人はなかった。

 秩父鉄道によると、埼玉県内にある同社の踏切311か所のうち、運転士に踏切の異常を知らせる非常ボタンと障害物を検知するセンサーの両方が設置されている踏切は4カ所で、センサーだけは15カ所、非常ボタンだけは1カ所だという。
  同県内の 他の鉄道事業者の非常ボタンの設置状況は、西武鉄道は116カ所、東武鉄道は374カ所の踏切すべてに設置、JR東日本では、114か所のうち112カ所に設置されている。

 秩父鉄道は、単線の区間が多いため、非常ボタンやセンサーの設置されている踏切が少ない。しかし、秩父鉄道の周辺は宅地化が進み、人口や交通量が増えているところだ。鉄道事業者や行政は、周辺の環境の変化や踏切の利用状況の変化に応じて、踏切の安全対策を講じるべきだと思う。

 幸い、今回はけがをした人も軽傷だという。今後、悲惨な踏切事故を起こさないために、事業者や行政には早急に対策を検討してほしい。

《参考》拙ブログでは、以前にも、秩父鉄道の踏切事故について取り上げた。
「秩父鉄道の第4種踏切~事故をくりかえさないために 」2011年7月21日
http://tomosibi.blogspot.com/2011/07/4.html
《参考記事》
「鉄道事故:列車とダンプが衝突し5人けが--埼玉・秩父鉄道」毎日新聞埼玉2011年11月2日
http://mainichi.jp/select/jiken/archive/news/2011/11/02/20111102ddm041040207000c.html
「長瀞の踏切事故:09年に同様事故 非常ボタン、311カ所中5カ所のみ/埼玉」毎日新聞埼玉2011年11月3日
http://mainichi.jp/area/saitama/news/20111103ddlk11040283000c.html

なお、運輸安全委員会では、事故調査を開始している。
同委員会ホームページ「鉄道事故インフォメーション」
http://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/railway/detail.php?id=1804

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