2013年2月3日日曜日

女子柔道で、監督が暴力行為~第三者機関で調査を

 1月30日、報道によると、ロンドン五輪柔道女子日本代表の園田隆二監督が、選手に暴力やパワーハラスメント行為をしていたことが、15人の女子選手の告発によってわかった。

 昨年、9月、日本代表の女子選手から、全日本柔道連盟(以下、全柔連と略)に対して、合宿中に園田監督が選手を殴ったり、蹴ったり、棒でこづいたりしたという情報がもたらされた。全柔連が暴力行為を調査し、園田監督も事実を認めたため、11月に始末書を提出させ、厳重注意し、監督も選手に謝罪したという。

 しかし、その後も、園田監督が監督を続投することが決まり、選手たちは、監督の暴力や暴言におびえていたという。
 12月に入り、4日、強化選手15人が匿名でコーチ陣の暴力などを訴える文書をJOCに提出。全柔連は聞き取り調査を実施。25日、選手15人が個人名を明かして、強化体制の見直しなどの嘆願書を日本オリンピック委員会(以下、JOCと略)へ提出。
 1月10日、選手4人がJOCを訪れ、問題を訴える。1月15日、全柔連、臨時倫理委員会を開き、園田監督の文書による戒告処分を決定、19日、処分を園田監督らへ言い渡す。25日、全柔連、JOCへ一連の経緯の報告を行う。27日、選手5人が再び、JOCを訪問し、問題を訴える。28日、JOCは全柔連に、選手への聞き取りを要望する。

 報道によると、これらの処分と事実関係について、JOCと全柔連は公表せず、文部科学省にも説明していなかったこともわかった。
 31日、竹田恒和JOC会長から、監督らの暴力行為について報告を受けた下村博文文部科学相は、「JOCが改めて主体的に調査をしてほしい。他の競技でも暴力がないか調査して、日本のスポーツに対する信頼回復に向けて対応してほしい」と要請した。

 2月1日、柔道全日本女子の園田隆二監督は、全柔連に辞意を記した進退伺を提出し、受理された。園田監督は、取材に対して、「社会的に迷惑をかけ、選手たちに責任を感じている。柔道の原点に戻って、学びなおしたい」と話したという。
 また、全柔連の上村春樹会長は、告発した選手15人がJOCの調査に対してのべる意見を今後の強化に反映させることを明言したという。

  JOCは、31日、緊急の理事会を開き、スポーツ現場から暴力を一掃する方針を確認するとともに、選手たちから詳しく事情を聴くため、「緊急調査対策プロジェクト」をたちあげた。
 メンバーは荒木裕子氏ら理事4人と弁護士で構成する。プロジェクトでは、選手たちが競技団体などに相談できない悩みなどを持ち込める機関を設置する準備もすすめる。文科省から要請された柔道以外の競技への調査も早急に着手する方針。全柔連については、加盟団体審査委員会にかけて、組織のあり方などを審査し、処分を検討することも決めた。

 1月30日のJOCと全柔連の会見で、初めて明らかになった女子選手への数々の暴力行為の事実。報道を見聞きするだけでも、それらの行為が選手を育てるということにつながるのだろうかと、疑ってしまった。女子選手に対する暴力について、調査チームは、選手たちの不利にならないように聞き取りをしていただきたい。そして、事実関係を明らかにし、なぜ、そのような行為が行われたのか、原因を調査し、組織のあり方に問題があることがわかったならば、改善の方法を検討・実施するべきだと思う。

 日本のオリンピック選手たちの活躍は、私たちにいつも勇気や希望を与えてくれた。柔道の選手の活躍も忘れられない。そんなすばらしい選手たちが、たたかれたり、蹴られたりしながら、日本代表として出場するために、厳しい練習に耐えていたとは…
 
 そういう暴力を使う練習や指導ではなく、選手たちが自主的に練習し、能力を高めていく指導方法はないのだろうか。柔道だけでなく、すべてのスポーツから暴力がなくなり、子どもや若者がのびのびとスポーツが楽しめるようにと、切に願う。

《参考記事》
「女子柔道暴力問題:園田監督が引責辞任 全柔連、進退伺を受理」 毎日新聞 2013年02月02日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/news/20130202ddm041040084000c.html

「JOCが緊急会議 緊急調査実施へ 相談窓口も設置準備」産経新聞 2013.1.31 21:14
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/130131/mrt13013121150014-n1.htm
「進退「事実把握し結論」 園田監督「申し訳ない」 女子柔道暴力」 朝日新聞 2013年1月30日
 
http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201301300699.html

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